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不妊の原因は甲状腺機能低下症?
公開. 投稿者:甲状腺機能亢進症/甲状腺機能低下症.この記事は約2分57秒で読めます.
1,887 ビュー. カテゴリ:甲状腺機能低下症が不妊症の原因になるの?
不妊の原因としての甲状腺機能低下症
甲状腺機能低下症は、高プロラクチン血症や排卵障害を引き起こすため、不妊症の原因になりやすい。
脳下垂体ホルモンの一つであるプロラクチンは、脳内でTSH(甲状腺刺激ホルモン)と調節機構が同じです。
甲状腺機能低下症では、下垂体-甲状腺フィードバック機構により、TRH(TSH放出ホルモン)上昇→TSHとプロラクチン上昇(高プロラクチン血症)がおこります。
そのため、血中プロラクチンが高く不妊・不育症・生理不順・無月経で悩む女性の原因として、甲状腺機能低下症があり、甲状腺を治療すれば、血中プロラクチンが低下し、それらが改善・治癒する可能性があります。
甲状腺疾患は男性より女性に多く、妊娠可能な年齢の女性にも認められる。
甲状腺機能の異常は、不妊症や早産・流産だけでなく、出生児にも影響を及ぼします。
また、妊娠が成立しても、甲状腺機能低下症の女性は健常の女性よりも流産する確率が高く、妊娠中は早産や妊娠高血圧症候群、常位胎盤剥離、貧血などのリスクが高まるといわれている。
月経不順と甲状腺
甲状腺機能は卵巣機能や女性ホルモンに影響を与えます。
そのため、甲状腺の機能に異常を起こすと月経に不順を生じます。
甲状腺機能が低下している場合は、月経の間隔が長くなり量が多くなります。
甲状腺機能が亢進している場合にはその逆で、無月経になることもあります。
特にひどい甲状腺機能異常の場合には、不妊の原因となることもあります。
妊娠中の甲状腺機能障害の治療
甲状腺機能異常症には、機能亢進症と低下症があります。
甲状腺機能亢進症であるバセドウ病のコントロールが不良な状態の妊娠では、流早産や子宮内胎児発育遅延、妊娠高血圧症候群などの頻度が高くなるとともに、新生児バセドウ病の発症にも関連するといわれています。
また妊娠初期の甲状腺機能低下は、胎児の神経学的発達に影響する可能性が報告されています1)。
疾患の治療を優先させることが、妊娠前・妊娠中の母児の予後に最も効果的です。
参考文献
1)Haddow, J E et al. “Maternal thyroid deficiency during pregnancy and subsequent neuropsychological development of the child.” The New England journal of medicine vol. 341,8 (1999): 549-55. doi:10.1056/NEJM199908193410801
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