道場夏セミナーで気になった、2次試験に立ち向かう意識【中小企業診断士試験】
オンライン夏セミナー(オン夏)に参加いただいたみなさん、
長時間にわたりお疲れさまでした!
2次試験の学習の指針になるいい気づきがあれば幸いです。
本日は、私が29日のオン夏セミナーに参加して気になったポイントを補足したいと思います。
以前も似たような記事を書いたのですが、さいちゃんが最も大切だと信じている考え方なので、改めて詳細を描きながらお伝えします。
contents
漫然とした目標設定で2次試験に挑もうとしていないか
1次試験直後から2次試験対策をはじめられた方にとっては、そろそろ2次試験に向けての情報収集の期間は終わりです。得られた情報の中から自分に合うものを取捨選択してください。
ご自身の現状の把握はされてますか。まだ事例を解いたことがない方はいないと思いますが、とりあえず事例Ⅰから事例Ⅳまで80分で一通り解いてみた結果はいかがでしたでしょうか。模範解答とのずれの確認はふぞろいで。できれば勉強会等で外部からフィードバックを受けるとよいです。
事例を解いた後の感想はどれでしょうか。
①結構解けてしまった。ふぞろいの内容と遜色ない。
②ある程度解けたと思ったけど、ふぞろいとずれがある。
③全然解けなかったと思ったけど、ふぞろいと近い部分がある。
④全然解けなかった。ふぞろい解答レベル高すぎてついていけない。
⑤ふぞろいが間違っている。自分の解答が正しいに決まってる。
以下、それぞれに対するさいちゃんの処方箋です。
①の方、あなたは天才です。そのまま合格してください。
もしくは、解けたと勘違いされている可能性もあります。キーワードだけでなく読みやすさはどうでしょうか。解法が安定してますでしょうか。2次試験合格のあるべき姿を考えて客観的な現状分析をお勧めします。
②の方、あなたはポジティブ思考です。少し試験のポイントを勘違いされているかもしれません。あるべき姿と現状のギャップがある可能性があります。問題を明確化し適切な課題設定をしましょう。
③の方、あなたはネガティブ思考です。意外と試験のポイントをとらえているのかもしれません。ただ、あるべき姿と現状のギャップがある可能性があります。問題を明確化し適切な課題設定をしましょう。
④と⑤の方、あなたは試験合格のあるべき姿と現状のギャップが大きいです。客観的な現状分析を急ぎましょう。
以上のように、天才以外の方は、①客観的な現状分析、②問題の明確化、③適切な課題設定+To do(やること)リスト作成の順でアクションが必要になります。ここからは、現状分析、問題の明確化、課題設定(To do(やること)リスト作成)をすべてひっくるめて「目標設定」と呼ぶことにします。
客観的な現状分析
問題を明確化し、適切な課題を設定するためには、まずは現状とあるべき姿とのギャップ=問題を知る必要があります。しかしながら、勉強初期の状態では正しく現状を理解するのは難しいと思います。
1次試験後に事例を解いた私の感想は④で、自分の置かれた現状を正しく理解できませんでした。解けないならと様々な情報収集をしたのは前回の記事で挙げました。そして、「まとめシート流」2次対策に出会い、書いてあることを真似して問題を解きました。テキストを見ながら時間も無制限で解いてみると、2次試験をプロセスで解いた経験が大きな一歩になります。1を2にする(身に着けたことを発展させる)より0を1にする(新しいことを身に着ける)方が難しいので、岩塩の言う守のベースとなる考え方を纏うために、既存のプロセスを有効活用(パクってみる)することが近道です。
不思議なもので、ある型を身に纏うことで自分の現状がわかるようになります。予備校の模試を受けるのもそうです。予備校の型の中での自分の現状がわかります。とりあえず自分に合いそうな型を見つけたら、まずはそれをベースとして事例を解いてみてください。できればフィードバック付きで。私は同じ型で12事例程度を解いて、おぼろげながら解き方が身に付き、自分に合わない型や自分に足りないところが見えてきました。頭で考えてもわからないことは、手を動かすことから始めてみましょう。
問題の明確化
模範解答と照らし合わせたときに、何ができていて何ができなかったか、勉強会などで他人に解答を見てもらったときに指摘されたポイントなどから、現状とあるべき姿のギャップ=問題を明確化します。注意点としては、模範解答や勉強会の仲間によってそれぞれ2次試験合格のためのあるべき姿が異なるため、フィードバックを自分自身で読み替えたり取捨選択する必要があります。フィードバックを活用する際の心構えについてはこちらを参考にしてください。
適切な課題設定
課題設定は、現状とあるべき姿のギャップ(問題)を把握し、ギャップを埋めるために課題を設定し、具体的な施策に落とし込むというプロセスの中で実行します。オペレーションレベルでの課題設定は、単純作業レベルでTo doリストを作りることで、事例を解く際のプロセスを明確化できます。
事例を解く前の目標設定例
事例を解く前の課題設定と、オペレーションレベルのto doがアウトプットになります。あくまでも一例ですので、個人の趣味嗜好によりTo doは異なるはずです。
解答方法に関して①
問題:診断士試験の解答らしい言い回しができない。書けた場合でも時間を多く割いてしまう。
課題:解答の書き方を把握して、解答作成能力を向上させる。
To do:解答の書き方を把握するために模範解答を写経する、金型を覚えて活用する。(直接的な手段ではないが、春秋要約などの国語力を鍛える方法もある。)
解答方法に関して②
問題:模範解答に出てくる1次知識を盛り込もうとする発想が出てこない。知っていても活用できない。
課題;適切な1次知識を盛り込んだ解答が書けるようになる。
To do:過去問に出てくる知識を中心に、2次試験に必要な1次知識を補う。定着が弱いのであれば、100字訓練法などによって手で書いて体に覚えさせる。
解答方法に関して③
問題;与件の文言を自分なりに言い換えてしまい、採点者にわかりずらい文章になってしまう。
課題:与件のキーワードを忠実に使い、採点者に意図を伝えやすい文章を書けるようになる。
To do:与件文のワードそのまま使うことを、自分の中の制約条件にする。絶対に守る。長いカタカナ語は同意の漢字に置き換える。
置き換えに関する参考:ksknの記事
与件の読み方、使い方①
問題:与件中のキーワードを見落としてしまう。
課題:与件から適切なキーワードを引っ張ってこれるようになる。
To do:マーカーで色分けして、注目すべきキーワードをビジュアル化。それぞれのキーワードどの設問に当てはめるか、パズルのピースを合わせるイメージ。
与件の読み方、使い方②
問題:与件中のキーワードを使うべき設問に使えず、別の設問の解答に使ってしまった。
課題:与件のキーワードについて、設問への切り分けができるようになる。
To do:設問に対して正面に応え、適切な振り分けに時間が使えるように金型解答をつかう。切り分けが難しい場合は、無理に切り分けず重複を認める。
参考:岩塩とおべんと君の記事
タイムマネジメントに関して
問題:80分以内に解き終わらず、空欄が残る。時間がなく余裕なく冷静な解答が書けない。
課題:80分以内に余裕をもって解き終わるようになる。
To do:タイムスケジュールを固定するなどのタイムマネジメントを行う。「あと5分あればできるのに」ではなく、80分以内に収めるための時間割が肝要。
参考 3chの80分の使い方 なおさんの80分の使い方
初学者あるある
問題:何を書いていいやらさっぱりわからない。
課題:何を書いていいかわからない状態から脱却する。
To do:やるべきことをすべてプロセスに落とし込み自動で手が動くようにする。参考書をまねしてみる。
ケアレスミス
問題:ケアレスミスで失点する。
課題:ケアレスミスをできるだけ減らす。
To do:個人的に後で見直しをしてもケアレスミスに気づきにくい。一回目の記入でミスがなく完璧に収めるつもりで対応するために、見落としを防ぐ施策(マーカー、金型解答)を用いる。
事例Ⅳ
問題:事例Ⅳでつまらない計算ミスで失点する。
課題:計算ミスをできるだけ減らす。
To do:限られた時間で正確な解答ができるよう、計算ごとにマイルストーンを設けて定期的に見直しする仕組みを作り、できれば毎日問題を解く。皆が取れそうな問題に優先順位をつけ、できる問題から正確に解く意識を持つ。
目標設定の注意点
目標設定で決めた具体的なTo doは、コストや時間、自分に合うかどうか、自分ができるかどうかによって、取捨選択すべきです。惰性でやる必要はありません。自分にあわないと思ったらスパッとあきらめて次のツールを選んでください。
ツールありきではなく、目標ありきで進めるべきです。「自分の課題は〇〇なので、〇〇のツールを使うことで課題を達成する。」ということを心の中に留めておきましょう。
ただし、事例Ⅳは手段ありきで進めてもよい科目だと思います。例えば、30日完成、全知全ノウ、各予備校の事例Ⅳ特訓など。過去問と照らし合わせながら、2次試験の範囲を網羅しているツールを選んで、毎日少しずつ進めていきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。ここまで読んでいただいた方の中には、もっと手っ取り早く2次試験の勉強法を知りたい、ノウハウを知りたいと感じる人も多いと思います。ご期待に沿えず申し訳ございません。
ただ、さいちゃんが申し上げたいことは、知識やノウハウといったツールはたくさん用意されているということです。好きか嫌いか、できそうかできなそうかという恣意的な基準で、様々な選択ができる余地があります。だからこそ、ツールを適切に活用する意識が重要になるのです。
2次試験合格のためのあるべき姿って何でしょうか。ふぞろいでしょうか。予備校の模範解答でしょうか。それは誰もわかりません。こちらから見れば、キーワードが重要そう、あちらから見れば、読みやすい日本語と論理構成(因果)が重要そう。はたまたきれいな字がいいのか。様々なフィルターをかけてみることでしか2次試験の本質をイメージすることができません。誰も試験の正解はわかりません。その中で、多くの合格者が有効だと考えた手法を取り入れるのは自然な考えだと思います。
試験全体を通して大切なことは、うまくいかなかった時の振り返りと次のアクションです。しっかりと目標設定ができていれば、達成度確認も容易で、復習も適切に行えます。できるだけ早く、目標設定→達成度確認→目標再設定のサイクルの確立を図ってください。最初はTo do からいろいろ試すことをお勧めしますが、慣れてきたらサイクルの順番を守って効率的に学習を進めていってください。
2次試験本番まで2か月以上と時間はたっぷり残されています。まだまだこれからです。迷ったときはいつでも道場の入り口の扉を開いて、記事検索してもいいですが、ぜひコメントをください。
以上さいちゃんでした。最後まで読んでいただきありがとうございました。
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