村雨庵 茶の湯日記

日々是茶の湯

日課観音

2018-12-07 23:15:52 | 茶道具、古美術、骨董
今年十月に開催された
三渓園に於ける大師会茶会

山の上の茶室「金毛窟」の
掛けものは
源実朝の「日課観音」だった

「金毛窟 」
1918年(大正7年)建築
三溪が建てた一畳台目
金毛窟という名の由来
床柱は大徳寺の山門
金毛閣の高欄の架木を使用

ご存知だろうか
「日課観音」のことを
私は全く知らず
ご一緒させて頂いたF先生からお話しを伺い
また後日 詳しく教えて頂いた

日課とは
毎日きまってする物事のこと
散歩や体操それぞれあるだろうが
日課として書かれた観音図ということ
掛けものの筆者は源実朝

1192~1219
鎌倉幕府第3代将軍
頼朝の嫡出の次男
兄の頼家のあと
12歳で征夷大将軍
武士として初めて
右大臣に任ぜられる
その翌年に鶴岡八幡宮で
頼家の子公暁に暗殺された
藤原定家に師事
家集に「金槐和歌集」がある

仏道に励み
写経をするように
源実朝は観音図を描く事を
日課とした

昭和十二年
三渓の長男善一郎が急逝
その一週間後
月華殿、金毛窟にて
追悼の茶事がひらかれ
金毛窟の床の間に
掛けられた軸が
「日課観音」だったという
当時を偲び
今回の大師会でも同じく
「日課観音」を掛けたと
茶室で説明を受けた

写真は
F先生の床の間の掛けもの
仰木魯堂の日課観音
心の内で手を合わせた
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