赤ちゃんや子供は腸内でたくさんの水素を作っています。

腸内細菌の中にバクテロイデスとフェルミクテスの2種類がヒドロゲナーゼを有する水素酸性菌として知られている。成長とともに、腸内細菌叢が酸化や老化により水素酸性菌が減ると難治性下痢、クローン病、潰瘍性大腸炎、SIRS,炎症、パーキンソン病、リウマチ、癌、動脈疾患、認知症、早産、うつ病などが知られている。これらの患者さんの腸内の水素産生菌の数が少ないことが知られていますし、呼気中の水素濃度が低いことも、腸内水素量と呼気中の水素濃度が相関していることもわかっています。水素は血液脳関門を容易に透過しますので、脳内で発生するヒドロキシルラジカルを除去できます。それによりうつ病や認知症を改善することができます。腸内の水素は血液を介して全身に行くだけでなく,脳腸相関と呼ばれる別の伝達方法もあるのではないかと言われています。精神疾患は1)腸内細菌、2)酸化ストレス、3)炎症、4)ミトコンドリア機能障害と密接なつながりがあると言われていますが、当然、水素が、関係していることはいうまでもありません。ですから、腸内で産生する水素が少ない人には水素の吸入や、水素水、腸内で水素を発生する水素サプリが腸内水素発生をよみがえらすことも可能です。

日本の100歳以上の長寿者の呼気中水素濃度は、通常の高齢者の水素濃度より明らかに高いことがわかっています。

呼気中の水素濃度を測定することにより、腸内の水素産生量がわかるとともに、水素の吸入などによる効果も判定できると思います。今後はOCTアンギオを用いた眼血流と、呼気中水素濃度との関係も調べるつもりです。

 

1980年卒ですので、大学卒業して44年、前回の小さな同窓会は2019年12月ですから、コロナで延期になっていましたが、4年と3か月ぶりの再開です。

後輩の教授の退官記念に大阪からくるので、みんなに会いたいということでの企画で、夜の食事、2次会、3次会、私は2次会で失礼しましたが、昔の仲間に会うと若い気分になります。今日は、ジブリパークに10名皆で行きました。

ジブリは私は初めて、私だけでなくほとんどが初見参、ジブリパ―クは半官半民のような組織ですので、DLやUSJのようなゲストを楽しませるという雰囲気はなく、駄目、禁止の羅列です。4000円の大さんぽ券を仲間の子供が必死にネットでとってくれたのですが、団体で入るときは要注意です。全員一緒に入らないといけません。代表者が必ずそこにいて、身分証明書を見せないといけません。代表者は5回目のため、入場せず、モリコロパークで遊んでいたので、その人を呼んでください。早めに来た人が再入場していたら、その人を呼び戻してもう一度、人数と、入場券をチエックするために、20分も30分も待たされます。個人でチケットを買わないといけませんね。また、プラスアルファの費用がとても高いので、家族連れは、予定の金額ではおさまりません。もう少し値段をあげてもオールインクルーシブにしないと、満足度が低下します。もう少し、DLやUSJのゲストを楽しませんという手法を用いないと、楽しかったね、また行こうという気になりません。お土産も一人1点だけとか、会計をするのに長時間並んだりと大変です。ちなみに、本日はもののけの里、魔女の谷、大倉庫を回りました。

 

4月から健康診断で高血圧で病院にかかりなさいと言う勧奨の定義がこれまでの収縮期圧(SP)140mmHg、拡張期圧(DP)90mmHgが、SP160mmHg,DP100mmHgに変更になります。これはとても大事なことで、これまで、コマーシャルで130mmHg超えたら高血圧と言うような風潮があり、年齢を加味せずに、一律にやられてきました。年齢が上がれば、多少の血管抵抗がでますので、血圧が上がるのは当然ですし、血圧はちょっとしたことで上がります。例えば、白衣高血圧のように、自宅では低くても、病院に来ると血圧が上がる場合があります。これらも含めてあまりにも安易に高血圧の病名をつけ、降圧剤をだしていましたので、薬による副作用、眼科においては、低血圧により、末梢へ十分血流が流れないために、視神経周辺の網膜血管密度が下がり、正常眼圧緑内障になっている場合が多いのです。

これまでも、警鐘を鳴らしていたように、低血圧の人に正常眼圧緑内障が多く、高血圧の人に高眼圧の開放隅角緑内障が多いのです。ところが、正常眼圧緑内障の人の18%が降圧剤を飲み、70歳~80歳の高齢者で内服前にSP血圧が130~140mmHgで内服後、SP110~120mmHg, DP60~70mmHgの人がいかに多いことか、私は医原性の低血圧であり、医原性の正常眼圧緑内障(NTG)だと思っています。これらが、4月以降の改正でどの程度補正されるか楽しみです。これまでも高齢者のNTGの人には降圧剤を減らしてもらうように、紹介状を書いてきましたが、眼科医が何を言っていると、返事のない先生もいらっしぃました。

日本の血圧に対する感覚がこれまでおかしかったのです。

セントラルアイクリニックでは、これまでのOCTAによる水素吸入前後の血流動態から、緑内障、加齢性黄斑変性症、黄斑浮腫、網膜中心静脈分枝閉塞症、脳神経麻痺、硝子体混濁

などの疾患の治療に対して最も有効な治療法は1)高濃度高流量水素吸入(PF72)を自宅で毎日就寝時吸入していただくことを基本にしていますが、それが難しい場合、2)週1回30分のET100あるいはPF72によるクリニックでの吸引をしていただいています。1)の場合、30分の吸入後OCTAでかなり良くなりますが、1時間から2時間で元の血流に戻ります。しかし、夜間持続吸入をすると1か月から3か月で吸入前のOCTAがほぼ正常の血流に回復します。一方2)の週1回の吸入は血流の上昇は認めますが、3か月~6か月最低でもかかります。また、正常までの血流には戻りません。

自覚的所見が良くなる人は続けられますが、NTGやPOAG, ARMDのようにかなり網膜神経線維がやられている場合、血流が戻ってもすぐには網膜感度や視力が上昇するわけではありません。血流が良くなってから、3か月~6か月のさらなつ吸入が必要です。つまり、自覚症状が良くなるまでに、最低でも半年から1年の継続が必要です。もちろん、発症間もない動眼神経麻痺の場合PF72のリース2日で軽快した症例もあり、微小血管の梗塞などは短期間で軽快します。また、糖尿病の血糖なども1か月程度で低下しますので、主治医の先生に水素吸入で血糖値が下がることを説明しておく必要があります(低血糖の恐れ)、高血圧の人も水素吸入で血圧が下がりますので、きちんと説明しておく必要があります。

水素に関心のない先生も、水素の効果だけは最低限勉強していただきたいと思います。

ところで、今後週1回の吸入の方に大阪大学が開発した結晶ケイ素含有シリコン製剤で1日2~3錠で1日800mlの水素を腸で発生させます。酸では反応せず、アルカリで反応するため腸で産生する水素の補完として、水素吸入を毎日できない人、あるいは、旅行中などに水素の補給ができます。

今後、週1回30分の吸入+HG EVOで眼血流の回復がどうなるかを検討する予定です。

3月10日(日)東京大学伊藤謝恩ホールにて開催された第4回セミナーに参加し、講演をさせていただきました。

ホールは満席になり、WEBでの参加や質疑応答もあり、回を重ねるごとに熱気を感じます。

今回は、簡単に内容を紹介します。

講演1は理事長の赤木淳児先生の 「免疫の指標」は1)善玉キラーT細胞、2)抑制性キラーT細胞、3)悪玉キラーT細胞の3つあり、1)は癌患者では1)は予後良好、3)は予後不良に関係し、2)は手術可能で治療とともに、減少し、再発すると再増加する。

悪玉キラーT細胞をいかに減少させるかが重要で、免疫療法+αとしてオブジーボ・ヤーボイ、IL6阻害剤、アバスチン、水素ガス、タヒボなどが使用されているとのことでした。

講演2はチエンマイ大学のカニカ・ポーンプットクン先生の大気汚染の元凶であるPM2.5を水素吸入により除去するプロジェクトの話でした。水素とは何ぞやから住民に説明する息の長いプロジェクトになりそうです。

講演3はチエンマイ大学放射線腫瘍学教室教授 イムジャイ・チタパナルックスの局所進行頭頚部眼に対する水素ガス吸入の可能性と安全性を確認する、今回は頭頚部眼に対して化学療法+放射線療法(33分割)の1時間前に1時間の水素吸入を行った結果、化学療法+放射線療法の副作用が10名全員、副作用が全くなく、安全性は確認されたので、今月末より2重盲検で水素群、水素なし群でデータを取る予定とのことでした。

午後の講演4は私の講演で眼科疾患に対する高濃度、高流量水素吸入の眼血流に対する効果―正常眼圧緑内障(NTG)と開放隅角緑内障(POAG)の比較を話させていただきました。血流を直接見ることができるのは眼科だけですので、OCTAの血流が良くなる状況は非常に皆さん驚かれました。その中でNTGが低血圧、POAGが高血圧が多いにもかかわらず、降圧剤の内服がNTGで18%、POAGで21%と変わらないことは、内科の先生が年齢を考慮せずに130~140mmHgあると降圧剤を出しているという現状でした。これは、医原性の低血圧やNTGをつくっているのではないかという提言をして、内科の先生に警鐘を鳴らさせていただきました。

今回は眼科の先生の参加や視聴も多く、いろいろな質問のいただきました。眼科での水素吸入が一般化されることを望みます。

講演5は宮川 路子 先生の水素・栄養療法の健康効果のお話でした。宮川先生は「最強の水素術」を出版され以下に水素が有用であるかを多くの文献と実地体験で詳細に説明しています。当院でもこの本を外来において、皆さんに読んでいただいています。

高濃度ビタミンC点滴については全ての活性酸素を下げるために、あまりよくないというのが最近の考え方で質問をして、それは、同意を得ました。病院では高濃度、高容量の水素吸入器を使い、自宅では低用量でもよいから、毎日使用し、補助的に水素サプリメント、水素風呂などをつかうというやり方は参考になりました。

どれぐらいの量が最適化はまだ、結論が出てないので、今後、吸入量でどれぐらい血流が変化するかも調べたいと思っています。

講演6は東京大学大学院のエルドンフ先生のRNase T2欠損マウスの炎症病態に対する水素眼湧水の効果の検討で水素含有水を飲ませた場合、RT2欠損マウスは自己炎症性疾患モデルであり、肝臓と、脾臓で、水素水が炎症やサイトカインの異常を抑制させるというものでした。では人間ではどの程度水素水を飲めばいいかについては、まだわからないとのことでした。

講演7は水素医療の基礎と新しい臨床応用の可能性についての講演で、1.9気圧の高圧水素を用いることにより、パーキンソン病の人が普通に歩くことができるようになる映像、また、ふるさと納税企業版を用い、全国で、難治性疾患をいかになおしてゆくかを町おこしのようなとらえ方で実践している姿勢に感銘を受けました。

また、大阪大学との小林教授が開発したシリコン製剤により、腸内で水素を発生させる方法は、水素吸入が最も良いのですが、入院患者に水素機器を持ち込んで吸入しようとしても、病院が許可してくれないという問題がありますが、サプリメントであれば持ち込んで入院中も内服できます。それで、いろいろな疾患が良くなったという話がありました。水素吸入を自宅でするのは金銭的な問題もあり、なかなか難しい、働いている人が週1回通院して吸入することも難しい、そういう人には、第3の方法として水素サプリを1日3錠飲んでいただく。1錠で800mlの水素が腸で発生します。吸入のメカニズムとは異なりますが、生理的に発生する水素の補完としてはかなりの量になります。当院でも、今後、水素サプリメントを普及したいと思っています。

講演8:水素療法:未来への一歩、和久医院の和久晋三先生の講演で、患者さんからの感謝の言葉であふれかえっていました。医者冥利に尽きる話ですが、水素療法に関しては驚くほどの論文が出ているにもかかわらず、保険診療もなっていない怪しい治療だという認識が医者のなかでは、はびこっています。手術の麻酔ガスはなぜ効くのかも未だしょうさいはわかっていないのに、古くからほぼ安全に毎日汎用されているのに、水素と聞くと自分が知らないから、習ったことがないから拒否反応をおこしてしまいます。

それを広めるのが我々の役目だと思っています。同感です。

今回の講演で30年ぶりにテクノストレスで治療した患者さんに再開したり、いろいろな人から話しかけられ、参加したことが貴重なことに感じられました。来年はより多くの眼科医に参加していただきたいものだと思っています。

 

 明日3月3日は名市大で第446回東海眼科学会が開催されます。久しぶりに東海眼科学会で「緑内障の水素吸入前後の眼血流と血圧」の話を講演させていただきます。

 正常眼圧緑内障(NTG)は眼圧が低く、点眼や手術では、治せないことが多く、眼科医にとって、困った病気です。正常眼圧緑内障は低血圧や就寝時無呼吸症候群の人に多く、血流が関与していることは、東北大学を中心に皆、理論的にはわかっているのですが、治療法はこれまで、ありませんでした。水素を吸入すると、OCTアンギオで、網膜神経線維が薄いところの血流が悪く視神経周囲網膜血管密度(dVD)や傍黄斑部網膜血管密度(pfVD)が低いこともこれまで、わかっています。今回NTGで水素吸入前後で、dVD上昇、POAGでpfVD上昇、一方、血圧はNTGで低く、POAGで高く、血圧と水素吸入による血流上昇は、NTGで収縮気圧(SP)と耳側pfVDが正の相関、POAGでは拡張期圧(DP)と鼻側pfVDが負の相関と血圧と水素吸入による網膜血管密度に何らかの関与があることもわかった。

 3月10日には東京大学で国際水素医科学研究会―最新水素研究2024-「水素:医療・健康の新たな可能性と未来」が開催されます。私も講演させていただきますし、水素とは何ぞや?眼科だけではなく、全身的な影響に関しての講演ですので、ご興味がある方は、オンラインでも参加できますので下記よりお申し込みください。

参加のお申し込みは下記URLよりお申し込みください。

定員になり次第締め切りとなります。

https://online.npc-tyo.co.jp/pages/1072/9fr2jhDOGP

 2007年の大沢らにより水素が細胞毒性酸素ラジカルを選択的に還元することにより、脳の虚血を治しうるという報告以来、水素は数多くの疾患を治療することがわかってきました。最も強い抗酸化剤であるヒドロキシラジカル+H2が結びついて水となり、体外に排出する還元反応、慢性炎症を抑えること、免疫機能増強、抗アレルギー、抗アポトーシス、脂質代謝亢進など数々の効能があることはわかっていますが、私は根本は副交感神経優位による血流増加だと思っています。血流の増加により、血圧が下がり、代謝が亢進し、血糖値も下がります。また、血流増加で冷え性などの改善、血流増加により、末梢や中枢の小梗塞が開放され、脳神経麻痺なども治癒します。血流の改善から眼科的にも正常眼圧緑内障、加齢性黄斑変性症、網膜色素変性症、網膜中心静脈分子閉塞症、黄斑浮腫など、血流が悪くなることにより、病気の進行を食い止められる可能性がでてきました。

 勿論、全ての症例に効果があるわけではなく、正常な人には全く効果がないですが、ヒドロキシラジカルが増える場合には、血流増加による影響を示すことができます。

 ただ、鼻カニューレによる吸入の場合、口呼吸の人には効果が少なく、その場合には、マスクで口呼吸に対応せねばなりません。症状が重い場合にはかなり長時間の吸入が必要です。30分から1時間の吸入では1時間から2時間で血流は元の状態に戻ります。動物実験のデータからは5時間以上の吸入で15時間血中濃度が一定であったという報告があり、夜間就寝時の連続吸入を勧めていますが、その場合、一番のネックはレンタル代です。1か月4万~5万します(購入だと150万円)ので、高齢者の年金暮らしの方には無理の場合が多いです。また、水素はカニューラから室内に漏れて、ガス感知器に引っ掛かります。私も夜間はガス感知器の電源を切って使用していますが、現在のマンションでは電源を切れない感知器が多いようです。これが、一番、レンタルや購入に結びつかない理由です。

 もう一つの欠点は、水素を吸入していると、体調も良く、睡眠も深く、私はこれで、眠剤は全く不要になりました。

ただ、水素吸入機は大きなもので、持ち運べませんので、旅行の時には、水素を発生する錠剤などを持っていきますが、携帯用に、十分効果のある水素発生量の機器が開発される必要があると思います。

 また、セントラルアイクリニックでは100名程度の患者様が週1回から2回30分の鼻カテーテルおよび、ゴーグルを使用した水素吸入を続けてもらっています。夜間就寝時吸入の場合、3か月程度で、正常の眼血流になる方が多いですが、週1回30分の吸入では半年から1年の長期間の吸入の必要がありますが、それでも、血流は水素吸入前より確実に良くなっています。水素を定期的に吸入されていらっしゃる方から、体調がよくなった。血圧が下がった、血糖値が下がった。血液検査の値が全て良くなったなどのお話をよく聞きます。そうでなければ、週1回の吸入は続きません。

 眼科は血管を直接見ることができるため。OCTアンギオを用いて簡単に血流状況を見ることができます。昼間忙しく働いて、吸入する時間がない人は夜間就寝時に、昼間時間のある高齢者の方は週1回の通院吸入で、眼科疾患や全身疾患を水素でケアしアイフレイル、フレイルの状態のままで、健康に過ごしていただければと願っています。

 

 緑内障が高眼圧だけが原因でなく血流が何らかの関係があることは知られており、既にコンセンサスを得ています。しかし、それでは、血流を改善する方法が見つからず、眼圧によって血流が悪くなるのではないかと言われていました。また、正常眼圧緑内障(NTG)は低血圧に人が多く、高眼圧の開放隅角緑内障(POAG)は高血圧が多いと言われていますが、それと、血流の関係もわかっていません。

 我々は、緑内障で眼血流が悪いことをOCTAで確認し、血流を改善する方法として高濃度、高流量の水素吸入が効果があることをこれまで発表してまいりました。その時に、血圧との関係も調べてみました。すると、正常眼圧緑内障は収縮気圧(SP): 113±14mmHg, 拡張期圧(DP):70±11mmHg, 開放隅角緑内障は

SP::141±22mmHg,DP:84±10mmHgと有意にPOAGの血圧が高かったのですが、NTGの血圧の低い人の18%が降圧剤を内服しているというのは衝撃的でした。つまり、高齢者で血圧が130mmHgを超えていると一律に降圧剤を処方されている場合があるということで。そのために、NTGがおこっている可能性があります。これは、眼科医と内科医が十分話し合う必要があると思います。また、血圧が何と相関しているかを調べるとPOAGでは単回帰で拡張期圧が鼻側水素吸入前後の黄斑周囲の網膜血管密度比と負の相関(p=0.02756)、NTGでは収縮気圧と耳側の水素吸入前後の黄斑周囲網膜血管密度比と正の相関(p=0.0224)が認められました。これがどのような意味があるのかは、今後のデータの積み重ねが必要ですが、少なくとも、血圧と、眼血流の変化に関係があることが証明されました。これに関しては3月3日との東海眼科学会で発表いたします。

 

昨日、BSを見ていたら、面白い番組をやっていました。Frontierで東洋医学を経験からではなく、西洋医学の手法を使ってメカニズム解明するというもの。鍼灸の足三里のツボ、耳への針治療も米軍の戦時治療としての有用性などのメカニズムをラットモデルで二重盲検を行い、迷走神経が副腎や脾臓に働いて免疫を活性化させたり、免疫の暴走を止める働きがあることが証明されたとのことでした。漢方薬の成分を使用して薬をつくる。その中で私が注目したのは東洋医学と水素で対象となる疾患が同じであることです。

アルツハイマー、認知症、うつ病、慢性の疼痛、高血圧、糖尿病、脳梗塞、虚血疾患、癌、コロナ感染などの感染症、免疫疾患などです。アイスマンは5000年前に既に、刺青が鍼灸のツボにあたるところにあり、歯の歯石からは、漢方薬のもとになる植物雅見つかり、胃腸からはピロリ菌がいたこともわかっている。

漢方が効くかどうかは腸内細菌の種類により決まり、善玉腸内細菌を増やさなくてはなりません。腸内細菌のコントロールが潰瘍性大腸炎などの腸内炎症のコントロールと密接に関係し、それにより遠隔に中枢神経にも働き、腸内細菌が免疫のコントロールをするということです。腸内細菌の中で水素産生腸内細菌があり、この濃度と炎症マーカーと、炎症の程度が相関します。水素の飲用が濃度が吸入より低いにもかかわらず、いろいろな効果を示すのは、この腸内細菌との関係性があるようです。

水素吸入により副交感神経優位(迷走神経優位)になることがmwんW期の活性化やあるいは、免疫の暴走を止めるというのも、同じ機序が考えられます。水素と東洋医学の関係性を今後、考えてゆく必要があると思います。水素も東洋医学も病気を治療するだけでなく、未病を病気になる前に食い止める手段として、つまりフレイル対策として使用するのも良いかと思います。

 昨年の輸血の原因となったピロリ菌による胃潰瘍は9月に治り、その後1回目のピロリ菌の除菌は失敗し、抗生物質を変更した2回目の除菌により、ようやく今回で治癒しました。4月に再度、胃カメラをやって、胃の状況を確認し、それで問題なければ1年に1回胃カメラをやりましょうということだそうですか、そこまで、毎年、胃カメラをやらなくてはいけないのか、私としては疑問です。

 毎年、検診でバリウム検査や胃カメラをやることが日本では、当然のことのようになっていますが、ある一定の割合で、胃カメラでも事故がおきますし、もし毎年1回やったとしても、早期胃がんの発見は100%でないのであれば、血液検査や尿検査による癌のチエックだけで、十分ではないでしょうか?もちろん、体調に問題があれば、やればよいのであって、過剰な気がします。

 血圧に関しても年齢による変動をあまり考慮せずに、一律に収縮期圧が130mmHg以上は高血圧という風潮があまりにも強い気がします。白衣高血圧のように、病院に来るだけで20mmHg程度すぐに上昇します。家庭で毎日、血圧を測定してもらい、それでも高いのであれば、降圧剤の処方をするようにしていただきたいと思います。

正常眼圧緑内障の血圧を調べていると、皆、血圧が低いのに20%近く降圧剤を飲んでいる方で血圧が低い方がいます。これは、医原性の正常眼圧緑内障ではないでしょうか?

話しを聞くと、降圧剤を飲む前の血圧は上が135mmHg, 下が70mmHgぐらいで、現在もそれほど血圧は変わっていません。それで、年齢が80歳以上というのはおかしいと思います。

年齢別の血圧の許容値と自宅での血圧の値を参考にすべきだと思います。