HEATHENを観てきました!!

THRASH DOMINATION 09以来の来日になるので13年振り!!
というか海外からスラッシュメタルバンドが来日するのが久々ですからね。
しかも単独公演。
遂に海外のバンドが単独公演がやれるようになったんすねぇ。感慨深いねぇ。

スラドミで初来日した時は僕も観に行っていて、その時は3rdがまだリリースされる前で初期2枚からの曲が中心のセットリストだったんですけど、あの時のライヴもメチャクチャ良かったんですよね。ライヴ終了後にはDavid White(Vo)がフロアに降りてきてみんなで胴上げしたり、終演後はDavidが会場の出口に立ってて握手して帰ったりとかDavidが一人でひたすら楽しんで記憶がありますw

さて、僕が会場に御降臨されたのが19:40頃。
開演時間が20時というのは社会人にはありがたい。もっと20時開演がスタンダードになって欲しい。
SPACE ODDのようなどの駅からも遠い会場の場合はなおさら。久々に行ったけどやっぱり遠いわ。

客入りは正直微妙なところ。
緩い埋まり方で100~150人の間で収まるくらい。
まぁ東京は2日間あったのでバラけた感じですね。
会場をちょろっと見渡すと、話したことはないけど顔は知ってる人がちらほら。
3年前は毎月毎週のように会っていた人たち。生きとったんかワレ…。
まぁ別に感動とかは全くなかったけど、少しだけ懐かしい気分にはなりました。

物販ではTシャツが3種類、3500円と最近の円安事情を考慮するとだいぶお手頃な価格で売られていたので1枚購入。3種類あったんだけど、どれも似たり寄ったりなデザインだったのでどれを買うのか物販の前で悩むことに。「ぶっちゃけどれでもいいんだよな。誰か代わりに選んでくれねぇかな」って悩んだのは初めてでした。

開演時間の5分前ぐらいになると突然ABBAの「Gimme! Gimme! Gimme! (A Man After Midnight)」が大音量で流れ始め会場が暗転。ABBAをちゃんと1曲丸々流した後に新譜である4thから「This Rotting Sphere」へと繋がり、ライヴは「The Blight」でスタート!!

セットリスト

1. The Blight
2. Empire Of The Blind
3. Control By Chaos
4. Opiate Of The Masses
5. Arrows Of Agony
6. Goblin's Blade
7. Sun In My Hand
8. Death By Hanging
-Encore-
9. Dying Season
10. Set Me Free
11. Hypnotized

約70分ほどのライヴでした。

単独公演としては少し短めではありましたが、人気曲だらけでダレることがほぼなく駆け抜けていくライヴでした。
新譜のオープニングナンバーである「The Blight」はまるでEXODUSのような図太いノコギリリフを刻んで疾走を開始する豪快なスラッシュチューンなためライヴの掴みとしてはバッチリ。会場のヴォルテージは一気に上昇し大歓声とヘッドバンギング、フィストバンギングの嵐。モッシュまでは起こりませんでしたが、もうすでにモッシュが始まりそうな雰囲気はプンプン。
背は低めでずんぐりした体形のスキンヘッド白人というマイク・ベルナルド似のDavid Whiteは13年前と見た目がほぼ変わってない。そんでもって歌声もあの頃のまま。元々声域が広いほうでも声量があるほうでもない印象だけど、ライヴにおいてもその印象は変わらなくて常に絶妙なヘタウマ感がありました。それでも高音を張り上げる際はコメカミに青筋を立てながら歌いきるなど、ごまかすことなくしっかり原曲通りの歌メロをなぞっていてパフォーマンス自体は上々。丁寧に歌いつつも時に感情的に荒っぽい歌唱を交えて熱を帯びる場面もあったりと、上手いわけではないけどバンドに合った良いVoなんですよね。MCは「ドモアリガトー!!」や「コンバンワー!!」なんて明るくコミカルな雰囲気で日本語を交えながら簡潔に済ませてくれるのでスベることなく熱気を保ったまま次の曲へと繋いでいてそのあたりも巧みでした。
で、演奏陣。
Jason Mirza(Ba)とJim DeMaria(Ds)のリズム隊は前回の来日時にはいなかった2人だけども、小気味良い疾走感と重厚なグルーヴ感を巧みに共存させたフレッシュなエネルギーがありました。新譜ではガチガチにシャープなメタルらしい音作りのリズム隊だったのですが、ライヴではどこか風通しの良い丸みのある音作りで、疾走時はその風通しの良さがドラミングに活きてスロー/ミドルの時は太いベースラインで締める柔軟性のある変化が楽しめました。個人的にはJasonのベースが要所要所で確実にサウンドのアタック感を強めてダイナミズムをもたらしているところにグッときて、ドラム以上にアンサンブルを支えていた印象がありました。勿論それは言い過ぎですが、とにかく素晴らしかったですね。
そしてギターなんですけど、なんと今回はLee Altus(Gt)が不在。その代役としてKyle Edissi(Gt,Vo)が参加してKragen Lum(Gt,Vo)とのツインギターとなっていました。LOUD PARKでEXODUSが来日した時はGary Holt(Gt)が不在でLee AltusとKragen LumのHEATHENギターチームだったのに、HEATHENとして来日したらLeeが不在とはね…。で、その代役のKyle君なんですけど、どうやらまだ20代中盤らしいんですがヒゲモジャな見た目のおかげか、他のメンバーとの年齢的なギャップをあまり感じさせずにすんなりバンドに溶け込んでおりました。代役に選ばれるだけあってギタープレイも申し分なし。Kragenと共に分厚い刻みを繰り出して、ソロを2人で分け合ったりツインギターハーモニーを原曲通りに決めたりと駄目なところは一つもなし。Kyleは自身のバンドでフロントマンを務めていることからバッキングVoでの貢献も著しく、Davidとの掛け合いやコーラスを分厚くするなどプラスアルファの活躍っぷりでした。
セトリは全アルバムから満遍なく選曲。
一応新譜のツアーだからそこから多く演奏するのかと思いきや全然そんなことはなかったという。ただ今回のライヴで唯一勢いが削がれる場面となっていたのが新譜のスローナンバー「Sun In My Hand」だったので、仮に新譜からもっと演奏していたらそういう場面が増えていたような気がするので結果的にはこれで良かったと思います。
ライヴのハイライト的な熱狂的盛り上がりになったのはやはり1stの「Goblin's Blade」と「Death By Hanging」。フロア中央でモッシュが発生してコロナ前とそれほど変わらない光景になっていました。「Death By Hanging」でのDavidと観客によるコーラスの掛け合いもバッチリ。
ただ僕が一番テンション上がったのはアンコール1曲目に演奏された「Dying Season」なわけですよ。13年前のスラドミではリリース前の3rdから1日目にこの「Dying Season」を演奏して、2日目に「Arrows Of Agony」を演奏したんですが、僕は2日目のみ参加していたので「Dying Season」をライヴで聴くのは初。ARTILLERYのような中東リフから爆走するイントロの展開だけでブチ上がっちゃいましてね。ヴァースの怒号パートで叫び倒しちゃいましてね。Davidが苦しそうな高音でリズミックに叫ぶコーラスで頭を振りまくっちゃいましてね。本当に最高過ぎる名曲でした。
今回のセトリでサプライズ的な選曲となったのがTHE SWEETのカバーで1stにも収録されていた「Set Me Free」。今までのライヴでもこの曲は演奏していなかったっぽいです。HEATHENの古くからのファンにはかなりウケていましたが、僕としては「Pray For Death」とか「Breaking The Silence」とか「Mercy Is No Virtue」とかのオリジナルのほうが聴きたかったし、カバーをやるならRAINBOWの「Kill The King」のほうが良かったなぁなんてことを思ったり。そんなこと思いながらもコーラスは「セッミッフルィー!!」って一緒に歌ってたんですけどね。
アンコールラストの「Hypnotized」。ミドルと疾走を執拗に繰り返しながらテクニカルに展開していく中にキャッチーな歌メロを織り込む名曲にテンションが上がらないわけがない。ヒップノターイ!!


まさかコロナ後の海外スラッシュ一発目がHEATHENになるとは思っていませんでしたが、非常に素晴らしいライヴでした。
バンドは4thに続くニューアルバムを制作中とのことなので、また何かしらの機会で来日してくれたら嬉しいです。