【愛媛・岡山・広島・大分】
‘90年代後期から‘00年代以降、昭和、特に昭和30年代の街並みや商店を再現した施設が全国各地に設置されるようになった。‘00年代以降のものは、映画『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズの影響もあると思われるが、親子・孫三世代を集客する役目も果たしている。
(1)大洲レトロタウン(愛媛県大洲市)
四国の昭和レトロ再現施設の中では草分け的存在。大洲城下には元々、明治の町並みが残されていたが、昭和41年放送のNHK連続テレビ小説「おはなはん」の舞台になったことから、一部の通りを「おはなはん通り」と称してアピールしていた。
その後、かつて観光案内所も兼ねていた、明治34年建築の「おおず赤煉瓦館」の隣の「旧沖本倉庫」の中に昭和30年代の商店や民家の室内を再現し、「思ひ出倉庫」と改称、更にその前の広場に実際にレトロな商品を販売する、当時の長屋的商店街を再現した「ポコペン横丁」を造った。
「思ひ出倉庫」では昭和期のEPレコードを廉価販売しており、ポコペン横丁(１２～３月は毎月第３日曜日のみ営業)では昭和の子供の遊びも体験できる。→観光サイト
因みに当方は昭和レトロ再現施設のみを観光目的にすることはなく、大洲レトロタウンへは、愛媛鉄道廃線跡探査や旧車展示施設「ホイール」を訪れたついでに寄った(2回)。
(2)愛媛県歴史文化博物館(西予市)
総工費164億円をかけて建設された四国屈指の規模を誇る博物館。いくつかあるコーナーの一つに松山市の繁華街、大街道の昭和前期の町並みを再現したコーナーがある。
室内だけではなく、家屋を丸ごと再現している他、大正12年に製造された伊予鉄道の車両も内部見学できるよう、再現・展示されている。
他にも古代、中世、近世の家屋や遍路コーナーもある。→公式サイト
博物館だけに、実際に商品を販売している店はなかったと思うが、スケール感は一見の価値あり。この博物館には、八幡浜市の愛宕山の桜やねずみ島エンジェルロードを見に行く途次、寄った。
(3)マビ昭和館(岡山県倉敷市)
前回の旧車展示施設の記事で館自体は紹介済みだが、今月、長期休館を経て、リニューアルオープンした際、本館の一角に「昭和レトロ横丁」が誕生した。
通路が狭く、対向者とすれ違いができないほどだが、昭和中期のラジオ店、床屋、煙草屋等が再現されている。ラジオ店(真備ラヂオ商会)には、力道山対ルー・テーズの日本プロレスリングの興行ポスターも再現して貼る等本格的。因みにルー・テーズは「へそで投げる」バックドロップの元祖。
レトロ商品の販売はなかったと思うが、地元の方々が製作した各種雑貨を販売している。
この施設には旧車目当てで行った。毎月第一日曜のみ開館。
(4)いつか来た道(広島県福山市)
210万平方メートルもの敷地を擁すテーマパーク「みろくの里」にある施設。この施設は今回の記事の中では最大規模。愛媛県歴史文化博物館のような巨大館内町並みと、ポコペン横丁の何倍もの規模の商品を販売している店がある。
昔の写真屋の恰好をしたカメラマンもいて、屋外の歴史的建物(みろく郵便局)前等で記念写真(有料)を撮ってもらうこともできる。
映画博物館もあり、「男はつらいよ」のセットを再現したコーナーもある。
前述の店の中には、昭和30～50年代に活躍したアイドルや俳優のモノクロ・ブロマイド、スーパーカー・カードを販売している所もあり、当方はピンクレディーとキャンディーズのブロマイドを購入した。一番人気は中森明菜。→公式サイト
みろくの里へは、福山自動車時計博物館と龍馬の鞆の浦史跡を訪れたついでに寄った。
(5) 昭和タイムトリップ「ロマン座」(大分県豊後大野市)
国内屈指の水中鍾乳洞「稲積水中鍾乳洞」の出口にある施設。大分県民からすれば、大分県で昭和レトロ再現施設と言えば、豊後高田ではないか、と思うかも知れないが、当方はそれを目当てに観光することはない。その点、大規模鍾乳洞は観光目的に成り得るので、この施設に行った次第。
施設の規模的には中規模。様々な商店と路地を再現している。映画のポスターや文具類も多く展示している。ただ、鍾乳洞を出て、館内に入るようになっているため、カメラのレンズが曇る。
出口にはエルビスプレスリーと、めくり上がろうとするスカートを手で押さえているマリリンモンローの等身大人形が立っている。
館内にはレトロな商品を販売する店はなかったように思うが、鍾乳洞の敷地内にある「アンティークショップ」では、絵画や名画ポスター、当時の玩具等を販売している。→公式サイト
今後もレトロな観光地を紹介してほしい、という方は下のバナーを是非。
