テーマ:アメリカン・ロック(103)
カテゴリ:洋ロック・ポップス
結局は“つなげて”演奏したアメリカン・ロック界のボスのアンプラグド盤
1990年代、広範なリスナー層に大うけした企画が“MTV Unplugged”なるライヴ演奏だった。厳密に言うと、1989年あたりから始まったものだったが、文字通り、楽器の電気プラグを抜いて、アコースティックで演奏する、というのがその趣旨だった。エリック・クラプトンなんかに代表されるように、こうした“アンプラグド”のライヴ企画は、いくつものヒットを生み出す現象になった。 こうした流れの中、アメリカン・ロック界のボス、ブルース・スプリングスティーンも1992年に“アンプラグド”盤を録音している。しかし、その結果は“つないだまんま”のライヴとなってしまった。それゆえ、アルバム作品(および映像作品)としてリリースされたものの、ジャケットや表題の“Unplugged”の“Un”の部分にはバツ印が付けられた。 アメリカン・ロックの代表格だからアコースティックになれなかったというのは、少々言い過ぎで、実際にはこの数年前には弾き語りメインのアコースティック・ライヴ・ツアーも行っている。けれども、ちょうどこの演奏の年は、『ヒューマン・タッチ』と『ラッキー・タウン』の2枚同時リリースの時期と重なり、従来のE・ストリート・バンドとは異なる新たなメンバーでの演奏に本人の関心が集中していたのだろう。実際、13曲中8曲がこれら2作に収められた楽曲となっている。さらに、アコギを使った冒頭の1.「レッド・ヘッデッド・ウーマン」は未発表曲、10.の「ライト・オブ・デイ」は映画用の提供曲をセルフカバーしているが、10.の8分を超える長尺の演奏はこのメンバーでのライヴを象徴する盛り上がりになっている。 9.「涙のサンダーロード」など過去のナンバーも演っているが、リリース当時に筆者が繰り返し聴いたのは、2.「ベター・デイズ」、6.「ヒューマン・タッチ」など上記2枚同時リリースのアルバムの代表曲群だった。後にE・ストリート・バンドが復活したが、演奏の一体感や安定度ではかなわないかもしれない。けれども、この頃の新たな気分で新たなチャレンジをしている姿と演奏は、既にベテラン・アーティストであるにもかかわらず、フレッシュな印象だったように思う。そういう点では、上記10.とともに、5.「マンズ・ジョブ」の演奏にもぜひ注目していただきたい。 [収録曲] 1. Red Headed Woman 2. Better Days 3. Atlantic City 4. Darkness on the Edge of Town 5. Man's Job 6. Human Touch 7. Lucky Town 8. I Wish I Were Blind 9. Thunder Road 10. Light of Day 11. If I Should Fall Behind 12. Living Proof 13. My Beautiful Reward 1993年リリース。 【中古】 MTV UNPLUGGED〜プラグド /ブルース・スプリングスティーン 【中古】afb ↓こちらはDVD(輸入盤)です。↓ イン・コンサート: MTV プラグド [輸入盤][DVD] / ブルース・スプリングスティーン 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[洋ロック・ポップス] カテゴリの最新記事
|
|