孤独な夜に爪痕残す

節約生活&自作小説

柚葉は驚き体を仰け反らして俺との距離を取った。完璧な不審者扱いだった。どうせいつかは元の世界に戻ってしまうのだから憧れの人との出会いを無駄にするのは勿体ない。『もし…良かったら朝までファミレスでも行って時間潰しませんか?』飲みに行こうと言えば絶対に警戒さ ...

根岸柚葉は眠りについており、電車の揺れに任せて太股が開いたり閉じたりを繰り返す。これは…アイドルのパンチラが拝めるのでは、と邪な心で座席に深く腰掛けなおした。あと少し…あと少しで…。電車が激しく揺れて大きく開かれた太股の間からピンクの生地が妖艶に俺を魅了 ...

秋葉原でライヴを終えて打ち上げで盛り上がり終電間際の山手線に飛び乗った。他のメンバーはタクシーで夜の街へと消えていったけど俺は飲み過ぎて帰らせて貰った。幸運にも角の席が空いていたので滑り込むように腰かけた。ギターを足の間に挟んでひと時の睡眠につく前に向か ...

津田公平のアパートにバンドメンバーが集まっていた。公平の提案でもっと音を増やして複雑な音楽に既存曲をアレンジしたいとの事だった。本格的なツインギターとなると歌いながら複雑な演奏を要求される。他のバンドとの差別化を図るには演奏の上手さを全面に押し出していく ...

入学してから1年半が経ち二度目の人生で二十歳を迎えていた。過去とは生徒が違う大学でも新しい友人が出来て合コンしたりと楽しいキャンパスライフを過ごしていた。バンド活動は残念ながら頭打ちになっていた。対バンをしながら少しずつファンは増えてきてはいるが、スカウト ...

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