財部剣人の館『マーメイド クロニクルズ』「第一部」幻冬舎より出版中!「第二部」朝日出版社より刊行!

(旧:アヴァンの物語の館)ギリシア神話的世界観で人魚ナオミとヴァンパイアのマクミラが魔性たちと戦うファンタジー的SF小説

マーメイド クロニクルズ 第二部 第3章−8 魔神スネール(再編集版)

2020-07-10 00:00:00 | 私が作家・芸術家・芸人

(たとえ堕ちたといえども四人は、まだ冥界の一員。神の存在のまま人間界に仮の肉体を持ってとどまれば、1~2年の命。ですが、人間界に長くとどまる別の手だてがございます)
(それは、いったい・・・・・・)
(魔界に伝わる秘技を使えば、次々と人間に乗り移り続けることで長い年月、人間界にとどまることができます)
(その業を、四人の内に知っているものがいると申すのか?)
(かつての大天使ルシファー、今や大魔王サタンの遠縁メギリヌならば・・・・・・人間界に行くたびにあの四人が魔界と接触していたのは周知のこと。それに、四人がマクミラを恨みに思う理由は、捕まえられたせいだけではありませぬ。最大の理由は、四人の愛しい相手、魔神スネールがマクミラを愛してしまったため。スネールは、マクミラが四人を捕らえている間に人間界に堕ちて、今では「太古の蛇」と呼ばれるようになっております。四人は、マクミラを滅ぼしてしまえば、スネールの愛を再び得られると考えているのです)
(なんということじゃ。四人を始末できなければ、人間界に魔女どもが放たれたままになるだけではなく、スネールと結託する危険まであるというのか! だが、プルートゥは天界と海神界からの助太刀を拒みおった。何もわしにできることは、何もないのか!?)
(おそれながら、今回、マクミラ様を助けるのは冥界からの助太刀だけではないと思われます)
(ナオミのことを指しておるのか? しかし、あの四人の力に対抗するだけの力は、まだないのではないか?)
(いいえ、我が息子ペルセリアスです)
(金色の鷲が本来の力を出せれば大きな戦力となろうが、ペルセリアスは前回の闘いの後、行方知れずになっているのではないか?)
(仰せの通りでございます。しかし、息子が亡くなれば必ず母には分かるはず。わたくしには、まだペルセリアスがまだ生きているような気がしてなりませぬ)
 そのとき、ずっと沈黙を守っていたアポロニアの母ケイトが思念を伝えた。
(ユピテル様、ペルセリアスは死んでいないが、もう生きてもいないかも知れませぬ。「森にすむもの」のわしじゃからこそ、わかる。ペルセリアスは、ミシガン州の森の中で今でも変態を続けて生きております)
 アポロニアが、はっとして思念を返す。
(それはいったい?)


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