イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

雪山を登れば下方にカステッルッチョと高原 一面の銀世界、シビッリーニ山脈

 今日は一面の雪に覆われたシビッリーニ山脈(Monti Sibillini)を、山小屋 Rifugio La Baita(標高1650m)から、ゆるやかな山道を登って、給水場 Fonte della Iumenta(1799m)まで歩き、

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Monti Sibillini 3/2/2023

さらに急な斜面をしばらく登ってから、来た道を引き返しました。

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 山登りの出発地点となった山小屋までは除雪がきちんと行われていて、その広い駐車場に駐車することができました。

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 歩き始めてしばらくすると、左手にシビッリーニ山脈の最高峰、ヴェットーレ山脈(Monte Vettore、2467m)や高原の丘に建つカステッルッチョ・ディ・ノルチャ(Castelluccio di Norcia)の町並みも見え始め、歩いている間じゅう、眺めがすばらしかったです。

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 前方右端に見える山はパラッツォ・ボルゲーゼ山(Palazzo Borghese、2145m)、その左に見える山がポルケ山(Monte Porche、2233m)です。わたしたちは今日、ポルケ山の左手にある小さな頂のふもとまで歩き、夫はそのてっぺんまで登ったのですが、わたしはしばらく登ってから引き返しました。

 金曜で登山者が少ないものの、わたしたちの少し前に、スノーシューやスキー、登山靴で同じ道を進んだ人がいたおかげで雪道が踏み固められ、歩きやすい場所が多かったです。

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 けれども時には、足がすっぽりと雪の中に埋まってしまい、苦労しながら歩かなければいけないところもありました。

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http://www.sibillini.net/il_parco/gps/mappaSismaにわたしが書き込んでいます。

 歩き始めてしばらくするとポルケ山が前方に見えたものの、登山道は山の斜面を通っていくため、道は右へ左へと折れて、大きなカーブを描きながら進んでいきます。

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 そのため、夫が登った小さな頂に近づいたときには、2km余りの道を1時間以上歩いていました。

 上の写真でその頂の斜面に立つ夫の前にある給水場が、

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Fonte della Iumenta(1799m)です。


 おととし8月に、今日と同じ道を炎天下、緑の風景を楽しみながら歩いたときは、

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13/8/2023

帰り道に雨に降られ、この給水場で並んで水を飲むかわいらしい羊たちを見かけました。

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3/2/2023

 「せっかくだから1900mの高み、給水場のすぐ傍らにそびえる小さなてっぺんまで登ろうよ」と夫は言い、頂上まで登っていったのですが、登っていくと雪が凍って滑るところがあったからと、途中で「君は登らない方がいいよ」と、下方にいるわたしにそう言いました。

 そう言われても、苦労しながら急な斜面をかなり登ってしまっていて、今度は下るのに苦労したのですが、

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そうやってさらに登ったおかげで、一面が雪に覆われたシビッリーニ山脈とカステッルッチョの高原の眺望を楽しむことができました。

 カステッルッチョの周囲を拡大してみましょう。

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 広大な高原の中央に盛り上がる丘の上に建つ村が、カステッルッチョ・ディ・ノルチャです。

 天気がいいので、山を登っている間は暑いほどに感じたのですが、急な斜面を下り始めた頃から、激しく冷たい風が吹き始めたので、それまでは腰に巻いていたウインドブレーカーやウルトラライトダウンジャケットを再び着ることになりました。

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 そうやって歩くうちに、小さな頂から下ってきた夫がわたしに追いついて、追い越していきました。

 先の急な斜面を登るのと下るのに時間がかかったため、今日は約5.50kmの雪の道を3時間2分ほどかけて歩きました。こんなことは初めてなのですが、登山を始めるときにスマートウォッチに屋外ウォーキングの開始を指示しようと思ったら、画面が暗いままです。歩き始めてから何度見やっても、画面が暗いままで機能していないようだったので、しばらくしてからスマートフォンの健康アプリの方で、屋外ウォーキング開始のアイコンを押しました。

 そういう事情で、今日の屋外ウォーキングは、距離や歩数、歩く時速は分かっても、心拍数が分からないままとなり、残念です。幸い、山歩きを終えて車に乗ってしばらくしたら、再びスマートウォッチの画面が明るくなって、ふつうに機能するようになりました。帰宅してから取扱説明書を読むと、−10度までは問題なく使えるはずで、今日は登山開始時には気温が7度、終わったときには3度でした。しかも画面が暗かった間も、心拍数や歩数はちゃんと計測して、記録がスマートウォッチには残っているので、とても不思議です。こういうことが2度と起こらず、次回は画面が暗くなって使えないなどということがありませんように。

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 途中で後ろをふり返って、ポルケ山とパラッツォ・ボルゲーゼ山が見えたときは、うれしかったです。

 このあと午後5時半にペルージャの家に戻り、午後6時からは日本語のオンライン授業があったために、記事の投稿が遅くなってしまいました。

 青空の下、美しい雪山を、風景を愛でながら歩くことができて、うれしかったです。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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ブログテーマ:雪景色の1枚
Commented by minoru2703 at 2023-02-04 11:26
一面の銀世界が絶景ですねえ
なおこさん冬山の魔力に取り憑かれますよ(笑)

見たところ急な斜面はなさそうだしアイゼンやピッケルは不要なようですね
Commented by 結う at 2023-02-04 11:46 x
こんにちは

コメントの形式が変わったのでしょうか?

白い雪山が目に良いですね~♪
Commented by cut-grass93 at 2023-02-04 12:38
ノルチャという村は写真を拡大すると10~20軒程度の小さな村ですね。
こんな所に今も住むって、驚きました。

いいお天気で素晴らしいトレッキングだったのでしょう。
こういう場所では簡単なようですがよく注意しないと
滑ってしまうとトコトン下まで行ってしまいます。

給水場ってヒツジさんのためだったのですね。
こんなところで 放牧なんですか。
Commented by ririrouzu at 2023-02-04 20:59
とても素敵な時間を過ごされましたね
こちらも冬山を満喫できました
分かったことが日本の山は、気が生い茂っているが、あたり一面が見渡せるような景色なんですね!
Commented by harupita at 2023-02-04 21:33
なお子さん(*'▽')
 
こんばんは。

一面の雪に覆われたシビッリーニ山脈・・・見事な銀世界ですね。
お二人で歩かれたのですね。

山小屋までは除雪がきちんと行われているので、駐車も可能なのですね。

この写真を見てずっと歩いて登られたのかと思い驚きましたがそうだったのですね。

なお子さん達以前に歩かれた方もいて、少し歩きやすくて良かったですね。
一面が雪に覆われたシビッリーニ山脈とカステッルッチョの高原の眺望・・美しくて見惚れてしまいますね。

スマートウォッチの画面・・使えないのは困りますね。不具合起こりませんように

素敵な一日でしたね。美しいフォトありがとうございます。葉流
Commented by milletti_naoko at 2023-02-04 23:38
みのるさん、脇道を登ったところにある登山道で、かつ平日だったので、歩いていて他の人に出会うこともなく、雪山を満喫することができました。夏だと羊の群れや羊飼い、牧羊犬に出会う可能性の高い道です。

そうなんです。そういうものが必要ないコースを選んで歩きました。
Commented by milletti_naoko at 2023-02-04 23:43
結うさん、こんにちは。
以前ならブログ記事のページからでも直接認証できたのに、いちいちコメント一覧ページまでいかないと認証できなくなったのは不便ですね。
ひょっとしたら、いちいちニックネームを記載しなければいけなかったということでしょうか。それはきっと、ログアウトした状態からコメントを書かれたからではないかと思います。最近時々、ログアウトなどしていないのに、いつの間にかログインしなければいけないことが、わたしもあります。

一面の白い雪山、眺めがすばらしかったです♪
Commented by milletti_naoko at 2023-02-04 23:47
草刈真っ青さん、ノルチャは山のふもとにあるもっと人口も多い町なのですが、カステッルッチョは山の高原の丘の上にある小さな村です。住宅は本来はもっとたくさんあるのですが、2016年のイタリア中部地震で倒壊してしまい、去年になってからか、ようやく再建作業がぼつぼつ始まっているところなのです。

そうなんです。ずるずる下まで滑りそうで、ひやひやしなあら歩きました。

春から秋にかけては一面の草原で、牛や羊があちこちで放牧されています。放牧といっても、羊の群れの場合は羊飼いの人はいなくとも牧羊犬に守られていることが多いですのですけれども。雪が積もるほど寒いのに、まだ放牧されている馬たちがいたので驚きました。
Commented by milletti_naoko at 2023-02-04 23:50
ririrouzuさん、イタリアでも国立自然公園などで森の木々が生えている山もあるのですが、このあたりは伝統的に放牧が盛んな地域であるために、国立自然公園であっても放牧が行われ、木の芽が若いうちに動物たちが食べてしまうために、草原が広がっているんです。

美しい雪の山を歩くことができて、本当によかったです♪
Commented by milletti_naoko at 2023-02-04 23:56
葉流さん、どこまでも白い雪の山を歩き、一面の銀世界を眺めながら運動ができて、とてもよかったです♪

雪が降り続けている最中や降ったばかりであるときは、さすがに除雪がされていないので、途中で引き返したことも過去にあります。幸い今週はほとんど降雨や降雪がなく、けれども気温が低いために、以前に降り積もった雪は残っているけれども道路は除雪がされている状態だったので助かりました。

緑や花の美しい夏の山もいいけれど、冬の雪の山も美しいなあと感嘆しました♪

スマートウォッチの画面はどうも気温が低いと機能しなくなる場合があるのだそうです。それでも心拍数自体はずっと計測が普段どおり行われていたようで、機能していたことが分かってほっとしました。

こちらこそ、温かいお言葉、うれしいコメントをありがとうございます♪
Commented by katananke05 at 2023-02-05 13:38 x
こんなに美しい雪山が 近くまでは
車で行けて堪能できるとはおどろきです〜
雪山ではいつ何時天候が激変するやもしれず
今年も日本では 遭難事故がほぼ毎日のように入ってますが
登山靴くらいでいけるところなのですか?
ほぼ そう急斜面でないところの
トレッキングでしょうか、、
滑落が一番怖いですね〜あとこれからは雪崩でしょうね〜
すばらしい 環境がちかくにあり
うらやましいです〜
Commented by milletti_naoko at 2023-02-05 17:57
katananke05さん、カステッルッチョまでは直線距離は80kmほどなのですが、途中から山あいののぼり下りのある道や渓谷のくねくね道を通っていくため、車で行くと120kmあります。それでも、以前は3時間近くかかっていたのが、数年前にフォリンニョ付近に無料高速道路が貫通して、今では渋滞がなければ2時間弱で行けるようになり、本当に便利になりました。

そうなんです。山は朝、そして予報では晴れと出ていても天気が急に変わりやすく、それで夏には途中で引き返したこともあるのですが、最近はずっと晴天が続いているおかげで、安心して歩くことができました。このあたりは先に進んで道を固めてくれた人がいたので、登山靴でも楽に歩けるところが多くて助かりました。

すばらしい眺めを楽しみながら散歩ができて、本当によかったです♪
Commented by ciao66 at 2023-02-05 19:57
あの木覚えのある羊の給水場が!こんなに雪だらけになっているのはびっくりです。
それにしても雄大な光景ですが、歩くのはさぞかし大変だったのではないかと推察しました。
歩いた甲斐が有りましたね!
Commented by milletti_naoko at 2023-02-06 02:06
ciao66さん、この給水場、覚えていてくださったんですね! なんと半分以上が雪に埋まってしまっていました。

滑り落ちたらどうしようとひやひやしたり、足が雪に埋まって歩きにくいところがあったりもしましたが、雪の山道としては、先を行ってくれた人のおかげで、いつになく歩きやすかったです。

眺めがすばらしくて、本当に行ってみてよかったです。ありがとうございます。
Commented by meife-no-shiawase at 2023-02-07 23:30
すごい銀世界。
なんて美しいんでしょう~。
スキーなどをする場所ではないんですね。
あまり人もいなくてご主人さまとなおこさんが独占されているようです。
こういう時は雪でも大丈夫な靴を履かれているんでしょうか。
前に直されていた靴とか?

スマートウォッチ・・・なんでしょうね。
気温が急に下がるとそういうことがあったりするのかな?
でも元に戻ったなら良かったです。
Commented by milletti_naoko at 2023-02-09 04:40
メイフェさん、ありがとうございます♪
一面の雪に覆われた山と高原がとてもきれいでした。
そうなんです。平日でもあり、大勢が訪れるのは高原やヴェットーレ山の方なので、景色と散歩を二人占めできた気分です。
視力のいい夫の目には、向こうの山や別の斜面で歩いている人やスキーをしている人が見えたようなのですけれども。

本来は、スノーシューで歩くのがよいのでしょうが、雪が踏み固められているところが多かったので、幸い普通の登山靴で歩くことができました。

Twitterの方で教えていただいたのですが、液晶ディスプレイは低温では正常に動かないのだそうで、画面の液晶の問題だったのではないかと思います。画面が暗いので何も見えず何もできませんでしたが、その間も心拍数などはきちんと計測して記録されていましたので。
https://wired.jp/2019/02/09/phone-fail-when-its-cold/

ペルージャで予想気温が1度から2度のときにウォーキングしたことがあって、そのときは使えたように思うのですが、そう言えば、液晶の画面が見づらいので困ったときが何度かあって、それも寒いのが原因だったのかもしれません。
by milletti_naoko | 2023-02-04 08:04 | Umbria | Comments(16)