ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

追想

2018-08-10 23:41:32 | た行

 ああ、もう、じれったい!(笑)

 

「追想」70点★★★★

 

***********************************

 

1962年のロンドン。

結婚式を終え、美しい海辺のホテルにやってきた

妻フローレンス(シアーシャ・ローナン)と夫エドワード(ビリー・ハウル)。

 

若いカップルはどこかギクシャクしつつも

新婚初夜を迎えることになる。

 

だが、初々しい二人はなかなかその先に進めない。

そして、ある出来事が――。

 

***********************************

 

「つぐない」(07年)の原作者イアン・マーキュアンと

シアーシャ・ローナンが11年ぶりにタッグ。

 

「つぐない」のときには13歳だったシアーシャが

結婚初夜を迎える新妻に扮する――というのも

その成長に込み上げるものあり!な感じですねえ。

 

まず、映像の美しさと品格は保障付き。

そのなかで観客は

新婚夫婦のあまりにもどかしい初夜にイラっとしつつ(笑)、

二人の出会いから、いまに至る道のりを

回想シーンで振り返ることになるんです。

 

バイオリニストの卵である妻フローレンス(シアーシャ・ローナン)が

歴史学者を目指す青年エドワード(ビリー・ハウル)と出会い、

一目で恋に落ちたときのこと。

 

お互いの両親に初めて紹介したときのこと――。

 

若い世代にはリアルドキドキなのかもしれませんが、

この映画、トウの立った世代には、またひと味違う、うがった視線ももたらすというか。

 

結局、なかなかうまくいかないセックスは、

二人に待ち受けるであろう困難の象徴なんですよね。

 

それは

階級の違いだったり、身内が抱える問題だったり、

生きてきた世界の違いだったりするわけで。

 

それにエドワード青年、

かわいくて魅力的なんだけど、

若干キレやすいし、流されやすいし。

賢明なフローレンス壌は、実はそこに気づいているんだと思う。

 

そんな相手に感じた「違和感」に、どう対処するのか。

 

その「違和感」は何十年連れ添っても、のどに刺さった小骨のように、ずっとあったりするわけで。

この感覚が、あらゆるカップルをドキっとさせるものなんじゃないかなあと思うわけです。

 

 

シアーシャたちカップルが、どういう結論を出すのか? 

それは観てのお楽しみですが、

 

ただ、ワシ的には、この二人のさらにその後、の描写は必要なかった気がする。

そこは大人の想像に任せてもよかったかな~と思いました。

 

映画com.さんのサイトにもレビューがアップされてます。併せてどうぞ!

 

★8/10(金)からTOHOシネマズ シャンテほか全国で公開。

「追想」公式サイト


コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« オーシャンズ8 | トップ | タリーと私の秘密の時間 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

た行」カテゴリの最新記事