非情な面、ブラックな面がないと企業は成長しない仕事の顔とプライベートの顔が違うのはよくあることだ

2020年01月13日

長年の経験を生かしてとか、世の中そんなに甘くないから

起業
(理想と現実の壁、それはあまりにも高くて強固)
勤め人は、定年退職が近づいたり、中高年あたりで脱サラを考え出した時などに、長年の仕事人人生で経験した仕事のノウハウやスキルを生かしてその延長で起業しようと夢想することがよくあります。
実際にその方向に踏み出す人も多いでしょう。
そして、その時は、おそらく多くの人はそのビジネスが失敗する(うまくいかない)とはあまり想像せず、どちらかといえばうまく軌道に乗っている自分の姿をイメージしがちです。
しかし、起業した経験のない私が言うのも何ですが、世の中はそんなに甘くありません。
こう言い切っては夢も希望もないかもしれませんが、多くの人は当初描いた理想とは違う人生を歩まざるをえなくなっているのが現実ではないでしょうか。
自信満々だった人ほど現実の前で挫折して大いなるショックを受けているかもしれません。

私は起業の経験はありませんが、真似事をしたことはあります。
会社法の改正で起業資金がかなり安くなったのを機に、社名を考え、事業計画書を作ったこともあります。
当時、私は大企業を中心にいくつかの会社を経験し、特に管理系の仕事については全般に経験してコンサルティングできるレベルまで自分の実力が上がったと思っていたので、管理業務の改革・改善のコンサルティングをする事務所を立ち上げようと考えていました。
その時のノウハウみたいなものをブログで綴って集客に役立てようと考えていたこともあります。
※当時のブログ:『“改善の鬼”竹内富雄が斬る!


当時は起業後は営業も大事だろうと考え、社外のいろんな異業種交流会に顔を出したり、自分でも異業種の交流会を立ち上げて人脈作りに励んでいました。
そして、そこで作った人脈にあたってさりげなくビジネスの話(商談)を持ち掛けたりしました。
でも、話をそれなりに興味深く聞いてくれる人がいてもそれで終わりで、そこから先、「じゃ、お前に仕事を発注しよう」というステップにはいきませんでした。
考えてみればそりゃそうでしょう。
相手が名のある会社の勤め人でその会社のビジネスの延長で商談するならまだしも、何の看板もない一個人のビジネスなど信用できないからです。
人は情報やノウハウをただで得るのを好みますので、へたすりゃ個人のビジネスはただで利用されるだけ利用されて何も得るものがなかったという結末になりやすいものです。
かつて、ベンチャー企業でキャリアコンサルタントをやっていた頃、友人知人からよくキャリア相談を受けましたが、彼らはそれがただだとわかっていたので気軽に依頼してきたのです。

こういうことが自分自身の仕事人人生を通してわかったので、私はより確実な収入に結び付きそうな仕事を選びました。
それが今の料理職人の仕事です。
長年経験した事務系の仕事とはまったく違い、また過去の経験がほとんど生かされない仕事です。
ただ、この5、6年ほどの経験からこの仕事であればそこそこニーズがあるのを実感できています。
そういう点では、大胆なキャリアチェンジをした際は大いに迷いましたが、決断し行動に踏み切ったのはよかったなとつくづく思っています。
かなり前の話ですが、ある大手企業で働いていた頃、法務省出身の行政書士と顧問契約を結び、毎月10万円の顧問料を支払っていたことがあります。
たぶん、相手にすれば役所を定年退職後、毎月それなりの報酬を得られるその仕事は理想的だったのでしょう。
しかし、会社の業績が悪化した時、この契約は無駄とみなされあっさり打ち切られました。
大企業から見れば個人との取引なんていつでも切り捨てることができる都合のいい関係なのです。

はっきり言いますが、今、定年後、あるいは脱サラ後の夢を描いている人は、行動を起こす前の今のうちに現実の厳しさをしっかり学んでおくべきでしょう。
行動に踏み切った後で後悔しても取り返しがつきませんから。
昨今は副業を許してくれる会社も多いようですので、今持っているノウハウやスキルを使って何かしら細々とでもいいから副業を始めてみるのもいいかもしれません。
私の知り合いに自分の経験が買われて大学の講師職に迎えられたと喜んでいる人がいますが、それとて実態を聞けば、月数回の非常勤職で大した収入にはならず、たんに名誉職として本人のプライドに役立っているに過ぎないようです。
「私はXX大学でXXについて教えている」なんていうのは他人の前で自慢しやすいですからね。
ほんと、世の中というのはそうしたものです。
そこのあなた、理想だけに燃えて現実を直視する冷静さを失っていませんか?

この記事に共感いただけましたら、以下アイコンのクリックお願いします。
人気ブログ

<br><br clear=
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック
yoron at 10:54│Comments(0)仕事人の叫び 

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
非情な面、ブラックな面がないと企業は成長しない仕事の顔とプライベートの顔が違うのはよくあることだ