テーマ:Jazz(1961)
カテゴリ:ジャズ
爆発的かどうかはともかく、渋く粘っこい味わいを楽しめる好盤
ハーマン・フォスター(Herman Foster)は、ルー・ドナルドソンのレギュラー・ピアニストとして知られるが、いくつかの自己名義作も残している。1961年録音の『ジ・エクスプローシヴ・ピアノ・オブ・ハーマン・フォスター(The Explosive Piano of Herman Foster)』は、先に取り上げている『ハヴ・ユー・ハード』と並んで彼の代表的な作品(と言ってもこの人のリーダー作は決して多くないのだけれど)と言えるように思う。 “爆発的(explosive)”という表題が目を引くのだけれども、一般論としては、あまりここに拘らない方がいいと個人的には思っている。というのも、聴き手によっては、“どこが爆発的なのか”という疑問の声が出てきそうな感じがするからだ。ブロックコード(レッド・ガーランドなんかのそれとはまったく違って、ピアノを箱ごと鳴らしたような豪快な音)が爆発的と言えば確かにそうかもしれないのだけれども、音の豪快さだけでなく、黒っぽくて粘り気のあるプレイも同じように特徴になっている。むしろ、個人的には、こっちの部分がこの盤の最大の特徴かつ聴きどころになっているという気がする。 おすすめの演奏をいくつか挙げておきたい。1.「イエスタデイズ」は、テンポよく演奏が進む中、だんだんと粘っこさが増していき、聴き手はハーマン・フォスター節に引き込まれていくという演奏で、本盤の特質をよく表している1曲だと思う。4.「ダンシング・イン・ザ・ダーク」も筆者の好みの演奏で、盛り上がりのある演奏の中でフォスターのピアノをしっかり堪能できる。さらに、この人のピアノは静かな曲調だったり、ゆっくりとしたテンポの演奏であったりしても、独特の粘り気は消えないし、時に鍵盤を打楽器的に叩いて盛り上げてくれる。そういった側面が垣間見られる演奏としては、2.「ライク・サムワン・イン・ラヴ」や5.「グッドバイ」なんかが個人的には気に入っている。あと、ついでながら、自作曲の3.「キャロル」も、何だか聴いた後しばらくは耳から離れなく曲で、さりげなくいい。 [収録曲] 1. Yesterdays 2. Like Someone in Love 3. Carol 4. Dancing in The Dark 5. Goodbye 6. Dream [パーソネル、録音] Herman Foster (p), Grassella Oliphant (ds), Earl May (b) 1961年5月9日録音。 Explosive Piano of Herman Foster/Have You Heard【中古】 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019年12月04日 19時16分22秒
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