答えは現場にあり!技術屋日記

還暦過ぎの土木技術者のオジさんが、悪戦苦闘七転八倒で生きる日々の泣き笑いをつづるブログ。

大太鼓

2019年09月22日 | 北川村

約ひと月後の和太鼓コンテストに小中学生合同チームでエントリーしている、わが北川村やまなみ太鼓。「小中学生合同チーム」でエントリーしたのは、大会の規定で中学生以下が「少年少女の部」の参加資格となっているゆえであり、中学生たちは、ふだんはわたしと同じ大人チームで演奏をしている。

今日はその小中学生合同チームの練習日だったが、中学生の男子2名が部活で来ることができないとの連絡あり。彼らには直径4尺の大太鼓を両面で打つという役割を担ってもらっている。3年生と1年生だ。

17年前、その太鼓が村にやってきて以来、大太鼓を打つのはわたしの役目だった。わたしの太鼓、ではもちろんないが、わたし以外の構成員が全員女性ということもあって、もっぱらそれは、わたし専用(みたいなもの)になっていた。

その役割に変化があらわれたのは、6年生が1年生になり、3年生と1年生が大人チームの一員になってから。つまり、今年の4月からだ。

当然の成り行きではある。

よろこばしいことだ。

だが、個人的事情からいえば、少しばかり残念な部分がないでもない。

自分自身の稽古ができないのだ。

あきらめればよいではないか。

ふつうはそう思うだろう。

そして、そちらのほうに道理があるのはわたしとて承知している。

だが、まことにもって往生際が悪いことに、わたしはまだ打ち手としての自分に未練がある。

オレだってまだまだ・・・

そこで選択したのが、彼らが来る前にセルフトレーニングをすることだった。

ぼちぼちとつづけている。

「部活でこれない」

そう連絡をもらったとき、

「あ、オレが叩けばいいだけのことだ」

そう思った。

そして、

「ヤツらなど、まだまだこのオレ様の足元にもおよばないし」

そうも思った。

稽古がはじまる。

課題曲と自由曲をかわるがわるに打つ。

繰り返し打つ。

きつい。

あの子たちは、こんなにきつい稽古をしていたのか。

もちろん、いつもならそれを課しているのは、指し導く側のわたしだ。

わたしがそこにいるのを想像して、

「ちょっと休ませて」

思わず根をあげそうになった。

「そうになった」だけではなく、たまらず見学してくれている父兄にこぼした。

「アイツら体力あるねえ」

「体力がある」という表現にとどめたところに、ジイさんの負けずギライと負け惜しみがあらわれている。「体力だけならヤツらにゆずるが、ジイさんにはジイさんの味ってえもんがあるんだ」てなもんである。

まことにもって往生際が悪いことこの上ないが、稽古を休んだ3年生と1年生の顔を思い浮かべると、

「やるじゃないか」

なんだかとてもうれしかったのも正直なところであるが、そんな気持ちはおくびにも出さず、

「まだまだ負けんぞ(負けてるけどね)」

ココロのなかでそうつぶやいて、

「はい、またアタマから繰り返し!」

4尺の大太鼓に向かう辺境の土木屋(兼太鼓打ち)、61歳と9ヶ月。

 

 

 

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