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 台風の影響で、発売日の3日後に店頭へ並ぶ瞬間に手に入れた一巻(右)と二巻(左)↑

 

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 発売日の夜に二巻を読み終わり、翌日に手に入れた三巻(右)、四巻(左)↑

 

 

 十二国記シリーズの最新作である『白銀の墟(おか) 玄(くろ)の月』を、先日26日に読み終わりました♨ 夜中の3時に(笑) 最後読み止まれなかったよね💦 読んだ人ならわかると思うけど。

 

 私は結構な遅読なんですが、それでも前後編を17日づつで読了したので、一巻平均8.5日で読んだことになります。体感的には序盤がなかなか読み進まなかったものの、二巻あたりからはあっという間という感じでしたにやりキラキラ 面白かった音譜

 

 読了後、十二国記ファンの友達とあーだこーだ感想をつき合わせしたいところですが、そういう友達もいないので、勝手に話したい事を書き殴りたいと思います笑い泣きサミシイヤツ!(※以下、ネタバレ有りで勝手に書き殴るので、自己責任でお読みください)

 

 

 正直、この作品が18年(長編としては2001年ぶり)を経て発売されるとは、全く予想していませんでした。ある意味、泰麒が無事この世界から十二国の世界へ戻ったところで話は終わっていて、「あとはご想像にお任せします」だと思っていたので。

 というのも、首謀者が阿選だとわかっていたし、泰麒が十二国に戻れた時点であとは李斎と一緒に驍宗を探して、戴国を取り戻すんだろうなと思っていたので。

 

 話の筋が読者にわかっている作品ほど、作者として高いハードルって無いよなぁとか、書く側に立って考えると思っちゃいますが💦

 

 でもそこはさすが小野不由美先生でした。

 

・驍宗は本当にまだ生きているのか?

・偽王になった阿選は、何故何もしないのか?

・王宮には何故、夢遊病者のような官吏がいるのか?

 

 この辺りの謎が、すぐに本を読む手を止めさせませんでした。

 

 序盤の主人公が、泰麒や李斎じゃ無かったのも驚きでしたね。多分先生の上手い罠か(私が勝手に罠だと思ってたのか)と思いますが、謎が多くやけに強い男頂梁(こうりょう)”が主人公だったので、途中まで「これはもしかして…名を変えて潜んでる驍宗!?」とか思ってました。ただの頂梁なんですがゲラゲラ

 

 こうやって筋がある程度わかっているからこその、先入観を逆手にとった先生の罠だったんじゃないかと!(決して私がおバカなわけでは、決して!!)ミスリードは他にもありましよね、確か静之(せいし)。これは完全にミスリードを狙っていたのは明らかだと。両人とも軍人なので、「ズルいなぁ…えーんとか思いつつ。

 

 この作品が断然面白くなり始めたのは、泰麒が李斎と別行動をとり始めた辺り。まさか堂々と正面から王宮に入るとは思いませんでしたアセアセ でも賢いやり方! 麒麟にしかわからない感覚を逆手にとって王宮に入ったことから始まり、王宮での泰麒は賢くて本当恰好良かった! 呪詛を受けたとは言え、日本の教育が良かったのかなぁ…(笑)

 

 そんな泰麒でも一筋縄ではいかない王宮編が、個人的には凄く面白かったです。特にあのハト!!(※妖魔)次々と人が抜け殻みたいになってくホラー表現は、さすが小野先生だなぁと。多分、今ハトの鳴き声聞いたらビクッ! ってなる自信ある。

 

 最もテンションが上がったのは、驍宗の居場所がはっきりして、生きているとわかり、自力で坑道を脱出したところですよね…。アニメの驍宗はCVが藤原啓治さんだったので、セリフは全部藤原さんの声で脳内再生されました。いやもう、その声で自力であそこを脱出されちゃあ……ラブ

 

 でも驍宗って地黒のイメージがあったので、6年間(?)陽の光を浴びられずに“白くなった”驍宗が想像できませんでした💦(というかしたくない?笑)

 

 脱出したのも恰好良かったけど、脱出して早々、村人を襲っていた烏衝(うこう)の部下を“袈裟懸けに両断した”驍宗、メチャ恰好良かったなぁ…キラキラ イメージ的には、炎をバックにリンを片腕に抱えたケンシロウ(目元は陰)みたいに見えていたんだけども!

 

 もうあとは集めた仲間と驍宗で阿選に立ち向かうだけじゃん!! と思わせてからの、絶望という演出。阿選が泰麒の裏をかき始める辺り、本当憎らしかったですムキーッ それまでは少し同情する気持ちもあったんですよ? 自分は驍宗を好敵手だと思ってずっと意識してたのに、驍宗は自分なんかこれっぽっちも相手にして無かったんだ……とわかった時の寂しさ? 恋心かと!(笑) これは四巻を股にかけた、スケールの大きいBLなんじゃないか!? と血迷った時もございました…ぼけー

 

 でも完全に消えたね。この終盤の絶望感で。それまで李斎が地道に驍宗を探し続けて、ちょっとずつ増えていった味方や驍宗の元部下達をあっという間に消しやがって!むかっ なかなか驍宗が見つけられなくて苦労を共にした分、メッチャ泣いたわ!えーん

 

 そんな絶望の中、進んでしまう驍宗の処刑……か~ら~の、泰麒の立ち回り! あのドタバタ感と泰麒の思い切りの良さにメッチャ興奮しました!キラキラ ここ読んでたのが多分最終日の0時過ぎ。そしてまさかの泰麒復活ですわ…。

 

 実はこのラスト、私的には予想の範囲内ではあったんです。麒麟の角って治るんじゃ? ってちょっと思っていたので。でも私が想像してたのは、怒りや悲しみのパワーかなんかで額が輝いて、その場でニョキニョキっと角が生えるのかなと思ってました💦 まさか既に治っていたとは…笑い泣き

 

 ラストの漢文みたいな文章を見て、「そう言えば十二国記ってこういう終わりだった!」って思い出して、凄くテンションが上がりました。正直なところ、ここまで阿選憎しで終わってしまうと、阿選が討たれるところや阿選が驍宗と会話するところは見たかったなというのがありますが、それは来年刊行される予定の短編集に期待をしていますにやりキラキラ その後の戴が立て直る様子とか、成長した泰麒と驍宗の会話も見たいし。(…と期待して無ければガッカリだけど) あと頂梁と園糸には幸せになって欲しい。ドキドキ(栗ちゃんもね)

 

 最後にちょっとだけ引っかかってる事があるとすれば、やっぱ琅燦(ろうさん)の存在ですよね…えー? 泰麒は最後「敵じゃない」と判断したみたいですが、彼女は一体何なの? 下手すると「悪魔かな?」とも思えて、阿選よりたちが悪い気がしないでも無いんですが。彼女は驍宗が出来ない、“戴政権の膿を出した”って事でいいのかな? 彼女が阿選を唆したわけだけど、阿選は遅かれ少なかれ謀反を起こした気がするし。っていうのは、驍宗が阿選の立場だったら「戴を出る」って言ってたからね💦 彼らほどの能力や矜持があると、どうにもならない感情があるんでしょう。

 

 

 大分時間が経って、私も歳を経て純粋に読む側ではなく、文章を書く側としても改めて読むことになった十二国記の最新作でしたが、「こんなに難しかったっけ?アセアセって思うほど漢字が難しく、名前しかわからずどんどん増えていくキャラに少し怯みもしたけれど、やっぱり最終的にはとても面白かったですニコ

 

 この作品を読んで改めて思ったのは、十二国記の最初の作品である『魔性の子』を書かれた時に、小野先生はどこまで考えていたのかってことですね。特に戴王が元軍人という設定は、どの辺りで浮かんだのか気になります。(「風の海 迷宮の岸」を描くにあたってかな?)だってこの話、驍宗が元軍人じゃないと成り立たないですよね? 坑道で6年生きてるとか、驍宗の元部下たちが水面下で生きていて、いずれ阿選と立ち向かわないとならないから。

 

 改めて小野不由美先生の発想力に脱帽致しました。

 

 出来ればこの作品、2クールくらいのアニメにしてくれないかなぁ!ニヤ とか思ったり。実際難しい言葉で描写されていて、ファンタジー世界だし細かい想像が出来なかったというのもあったり、沢山いたキャラクター達のビジュアルが見たいのもあるし。もしアニメ化されたら阿選の声は誰がやるのか、私気になります!キラキラ

 

 という事で十二国記の最新刊、時が経っても変わらず面白かったよ、という感想でした♨

 

 

 個人的には1巻の表紙は李斎で

 二巻の表紙は泰麒で

 三巻の表紙は阿選で

 四巻の表紙は驍宗かなと。(ちなみにこの阿選、結構色っぽくて好きですラブ