昨日の記事に続いて、小島鐵工所の有する土地の時価について検証をしていきます。今回は、東京営業所の土地についてです。

 こちらについても本社工場と同様に路線価に基づいた時価を算出します。

 東京営業所については本社工場と異なり、固定資産税路線価のみならず相続税路線価も公表されているので、今回は両方の路線価に基づいて不動産価値を算出します。

 計算の前に、有価証券報告書に記載の東京営業所の土地3.44㎡が東京営業所の所在地に係るものなのかやや不安があったので登記情報提供サービスで登記情報を確認しました。その結果、登記上の地積190.77㎡のうちの一部(持分359,709分の6,480)を平成7年9月28日付の売買により「小島鐡工所」が取得し、確かに所有していることが確認できました(「鐵」の字が異なっているのが気になりますが、気にしないことにします。)。

 今回も、全国地価マップにある路線価に基づいて計算を行ってみます。まずは相続税評価額に基づいて計算してみます(計算法については専門書に具体的な計算法が載っているのでここでは解説しません。)。対象となる土地の正面路線価5,180(千円/㎡)と裏面路線価2,180(千円/㎡)、奥行価格補正率1.00、二方路線影響加算率0.07を用いて、

 (5,180×1.00+2,180×1.00×0.07)×3.44=18,344(千円)

と、相続税評価額を求め、これを0.8で除して時価22,930(千円)と時価を求めることができます。

 同様にして、固定資産税評価額に基づいた時価も計算してみます。面積3.44㎡×固定資産税路線価3,630,000(円/㎡)=12,487(千円)と固定資産税評価額を求め、これを0.7で除して17,839(千円)と時価を求めることができます。

 簿価は21,630(千円)ですので、こちらについては簿価と時価の差である含み益はほぼないものと考えることができます。