テーマ:Jazz(1961)
カテゴリ:ジャズ
“これぞ王道”的なジャズ・ピアノ・トリオ盤
ギド・マヌサルディ(Guido Manusardi)は、1935年、北イタリア生まれのジャズ・ピアノ奏者。イタリア出身とはいえ、北部のスイスとの国境に近いキアヴェンナ出身ということもあるせいか、スイス、ドイツ、オランダなどから活動を始めた。アート・ファーマー、デクスター・ゴードン、ジョニー・グリフィン、ブッカー・アーヴィン、ルー・ドナルドソンなどそうそうたるミュージシャンたちとの共演経験を持つ。 本盤『ザ・ニアネス・オブ・ユー(The Nearness of You)』は、2003年にミラノで吹き込まれたトリオ盤であるが、ある意味、実に分かりやすい盤であると思う。このように言うと、“真髄を分かっていない”などと批判されてしまいがちなのは承知の上で、敢えて言えば、“これぞジャズ・ピアノ”然とした盤なのである。録音時のマヌサルディは既に70歳近く、お世辞にも若くはない、というかむしろ老齢である。言い換えれば、その経験の積み重ねをピアノで紡ぎだす、そしてその演奏は、“これぞジャズ・ピアノ”とでも言える内容に仕上がっていると思う次第なのである。 全編を通じて統一感があり、通して聴くのがその雰囲気を感じるにはいちばんだとは思うが、敢えていくつか注目の演奏を挙げてみようと思う。1.「スピーク・ロウ」は、ある種、お手本的演奏であるが、変なタメがあまりない(言い換えると流れるような演奏)というのが個人的には好感の持てる点であったりする。そうした流れのある演奏という意味では、5.「アイ・ネヴァー・ニュー」は外せないように思う。さらに、テンポとキレのよさという点では、7.「ザ・ウェイ・ユー・ルック・トゥナイト」も聴き逃がせない。他の演奏者も少し意識してみると、6.「エヴリタイム・ウィ・セイ・グッバイ」あたりのベースに注目したいところ。他のいくつもの曲でもこのマルコ・ヴァッジというベース奏者の演奏は結構本盤の演奏の鍵になっているように思う。 ありがちなまとめ方で恐縮だが、“これぞジャズ・ピアノ”な演奏という意味では、決して超メジャーな奏者ではないけれども、こういう演奏と最初に出会えるのは結構幸せなんじゃないかと思ってみたりもする。つまりは、初めてジャズを(あるいは、ジャズ・ピアノ盤を)聴く人にも勧められるような、そんな盤ではないかという風に感じる。 [収録曲] 1. Speak Low 2. The Nearness Of You 3. Time After Time 4. Spartacus 5. I Never Knew 6. Ev'ry Time We Say Goodbye 7. The Way You Look Tonight 8. Everything Happens To Me 9. My Heart Stood Still 10. The Wasted Years 11. If I Should Lose You [パーソネル、録音] Guido Manusardi (p), Marco Vaggi (b), Tony Arco (ds) 2003年10月録音。 ギド・マヌサルディ・トリオ / THE NEARNESS OF YOU [CD] 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020年07月03日 05時46分44秒
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