2020年教育改革のキーワードの一つが『アクティブラーニング』です。
先生が一方的に講義をする形式の授業から、生徒が多様な意見を出し合い学び合う授業にするというもの。
しかし、読者のみなさんが子どもだったときのことを思い出してもらえば、積極的に手を挙げる児童・生徒は5割にも満たないと思います。
手を上げて答えを答えるだけでそれなのに、議論をすすめるような気の利いたことが言える子どもなんてクラスに何人いるのでしょうか。
むしろ、手を上げて答えて目立つといじめられるのではないかという心配すらあります。
中高生になると、周囲の目を気にしておとなしくしているのがふつう。
羊は積極的に手を挙げる方でしたが、それは能力別クラスが導入されていて、同じような生徒が他にもいたからでした。
自分一人しかいなかったら、どうしていたかわかりません。
アクティブラーニングが成功するためには、子どもに自分の意見が言える環境を作ってやらなくてはなりません。
また、家庭でも子どもの意見を聞く姿勢を親が見せないといけませんね。
そうは言っても、おとなしい子というのはいるものです。
性質もあるので、それを無理やり積極的になれと言っても、なかなかできません。
口頭で発言することが苦手なら、書くもので自分の意見を出せるようにしておくといいのではないでしょうか。
中高生になれば、指名されたら答えるくらいはできるようになるはずです。
小学生のうちは、外に出せなくても自分の意見を持てるようにしておくことが大事です。
おとなしい子の場合、誰かに何か尋ねられても、答える前に周囲の大人が先回りして、その子の代弁をしてしまうことが多く見受けられます。
できれば、そんなときに、その子から言葉が出てくるまで、じっと待っていられるといいのですが。
発言の少ない子は、「こんなことを言ったら笑われるのではないか」「間違ったことを言ってしまわないか」というような、不安を抱えていることがありがち。
恥ずかしい気持ちを乗り越えて出した言葉を、しっかり聞いてもらえると少しずつ自信がつくと思うのです。
いずれにしても、アクティブ・ラーニングが重視されるようになる教室が、おとなしい子にとって苦痛にならないように、してやりたいものです。(羊)