隧道型海食洞を抜けると洞門が!馬島(しまなみ海道) | 次世代に遺したい自然や史跡

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毎年WEB初公開となる無名伝承地や史跡、マイナーな景勝・奇勝を発表。戦争遺跡や鉄道関連、坂本龍馬等の偉人のマイナー伝承地も。学芸員資格を持つ元高知新聞主管講座講師が解説。

<来島海峡の渦潮を間近に>

しまなみ海道の島の中には、小型バイク、自転車、徒歩でしか海道から上陸できない(島民を除く)島が二つある。無人島の見近島と有人島の馬島(いずれも今治市)である。この二島に架かる橋は短い故、徒歩でも難はない。

見近島は何もない(キャンプ場と海水浴場はあるが)島だが、馬島は人口が10人弱の小島ながら、隠れた奇勝やグランピング施設を備えたホテルがある。

その隠れた奇勝とは海食洞門なのだが、普通の洞門と違うのは、隧道型海食洞を抜けるとすぐ目の前に一回り大きな海食洞門が現れ、それも抜けた先には、来島海峡の渦潮が現れるところ。

当方はこれまで四国の三県の海食洞門をいくつも取り上げて来たが、このような二つの洞門が連続しているケースは初めて。まして渦潮や渦潮観潮船をこんなに間近に見られるのも初めて。しまなみ海道屈指の奇勝・景勝と言って良い。

馬島には定期船も出ているが、便数を考えるとしまなみ海道から行った方が良い。アプローチに車を利用した場合の徒歩時の起点は、糸山の来島海峡展望館の駐車場。満車時は糸山展望台の駐車場へ。

車で来た道を徒歩で少し引き返し、来島海峡第三大橋に繋がる、自転車・歩行者用のループ橋へ上がる。糸山から馬島間は、自転車・歩行者とバイクが別々の道になっているため、地元の歩行者が多い。因みに見近島では歩行者に会うことはなかった。

30数分で馬島上陸口に到るが、そのやや手前にはベンチもあるから、休止後、上陸することもできる。来島海峡大橋からの上陸は、上陸口から大橋の下を通り、反対側まで進むとガラス張りのエレベーターに乗って(自転車やバイクも)一階に降りる。エレベーターのドアが開くとそこはもう馬島である。

階段を下り、T字路を西に進むが、すぐ先の十字路で自転車と歩行者は進む道が分かれる(島民を除く)。歩行者は直進。

その先の三叉路では、島外者は右折しなければならない。これは直進道の先が集落のため、島民のプライバシーに配慮しているのである。瀬戸大橋の与島ではこのようなことはなかったが、馬島島民は神経質なのか?

海岸の堤防に出ると、後は南下するだけ。港の先に前述のホテル「グランルーク ホテル」がある。「民宿みはらし」の跡地に建てられているようである。

このホテル、車では上陸できない島にありながらも、各部屋が広いため、一人で宿泊すると5~7万円もする。隣にある「グランピング馬島」も一人で宿泊時はかなりの額になる。

その先に見える灯台と馬島神社の建つ「渦ノ鼻」に洞門はある。馬島神社上り口から左に進み、浜に下りると南西に歩く。尚、洞門探勝時は干潮寄りの時間帯でなくてはならない。潮位が1メートル以下程度でないといけないであろう。

 

砂浜が途切れた所の右手の岩盤に一つ目の隧道型海食洞が開口している。思ったより小さく、背をかがめないと入れない。

抜けた先にあるのが、一回り以上大きな一般的なタイプの海食洞門である。左側の天井部が岩の橋のようになっている。

洞門を抜けた先の海には渦潮がいくつも渦を巻いており、大勢の観光客を乗せた観潮船がその中を通っていた。乗船している観光客はこちら側にいる釣り人や観光客に向かって手を振っている。その光景を見ているとコロナ禍であることを忘れてしまう。

この後、時間があれば島の最高峰「しのん台(88m)」(村上海賊の見張所跡=上の画像)へ登ろうと思っていたが、糸山を出発したのが15時前で時間がなかったため、島に四つある灯台の内、一番高い箇所にある洲ノ崎灯台に登った後、尾根の南東端にある来島海峡第二大橋の橋脚前の好展望地(下の画像)に寄り、帰路に着いた。地形図にはその橋脚手前まで車道が描かれているが、実際はコンクリート歩道。

尚、糸山に向かう前、どこに寄っていたのか、ということについては来月、フォトジェニックな写真と共にセレクト記事を投稿したい。

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