■お給仕前


今回、初の試みとして無観客で生配信を行うとアナウンスされたのっていつだったか忘れてしまった。
小鳩がラジオ番組に出演した時か?

3月のスタジオライブと同じような感じなのかなと思っていたら、正式発表では有料。前回のようにiPhoneで配信するスタイルではないと予想できた。
ネットで視聴するライブに関しては、僕は無料のものだけしか観た経験がなく、音や画像のクォリティーで完全に満足したワケではない。
それゆえ、観る側も雰囲気が分かる程度のもので受け入れるつもりだったし、どうなるのか皆目見当がつかなかった。


今回はStreaming+とZAIKOの2カ所でチケットが販売されており、何が違うのかさえよく分からなかったけれど、終了後アーカイブ期間が長いZAIKOを選んだ。要は指定されたサイトで観るということね。

申し込み後、開催予定を観ると1時間となっているのに気づいた。
BAND-MAIDは曲にMCはほぼ入らない。小鳩が行う挨拶的なものと、おまじないタイムが主であるから、10曲は聴けるだろうとほくそ笑んだ。料金(FC会員1000円、一般1500円)からいっても逆に破格であることは間違いない。


前日、メンバーのツイートで"飲み物"を用意しなければ...と思ったが、雨の中買いに行く気になれず。
アルコールを飲み過ぎて、途中でトイレに行きたくなるのも嫌なのでおとなしくアイスコーヒーにした。

30分前にログインすると、画面が切り替わっており残り時間の表示が出ている。
ツイッターを覗くと、お盟主様たちがツイートし始めていて、開演時間が近づくにつれてその量は加速度的に増えていった。
演奏を聴きながらツイートをたくさんしたかったが、結局は1回だけにした。画面越しとはいえ同じ時間を共有しているのを無駄にしたくはなかったのだ。


■お給仕本編


時間になると、ニューSEが流れる。
最初に元気よく飛び出してきたのはAchi。続いて、みんちょ、小鳩、Misa、彩姫という順序。

オープニングは何だろう?
ドキドキしていたら、Dominationのリフが始まった。
メンバー全員が集まってリハをやるのがどれだけあったのだろうか。
みんちょがオンラインリハをやっていると言っていたけど、ブランクはほぼ感じさせない。

Achiはお約束の変顔をしながら、いつもより楽しそうだ。彩姫の声も問題ない。
スガシカオさんが言っていたのだけど、3~4ヶ月歌わないと声帯を支える筋肉が落ちてくるのでリハビリをちゃんとしないと元のようには歌えないそうだ。その点を考慮しても、彼女が陰で如何にトレーニングを積んでいたのが分かる。

始まってすぐに気づいたのが、音質の良さ。
歌も楽器もとてもクリアに聞こえる。

なんてこった!!ポーン

これまで観たBAND-MAIDの正規・非正規(ファンカム)映像、生のお給仕(ライブ)の中で、文句なしで一番だ。
BAND-MAIDの音響チームの腕の良さ以外に、ZAIKOの配信システムも優れているのだろうな。  
ロックファンの基本的な欲求として、良い音を聴きたいと思っているはず(だよね?)。それがまさか配信で叶えられるとは想像すらしていなかった。"こんなプレイをしているんだ!"と分かるレベルの音を届けて貰えたのは嬉しかった。



2曲目のDilemmaは昨年発売された新譜からの曲。ここに持ってくるとは意外。

3曲目はPLAY。僕はMではないけれど、この曲を聴く度にMISAのベースでビンタを32連発喰らっているような気になってしまう(^^;)

メイドさんたちのお給仕での見所の一つがジャムセッションのパート。PLAYではイントロに新たなパートが昨年から追加されていて、フロントの3人がジャムる。
とてもファンキーな仕上がりになっていて、初めて聴いた時は何の曲が始まるのかしばらく分からなかったほど。

ここで注目したいのは小鳩のプレイ。渋公の映像よりも、かなり鮮明になっている。
何回かリピートしてみると、音をちゃんと切ってファンキーに弾いている。上手くなったねぇ😊

小鳩のMCを挟んで4曲目にプレイされたのがthe non-fiction days。
おい、おい。マジか!!これはビッグ・サプライズ。
後でチェックしたら、海外のファンも驚いていたようだ。
レア曲入らないかな...とツイートしたら、願いを叶えてくれた(と勝手に解釈)。
彩姫の伸びやかな声と相まって、元からあった曲のカッコ良さが倍増した感有り。
みんちょのバッキングも聴いていて色々な発見があって面白かった。

なお、この曲では小鳩がVに持ち替えているのだけど、メタルトップとの音の違いもちゃんと分かった。

5曲目のGloryは、リッチー・ブラックモアで有名な四度を使ったリフにサンバっぽいリズムを組み合わせるという面白い試みをしている曲。
MVで、みんちょが途中で片足をひょいっと上げることころが好きで、楽しそうに弾いているのが分かる。

ソロで開放弦を混ぜてくるのもリッチーを感じさせる。多少は影響されているのかな。
そんなことを考えながら、彩姫の煽りに従って部屋の中でもコーラスの部分はちゃんと歌った。



続いて披露されたのはDon't you tell ME。
小鳩はメタルトップに持ち替え。

前から不明だったことに、BAND-MAID特有の低音のコーラスがある。
女性では無理な部分はピッチシフター的なエフェクトでもかけているのかな?
同期音源に入れている場合もあるようだが、この曲の一カ所で明らかに小鳩が歌っている箇所があった。驚き。

間髪を空けず、ヘヴィなリフで輪廻が始まる。
小鳩が再度Vに持ち替え、みんちょがやや腰を落として弦をヒットする様は、"覚醒"中と言っても差し支えないだろう。
ソフトな曲調が多い新譜の中で、異色かもしれない。
海外のファンが『growl』と呼んでいる低い声から、一気にギヤチェンジして駆け上がる歌い方は他でも聴けるが、彩姫のトレードマークになった感有り。

人見記念講堂で初披露されたのを耳にしているからだろうか、僕はスタジオ版はミックスが好みではない。
最高なのは以前ブログでも紹介した、NHKに出演した時の演奏をファンがリミックスしたものだ(知る限り3種類の映像が出回っている)
限界に挑むかのようなAchiのツインペダルの高速連打に、小鳩がザクザク刻むリズムはロックファンの脳髄を刺激する。

それなのに、何故かこの曲では小鳩の音に対してあまりみんちょが主張してこないような気がしている。
2番のAメロになると、なぜかみんちょの音が小さくなってしまうのだ。
この曲以外でも、もっとエグい音にしても良いだろうと思う曲がいくつかある。時間がある時に、メタルバンドの音を研究してみたらどうか。


2回目のMCで印象的だったのは、
Achiのトイレ6回事件でも、
小鳩のギターがおまじないタイムでハウっていたことでもなく、
みんちょが彩姫に肩を抱かれながら腹話術の人形化してしまっていたこと。
FC会員向けの動画などでも分かるように普段は綺麗なお姉さんで、育ちの良さが垣間見える人なのだが、もはや別人格が宿っていた(^^;)



DICEで演奏再開。最後のセクションへ。
小鳩はメタルトップに持ち替え。
この曲はBAND-MAIDの中でもキラーチューンと言っても過言ではないし、初めて聴いた時の驚きは今でも覚えている。
イントロのベースが、もうちょっとブリブリした音になればスタジオ版の迫力が再現出来ると思う。ライブではいつもクリアな感じがしている。

もう数曲か...と思っていたら、endless Storyのコーラスが流れてきた。
お店の閉店間際に流れる曲のように、そろそろ終わりますよ的な合図に聞こえてしまう。
この曲では、終わった直後に『ありがと』と言う彩姫が可愛らしい。

小鳩がVに持ち替えてFREEDOMが始まる。
何回か見返してもよく分からなかったのだけど、トラブルがあったようでテックの2人が小鳩の足下をチェックしていた。
その後、ちょっとだけ音が途切れたりしていた。

みんちょのソロの時に小鳩も合せてポーズを決める。たしか、2018年秋のヨーロッパツアーでもやっていたな。


ラスト11曲目はBlooming。
1時間の予定で数十秒を残して終了となった。
サービス精神満載。

配信直後から、早速アーカイブを観始める人が何人かいて、僕は結局通して5回観た。


■今後のオンラインお給仕


ある人のツイートによると、15,000人(1,500人?)が観ていたという。
実際の人数は定かではないが、悪くない実績だ。

仮にコロナ禍が落ち着いても、定期的に行っても良いのではないかと思う。
良い音が全世界に一斉に届けられるのは分かった以上、全てのお給仕を従来通りにする必要はない。
特に、頻繁にツアーで回れない地域に住んでいる国内外のファンを開拓するには非常に有効な手段だ。

レア曲、リクエスト曲(『So,What?』『decided by myself』をやって欲しい😊)、アコースティック、カバー曲中心など、テーマを決めて行えば飽きられることはない。

また、オンラインお給仕の商品化を望むツイートをいくつか見かけたが、Blu-rayやDVDにすることで映像や音質劣化はどうなるのかな。
昔の知人がやっているバンドの場合、オンラインで公開している映像を敢えて商品化しないのは、劣化を気にしているかららしい。


■セットリスト


1. DOMINATION
2. Dilemma
3. Play
4. the non-fiction days
5. glory
6. Don't you tell ME
7. 輪廻
8. DICE
9. endless Story
10. FREEDOM
11. Blooming


★20200814追記
技術の進歩ってスゴイな。
彼女たちが、80年代に出てきたらたぶんこんなことにはならなかった。
https://bandmaid.tokyo/contents/335120
7/23に行った初回公演では、七大陸のうち南極を除く六大陸、全世界57か国で視聴頂いておりました。