胸を突かれ、震えた・・・・・・!
たしかにこれは中国版「ぐるりのこと。」だ。
「在りし日の歌」80点★★★★
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1994年。中国の地方都市。
川で遊ぶ少年たちを、見つめている少年がいる。
幼なじみの少年が、じれったそうに彼を誘うが
少年は「泳げないから」と動かない。
そして、日が沈みかけたころ
大人たちが必死の形相で、川へと走ってきた――。
数年後。
川での事故で、たった一人の息子シンシンを失った
リウ・ヤオジュン(ワン・ジンチェン)と
妻(ヨン・メイ)は
ある港町で暮らしていた。
だが、彼らには「シンシン」と呼ぶ息子がいる。
いったい、どういうことなのか――?
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185分。最初は正直「長いな…」と思ったす。
しかし観てたら
「いや、人の人生、3時間じゃ足りないくらいだよ」と思えた。
それほど、すごい作品でした。
1980年代、まさにワシも生きてた時代から始まった
中国の「一人っ子政策」。
まず
一人っ子政策を、こう捉え、描くとはなあ!と、驚いた。
そのなかで悲劇に逢い
翻弄される夫婦の30年を描くドラマなんですが
繊細にしてやさしく、
それでいてダイナミズムに満ちていて
人生の綾に泣けるんですわ。
はじまりは1990年代の中国の地方都市。
同じ工場に暮らし、ともにひとり息子を持つ同士として
仲良しだった2組の夫婦。
しかしある事故で、片方の息子が亡くなり、状況は一変してしまう。
そして映画は、事故の前、若夫婦が出会ったころの1980年代や
事故のあとの2000年代、さらにその先の2010年代と
時間軸を自在に行き来しながら
中国という国と、その夫婦を追いかけていくんです。
○○年、とかもちろんテロップもなく
説明もなく
マジで自在に過去といまが行き来する構成に、
最初は話が見えにくく、戸惑うんですが、
次第に流れにのせられていくので
しばし、辛抱して、身を任せるとよいと思う。
それに
不適切かもしれないけど、
中国はネタの宝庫だ、とつくづく思ってしまった。
人権無視の国家政策、近代化で激変する街と人々の感覚・・・・・・
彼らにしか描けないものが、ありすぎる。
そして、人生において
子(子に限らず、動物を含めて、若くして亡くなってしまった存在、まだ逝くべきではなかった存在)
に先立たれるほど悲しく、辛いことはないんだと体感させられました。
そのことを思うとき、いつも頭に浮かぶのは
「ぐるりのこと。」(2008年、樋口亮輔監督)と
特に「ラビット・ホール」にある
その悲しみをどう超えていくか、の言葉は
個人的にも、いろんな方に伝えています。
★4/3(金)から角川シネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマほか全国順次公開。
※公開状況などは、サイトでご確認いただけますと幸いです。