《マルクス主義は,伝統的に,女性に対する抑圧の問題を階級分割の問題の下に包摂しようとしてきた。そして,「独立した」構造としての「家父長制」というフェミニストの概念について懐疑的であり続けている。この概念が,少なからず,階級的基礎の上にではなく,(階級の如何を問わず)「女性を組織化する」ことを女性に対して奨励するものだからである。マルクス主義は,女性の解放の条件として,資本主義の解体は必要であるが十分ではないし,真の社会主義の実現にとって女性の解放は前提であると主張している》(“The Woman Question in Classical Social Theory.”From Professor Smith’s lecture
note 2012.)
以上のスミスの見解を図式化してみよう。
*ただし、γの部分は、阿蘇地による付け加えである。
「真の社会主義」
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┌―――――――――┐
┌ ・・・・・・・ 女性の解放 + β
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(γ) ||
: ┌――――――――┐
└ ・・資本主義の解体+α
☆ 女性解放のためには、資本主義の解体に加えて何が必要か(α)
☆ 「真の社会主義」実現のためには、女性解放に加えて何が必要か(β)
βに関しては、一般的に一定の検討がなされてきたと考える。
αについては、まだ不十分だろう。
また、資本主義解体が、女性解放の前提であるということは、資本主義が性差別を本質的に内在させているということであり、それは正しいと考える。しかし、いかなる意味でそうなのかの究明(γ)も十分でない。そのために資本主義が性差別に対してニュートラルだとする見解も依然として根強い。
この二つの課題、αとγは、内容的にも関連が深い。
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