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新人よ 今週末 東京と大阪のイベントへ

2019年08月22日(木)

さきほど、深夜の看取り往診に呼ばれた。
行くと、電話をしてきた人は震えていた。
「死人を見るのは初めてで、怖い!」と。
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夕方の往診、夜間の往診、深夜の往診。
呼ばれる毎に、車に乗り込み、往診だ。

深夜1時半の往診は、さすがに辛い。
しかし主治医の務めなので、頑張る。

訪問すると、なんだかいつもと空気が違う。
ヘルパーさんが、ガタガタ震えているのだ。

手だけでなく、顔の筋肉も唇も震えている。
そして今にも泣きだしそうな顔をしている。


「どうしたの?」

「死ぬ人を見たの、生まれて初めて。怖い!」

「怖い??」

「怖いです!!」

「なんで怖いの?」

「・・・・・ 、分かりません」

「この人、最後に見たのは何時?」

「夜中の零時です。その時は普通でした」

「昨日の食事は?」

「水分とゼリーだけ。その前までは結構食べていたけど。
 車椅子で散歩もして。でもこの1週間、弱っていました」

「じゃあ、理想的やね。
 自然な脱水で枯れるように逝った平穏死」

「へいおんし?」

「平穏死を知らないの?」

「知りません。なんのことですか?」

そんな会を話していても、患者さんから3m以内に絶対に入って来ない。

こんな光景を見るのはたしか8年ぶりやなあ、と昔を思い出していた。
「平穏死・10の条件」は、そんな初めての看取りシーンから始まる。

スタッフは、人が死んだ途端に怖がって、誰ひとり部屋に入れない。
さきほども、ヘルパーは怖くて震えて、患者さんに触れることもできない。

「怖くないからね」と優しく(?)導いて、一緒におでこをさすった。
それでも彼女はまだブルブル震えていた。

それを観ながらこう思った。
そうだ、人が死んだんだから震えるのが当然で、震えない自分が異常なのだ、と。

その人は、ヘルパーになってまだ1年も経っていない新人。
1年と35年の差。しかし経験は教育で縮めることができる。

改めて、新人教育は大切だと思った。
知識があるのと無いのでは全く違う。


「僕の平穏死の講演、聞いたことあるでしょう?」

「いえ、知りません。なんのことですか?」

「ガク・・・」

まあいい。とにかく新人教育が大切だ。
知ることで恐怖は乗り越えることができる。

ということで、明日、明後日のイベントの最終案内だ。
研修医、新米看護師、新人ヘルパーさんも来て欲しい。



今週末に東京と大阪で開催される研究会の最終案内。
 
★8/24(土) 東大で「総合診療を広めるためのセミナー」が開催されます。
http://www.drnagao.com/img/0824sougou.pdf
総合診療とは何か?カリスマが熱く語る。
「総合診療を広めるためのセミナー」
~高齢者医療、地域包括ケアシステム、総合診療、終末期医療を学ぶ~
 
日時:8月24日(土) 13時~18時(開場12時)
会場:東京大学伊藤国際学術研究センター・伊藤謝恩ホール
       (東京都文京区本郷7-3-1)
受講料:3,000円(税込)、研修医・学生1,000円(税込)
プログラム:
【活動報告】 西田伸一先生(東京都医師会理事)
『東京都医師会による「東京在宅医療塾」の取組みについて』
【基調講演】 長尾和宏先生(長尾クリニック院長)
       『総合診療を医療の土台に本気でしよう!』
【特別講演】 太田秀樹先生(アスムス理事長)
       『地域包括ケアシステム構築のためのヒント』
       ~地域共生社会をめざして~
【スペシャルライブセミナー】ドクターGにチャレンジ
              草場鉄周先生(プライマリ・ケア連合学会理事長)
       『症例検討会』(回答者 研修医の方々)
       テレビではお伝えできないここだけの秘伝のワザをお伝えします!


 
★当日参加OKです! 8/25(日) 認知症で困っている人、悩んでいる人大集合!
第3回 認知症治療研究会関西支部会in大阪
「自分らしく生きる」をみんなで支えよう
http://www.drnagao.com/img/lecture/kansai-ninchisyo20190825.pdf
 
日時:8月25日(日)11時~17時(開場10時半)
会場:クレオ大阪中央 ホール(大阪市天王寺区上汐5-6-25)
       地下鉄谷町線「四天王寺夕陽ヶ丘駅」1・2号出口から北東へ徒歩3分)
参加費:医師5,000円 医師以外2,000円
定員:1,000名
プログラム:
【午前の部】
11:00~11:10 開会のご挨拶 後藤克子 先生 (ももクリニック 院長)
11:10~12:40 基調講演 1
『私は認知症?それとも発達障害??
前半 もの忘れの初期 50分
休憩 10分
後半 発達障害と栄養 40分
座長:口分田 真 先生(口分田玄瑞診療所)
講師:河野和彦 先生(名古屋フォレストクリニック院長)
 
12:40~13:40 【ランチョンセミナー】 
会場でお昼を食べながら気楽に聴講してください。  ※お弁当は各自でご用意ください。
『認知症介護、ケアの達人に聞け!』
家族介護の経験から:工藤 広伸(くどひろ)さん(作家・ブロガー)
施設介護の経験から:三俣喜儀さん(特別養護老人ホームすみれそう 介護福祉士)
 
【午後の部】
13:40~14:40 白熱トーク 
『家族として、施設職員として、認知症の方と生きる』
座長:長尾和宏 先生(長尾クリニック院長)
家族介護の経験から:工藤 広伸(くどひろ)さん (介護作家・ブロガー)
施設介護の経験から:三俣喜儀さん (特別養護老人ホームすみれそう)
 15:00~16:30 基調講演 2 
『認知症治療薬の使いこなし』
座長:梁 勝則 先生(はやしやまクリニック 希望の家 院長)
講師:平川 亘 先生(医療法人社団誠弘会 池袋病院副院長)
 16:30~16:55 質疑応答
 16:55~17:00 閉会の辞: 溝田 弘美さん(特別養護老人ホーム六甲の館 施設長)
 
事前申込は終了しましたが、残席あります。
参加費は当日受付でお支払ください。



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この記事へのコメント

大阪の認知症治療研究会は参加証を送って頂きましたけど、東京大学は、何となく行く気はありませんでした。
でも中山書店の「総合医療を広めるためのセミナー」の完結記念会は、本当にめでたいことと思います。
2~3冊しか、購入していませんけど、良かったと思います。
医師会会長の横倉先生は、お元気ですか?
「日本が超高齢化社会を迎えたことに伴い、国民の医療を守るため、医療がその人口構造.社会構造の変化に柔軟に対応する必要があることは言うまでもありません。地域医療の再興と質の向上は、現在の医師会が取り組んでいる大きな課題の一つです。かかりつけ医が現場で取り組んでいる大きな課題のひとつです。かかりつけ医が現場で必要とする実践的知識や技術を新たな視点から解説する本シリーズ〈スーパー総合医 〉が、地域医療の最前線で活躍される先生方の一助となり、地域医療の充実に繋がることを期待いたします。」と書いて下さっていらっしゃいます。

Posted by にゃんにゃん at 2019年08月23日 09:21 | 返信

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