p3ぶろぐ おかわり : 糸井正和経済経営研究所

金融・経済・経営の幅広い分析をお届けします。身近な路地裏経済から陰謀渦巻く国際戦略まで、様々なハナシをお楽しみ下さい。

日韓経済戦争の余波

2019-07-16 01:23:45 | 国際政治・金融・経済
今月初めに発表された半導体材料3分野に関する韓国のホワイトリストからの除外ですが、ネット界隈ではかなりの盛り上がりを見せています。
当初は“徴用工”問題に対する報復措置とみられたものが、北朝鮮やイランへの戦略物資横流しに対する制裁である可能性が出てきましたから、陰謀論的にも興味深い展開です。

コトの真偽はさておき今回の日本による“規制強化”について、主たる対象となる韓国の大手半導体メーカー(SamsungとSK Hynix)は「むしろ在庫調整の好機」と強がっています
まぁ実際そういう面もあるでしょうが、在庫調整するというコトは生産も縮小するであろうワケで。当然、予定していた設備投資も延期もしくは中止となるコトが予想されます。
…“普通”の企業であれば、ですが。

韓Samsungはいまや世界トップのメモリメーカーですが、そこに到るまでには、かつてのメモリ不況時に競合他社が設備投資を抑制する中、国の支援を背景に積極投資をしたコトでシェアを伸ばした経緯があります。
今回もメモリ価格が低下する中で、大規模投資の計画を明らかにしています。
今回違うのは、上記リンク先に記されている通り、投資先が非メモリ分野であることです。特に有望とされる5G向け通信チップやAIチップが、その対象と想定されます。
で、当該分野で競合するのは、通信チップのQualcommやAIチップのnVidiaといった米企業です。
今回も国の支援を背景に当該分野への投資を強行した場合、米国トランプ政権の“勘気”に触れて、中国同様の制裁を受けるおそれがあります。

同社には、かつてないホド慎重な舵取りが求められる局面になりつつあると言えるでしょう。

“人気ブログランキング”に参加しています。人気ブログランキングへクリックして応援して頂けると、励みになります。m(_ _)m


最新の画像もっと見る

コメントを投稿