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六県(むつがた)神社の神宮寺だった富貴寺(川西町)/毎日新聞「やまと百寺参り」第60回

2020年07月12日 | やまと百寺参り(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は『奈良百寺巡礼』(京阪奈新書)の刊行を記念して毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「やまと百寺参り」を連載している。今週(2020.7.9)掲載されたのは「六県神社の元神宮寺/富貴寺(川西町)」で、執筆されたのは同会会員の水間 充さんだった。富貴寺は、仏像ファン垂涎のお寺である。では全文を紹介する。
※トップ写真は、同寺本堂

川西町の玄関口、近鉄橿原線結崎駅から西へ約3㌔、曽我川の右岸に富貴寺(ふきじ)がたたずんでいます。途中、能楽の流派の1つ「観世流」発祥の地・面塚や糸井神社、全長200㍍の島の山古墳・比売久波(ひめくわ)神社などがあり、史跡や神社をたどる散策路となっています。

富貴寺は、長谷寺を総本山とする真言宗豊山派の寺院で、貞観年間(859~877)に法隆寺東院(夢殿)を再興した道詮(どうせん)律師が創建したといわれ、現在は壷阪寺の末寺となっています。もとは境内を接して建つ六県(むつがた)神社の「本地仏」を祀(まつ)る神宮寺堂でした。今も神仏混合時代の面影を残しています。

2月11日に御田植祭(子出来おんだ、県指定無形民俗文化財)が神社拝殿で行われます。出産の所作を伴う神事が珍しい祭です。美しい本堂(重文)は、間口5間、奥行4間の寄棟造で南北朝末期の1388年に建立されました。

本尊は木造釈迦(しゃか)如来坐像(ざぞう 重文)で、像高84・5㌢の桧(ひのき)材、寄木造り、彫眼、漆箔の坐像です。両脇側に木造地蔵菩薩(ぼさつ)立像を配しています(向かって右側、像高96㌢の桧材、寄木造りの地蔵菩薩立像も重文)。仏像ファンには見逃せないスポットです。ぜひお参りください。(奈良まほろばソムリエの会会員 水間 充)

(宗 派)  真言宗豊山派
(住 所)  磯城郡川西町保田33
(電 話)  0745-44-2214(川西町教育委員会)
(交 通)  近鉄結崎駅から徒歩約45分
(拝 観)  境内自由 本堂内は事前予約、志納
(駐車場) 無



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