新型肺炎の状況下で、自分で考える人と、そうでない人の差が出てきているように思います。
人に決めてもらわないと、自分の行動を決められない人が多すぎます。
子どもの話ではありませんよ。
保護者もそうですし、コロナについて報道しているテレビのワイドショー関係者もそうです。
学校や幼稚園・保育園に、「自分の場合はどうしたら良いか」を問い合わせる人。
専門家会議や政府の発表を垂れ流すマスコミ人。
今回のような感染症であれば、統計的な視点が欠かせないのに、「3日連続で○○人を切ったから減少傾向だ」などと、絶対数を用いて判断するなんて無意味なのに。
せめて移動平均を取って、曜日ごとのアノマリー(偏り)を除去して議論して欲しい。
あるいは、GWに比べて人手が増えて8割削減ができていないとテレビで言っています。
あれは、実行再生産係数が1.7くらいの想定で決められた目標なので、今はそれより確実に下がっているので、接触の削減割合も緩まっているはずです。
また、8割削減を続けたら、緊急事態宣言中と同じ経済活動レベルとなってしまいます。
さらに、今の「感染者数は2週間前の状況の反映」という言葉が、まことしやかに繰り返されていますが、感染してから結果が出るまで2週間かかっていたのは、検査体制が整っていなかった時期の話。
現在は1週間以内に縮まっていると思います。
本来なら、検体を採取した日毎の感染者数を発表すべきだと思うのですが。
状況に合わせて検証を専門家にしてもらってから、報道すべきです。
かつてマニュアル世代やマニュアル人間が増えたということが言われましたが、そうした人たちが子どもを持つようになっています。
人に決めてもらえないと動けない人が親だと、その子どもだって自分で決められない人になってしまいます。
決断力というのは、社会人として重要な能力なのですが、子どもの頃からの積み重ねで作られます。
データを鵜呑みにせず、各種の分析している人の意見を比較するくらいは、ネット時代の今は容易にできます。
専門家会議というのが、金看板になっていますが、専門家という名の素人も多くいるものですから、疑いながら話を聞く必要があります。
感染症の研究者と言っても、病原体そのものの研究者から、疫学の専門家までいます。
今のように専門分野がタコツボ化している時代では、ちょっと違った研究をしていると畑違いということもあるのです。
世界の潮流では、数理モデルを使って解析するのが当たり前で、インフルエンザワクチンの接種方法も、そうやって決めて大きな効果を上げている国もあるのです。
日本は、その分野の専門家は非常に少ないと聞きましたが。
(専門家会議の北海道大学の先生が数少ない専門家の一人)
映画シン・ゴジラで、未確認生物に関して専門家を読んで意見を聞いたけれども、「御用学者の言うことはダメだ」というので、実績の有無に関わらず、若手でも最先端の知識を持っている人間を招集して対策チームを作っていました。
そういうことが、非常時には大切なのかもしれません。
話が反れました。
とにかく、この非常事態に「何言ってんのさ」と思うような言動をする大人が目につくのです。
理性でしっかりものを考えないと、判断を誤ります。
9月入学を言い出した高校生が、「このままではズルズルと休校が延長されて、いつになったら学校に行けるのかわからなくなると予想される」というようなことをツイッターで発信したそうです。
その高校生は自分で考えられる高校生だと思います。
現状を分析したら、必然的にそのような結論が出ますよね。
だから、賛否はありますが、9月入学という一つの提案ができたわけです。
もっとも、冬に再度流行したら、9月入学では対応できないという予想も立つのですが。
今は、自分の身の回りを見回したら、近い将来に起こることは、予想できるはずです。
そうしたら、どのような準備をしたらよいかわかるので、その備えをするべきです。
ある経済コンサルタントが、「今年度の企業活動は、4ヶ月しかできないと考えて事業計画を立てろ」と書いていました。
夏に一旦緊急事態が解除されても、初冬からまた新型肺炎が流行して、また来年の初夏まで収まらない可能性があるから、最悪のケースを想定して生き残る手立てを考えるということです。
各自が、最悪のケースを想定して、今何をすべきか考えてみたら良いと思います。
自分で考えられる人しか、生き残れないかもしれませんね。(羊)