以前わが家の東大生が高校生に勉強を教える所を見る機会がありました。
そこで気づいたことがあります。それは問題集の解き方です。
まず生徒に問題を解かせて答えを合わせます。
記述問題は当然、解答を精査して正誤を確かめ、違うときにはやり直しをするということになります。
記述式問題では答えだけを確認することは少ないでしょう。
記述問題とは違うタイプの問題があります。
「正しいものを選べ」や「誤ったものを選べ」という選択問題です。
選択問題においては、答えが合っていたら次の問題の答え合わせに進み、違っていた時にだけ、どこで間違えたか検討するということが一般的なのではないでしょうか。
ところが彼は、答えが合っていた問題についても「どうして、その答えになりましたか?」と尋ねているのです。
まぐれ当たりで本当は理解していないのに、その問題を学習済みとすることを防ぐわけです。
またその出題意図に関する理解度も確認できます。
「なるほど」と思いました。
大学入試センター試験で高得点が必要な東大受験生は、取りこぼしを防ぐために、一つ一つの問題の理解度を確認して、必要ならその点を補いつつ先へ進んで行くわけです。
これを同じ問題集について何度も繰り返して、全て理由が説明できる状態で頭に入っているところまで持っていけるのです。
この方法は何も選択問題にかぎらずに応用が可能です。
穴埋め問題でも「なぜその言葉を選んだのか」を説明すれば良いですし、国語の文章読解でも「本文のどの部分から、その内容になったのか?」と根拠を示せば良いのです。
自学自習で勉強する場合は、問題を解いた後に解答を見ながら正誤だけでなく、正解不正解に関わらず解説まで全て読むということです。
そうして自分が考えてプロセスと照らしあわせて、まぐれ当たりでないことを確認し、理解が不足している点を補うようにします。
確かに小中学生の勉強に付き合っている時に、答え合わせを自分でさせると◯×をつけておしまいか、×のみ解説を読んで、赤字でノートに書き写して終わりとする生徒が多いですね。
今では、私も小学生の勉強を指導する際には、同じことをしています。
正しくても誤っていても、解答するまでのプロセスを確認しつつ、理解度を確かめています。
勉強における子どもの口癖のひとつに「合ってる?合ってない?(当たってる?当たってない?)」があり、◯か×かに関心が高く、内容は二の次という傾向が見られます。
読み書きソロバンの基礎学力がある生徒ならば、成績を上げるのはある意味簡単なのです。
やるべきことをやれば良いのですから。
ベネッセの高校受験調査にこんな結果がありました。
高校受験の悩みや不安を聞いている中で「何を勉強すればよいのかわからなかった」に当てはまると答えた生徒は、全体平均で64.5%がイエスと言っています。
成績別に見ると上位は36.6%下位は82.1%と差があります。
成績上位の生徒は「やるべきことがわかっていて、それをやっている」から良い成績がとれるということがわかります。
高校受験生でこれですから、中学受験生となれば幼い受験生ではもっとこの傾向が強まるのではないでしょうか。
何をすれば良いのか、学習内容だけでなく学習方法についても彼ら小学生に教えてやる必要があると思います。
親が教えられなくても構いません。
塾の講師や家庭教師の先生に正しい勉強のやり方、子どもに合った勉強方法のアドバイスを求めれば良いのです。
子どもの成績を上げるのは確かにに難しい。
それは子どものやる気スイッチを入れるのが難しいからです。
けれども矛盾するようですが、子ども成績を上げることは容易でもあるのです。
やるべきことをやれば良いのですから。
勉強したら必ず成績があがるはず。
上がらないのは勉強しているように見えるだけで、実は時間を潰しているだけのことが多いのです。
4教科のなかのどの分野でも良いから、「わかる」→「できる」の突破口を開いて、自信を持てれば良い方向に回り出します。
身の回りにいる勉強の出来る人(塾の先生も含む)に、成績を上げられる勉強方法を指導してもらいましょう。(羊)