テーマ:Jazz(1961)
カテゴリ:ジャズ
派手さはなくとも、安定して聴ける好盤
ジャズ・ギターというと、これをお読みの方はどんな名前が最初に思い浮かぶだろうか。タル・ファーロウやジョニー・スミス、はたまたジミー・レイニー、あるいはケニー・バレルだったりするだろうか。数々のギタリストの中で、このジョー・ピューマ(Joe Puma)という人は、いちばん最初に思い浮かばなくとも、順に挙げていくと忘れるわけにはいかない名前の一つとして思い浮かぶ人物ではなかろうかと思ったりする。 1927年ニューヨーク生まれのジョー・ピューマは1948年頃から活動をはじめ、主に1950年代以降、セッション・ミュージシャンとして活躍した。その一方で、数は多くないものの、リーダー作もいくつか残している。そんな中で代表的な作品とされるのが、ベツレヘムに吹き込まれた本盤『イースト・コースト・ジャズ・シリーズNo.3(East Coast Jazz Series No. 3)』である。 ヴィブラフォン(ドン・エリオット)入りで、ギターの客演(バリー・ガルブレイス)が入るということで、シンプルなギター・トリオではないのだけれど、ジョー・ピューマのギターの魅力は存分に活かされている。その特徴は、柔らかなピッキングにテンポのよさと言えるように思う。一人で圧倒的に聴かせるというよりは、アンサンブルの中で持ち味を発揮しているというのがぴったりくるように感じる。 個人的な好みで何曲か聴きどころと思える曲をピックアップしてみたい。1.「ロリス」は、淡々としながらも、本盤のトーンをよく表している。スタンダード曲の3.「ホワット・イズ・ゼア・トゥ・セイ」は、この曲のベストの演奏という訳ではないかもしれないが、“ああ、なるほど”と納得の演奏。ギターとヴィブラフォンが安定的に調和しているのが、筆者的には好みだったりする。6.「ピューマティック」は、彼の名を冠した自作曲だが、このテンポのよさと丁寧な一音一音が持ち味の本領発揮という気がする。 そのようなわけで、派手な盛り上がりは期待すべきではない盤だと思う。けれども、この安定的なギター演奏に合わせるようにまったりとからむ参加メンバーの演奏は、結果的に全体としての統一感を醸し出している。変に“お洒落なジャズ”を進めるケースもあるが、そういう勧め方をするのならば、こういう盤こそ、そうした1枚に選ばれてもいいのかもしれないなどと考えてみたりりもする。 [収録曲] 1. Loris 2. A Little Rainy 3. What Is There to Say 4. Hallelujah 5. How About You 6. Pumatic 7. Liza 8. Moon Song (That Wasn't for Me) [パーソネル、録音] Joe Puma (g), Barry Galbraith (g), Don Elliott (vib), Vinnie Burke (b), Teddy Sommer (ds) 1954年11月30日録音。 【中古】 イースト・コースト・ジャズ・シリーズ Vol.3 /ジョー・ピューマ(g),バリー・ガルブレイス(g),ドン・エリオット(vib),ヴィニー・バーク(b), 【中古】afb 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020年03月22日 18時16分06秒
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