四国三県の連続する七つの釜(滝壺) | 次世代に遺したい自然や史跡

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毎年WEB初公開となる無名伝承地や史跡、マイナーな景勝・奇勝を発表。戦争遺跡や鉄道関連、坂本龍馬等の偉人のマイナー伝承地も。学芸員資格を持つ元高知新聞主管講座講師が解説。

<最小の七釜から最大の七ツ渕まで>

渓谷で言うところの「釜」とはご存知のように滝壺や甌穴、渕のことであり、徳島、愛媛、高知県にはそれぞれ、七つの釜や渕が連続している景勝地がある。

 

規模が大きいものは、その釜と釜との連結部が滝になっている。当ブログ未公開の地は一ヶ所だけだが、おさらいを含めて。

 

(1)七釜・・・徳島市

四国の七つの釜の中では最小の一つ。最上部の七の釜は土砂と落石によって埋まっているが、六つの釜の流れを一つの滝と捉えると見応えがある。

七釜は徳島市飯谷町の勝浦川支流にあるが、標識は徳島市中心部から南下してきた際の向きで設置してあるため、勝浦川沿いを北上して行く際は気づきにくい。

駐車スペースはその標識の北方、岩陰に不動像がある箇所の北の路肩。探勝路入口にも道標がある。

ログハウスの先に七釜はあるが、一の釜は踏み跡がなく(通行禁止地以外で)、急斜面を降りるしかないが、二の釜(三の釜だったかも)から上は左岸(北岸)に踏み跡がある。帰路は探勝路を下れば良い。

 

(2)七釜(の滝)・・・愛媛県久万高原町

装備なしで辿ることができる面河川(仁淀川の愛媛県側の呼称)最上流部にある御来光の滝の探勝路沿いにあるが、急下降&急上昇の急勾配部があるため、登山中級者でないと探訪は不可。

面河渓よりも更に上流の面河川本流ということもあり、渓流は面河ブルーが鮮やかだが、夏場は日差しが強過ぎるため、いい写真を撮るには15時以降が適している。但し、石鎚スカイラインの閉門時間に注意を。

面河渓同様、七つの釜を結ぶ渓流は傾斜の緩い白い川床を滑るように流れている。登山口から御来光の滝まで、一切道標はなかったと思うが、滝は落差102mの巨瀑のため、人気はある。→詳細記事

 

(3)七淵・・・高知県越知町

前記二ヶ所の釜と比べると規模がはるかに大きいため、名称は「釜」ではなく、「淵」となっている。

探勝路はあるものの、渓谷が険しいため、七つの淵の内、二つは間近に見ることはできない。それでも途中の淵の上には金網橋が架けられ、鑑賞し易いようになっている。

上部は淵というよりも釜だが、そこには釜ヶ滝が懸かり、右岸には小さな浸食洞門のようなものが地面に開いている。→詳細記事

因みに規模が大きい河食洞門は過去、徳島県のものを紹介した。

 

(4)七ツ渕・・・高知市

四国の七つの釜の中では、徳島県の鳴滝を除くと最大級で、高知県内のハイカーやアウトドアファンには人気の景勝地だが、周辺の道路が狭く、駐車場もないことから、平成生まれの一般観光客の中には、訪れたことがない者もいるかも知れない。尚、バイクなら探勝路入口まで行ける。

鏡川水系の七ツ渕川上流のこの渓谷も険しい箇所があるが、階段も完備され、一般観光地並みに整備されている。

渕と渕を落差5~10mの滝が繋いでおり、周囲の景観から「高知市の秘境」と言っても過言ではない。

最上部の渕に落下する下女ヶ瀑には、屋島の合戦後、この地に落ち延びてきた平家の7人の女人が、白鷺を源氏の白旗と見間違い、この滝から投身して果てた伝説がある。

探訪は以前触れた、鳥居が奥にある(下の図示)KDDI高知重倉西局(標高380m)付近に駐車し、歩くと良い。30分位か。

 

今後も四国各県、若しくは四国三県の○○の記事を投稿予定。

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