人魚のミイラが二体、高知に(撮影可) | 次世代に遺したい自然や史跡

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毎年WEB初公開となる無名伝承地や史跡、マイナーな景勝・奇勝を発表。戦争遺跡や鉄道関連、坂本龍馬等の偉人のマイナー伝承地も。学芸員資格を持つ元高知新聞主管講座講師が解説。

三次市博物館の烏天狗ミイラと龍の頭骨も

毎年、5月3日は高知県立歴史民俗資料館(南国市)の入館料が無料になる日で、来館客の車が駐車場から溢れ、渋滞を起こしていた。

現在、資料館では企画展「驚異と怪異~世界の幻獣と霊獣たち~」を開催中だが、これが人気。

本展は大阪の国立民俗学博物館が2019年に開催した特別展「驚異と怪異」の巡回展だが、展名の副題、展示物、内容は同博物館と同じではなく、何割かは、当該巡回展開催施設によって変更し、近隣県から展示資料を借用して展示する等している。

どの施設でも借用展示物の中の目玉は妖怪のミイラや剥製で、姫路市で開催した時は、頭が人間で胴体が牛、という件(くだん)の剥製が異彩を放っていた。

高知での目玉展示資料は二体の人魚のミイラ、三体の烏天狗のミイラ、先祖が龍と人間の女との間に生まれた子であるという人物が所蔵する龍の頭蓋骨と尻尾の骨等。

この殆どが以前2回紹介した、広島県の三次もののけミュージアム所蔵品だが、一体の人魚のミイラだけは四国で調達したもの。元々の所有者は幕末、姫路城下に在住していた半兵衛という者だったが、近代、香川県琴平町在住の人物の手に渡ったようで、その人物が昭和期、地元の金刀比羅宮に奉納していた。

顔や身体つきはもののけミュージアム所蔵のものよりリアルで、以前、テレビか雑誌で見たことはあった。ミイラということで、顔は猿のようにも見えるが、安政5年(1858)に製作された収納箱には、上半身は女人である旨、記載されているという。

現物の人魚のミイラや骨ではなく、それを撮った写真もいくつか展示されていたが、福岡の龍宮寺所蔵の人魚の骨の写真上には、その人魚の生前の姿を描いた絵も添えられていた。その絵では、上半身はグラマーな美女である。

よく妖怪やユーマを取り上げた本に写真が載る、佐賀県の河童のミイラ写真も展示されていたが、このミイラはネットを見ると、所蔵する松浦一酒造で見学できる由。

同じ水の幻獣としては、もののけミュージアム所蔵の一角獣である海馬(海に棲む馬)の頭蓋骨も展示されていた。しかし海の中ではヒヒーンとはいななけないだろう。

民俗資料でインパクトがあるものは、人面生物の仮面。メキシコの人面イナゴや人面蜘蛛、人面サソリ、人面蟹の各仮面は、見た来館者は口々に「気持ち悪い。」と言っていた。

1990年にペルーで製作されたキリスト教の大天使像で首長人形と呼ばれるものも、ギョッとさせられる。アンデス地方の衣装を纏っているが、首長スタイルは20世紀半ば、クスコ出身の聖人像職人、イラリオ・メンディビルがアンデスを象徴するリャマやアルパカに似せて製作したのが始まりとされる。

全国的に有名なUMA、ヒバゴンの着ぐるみも展示されていた。着ぐるみとは思えないクオリティーだが、これはかつて山口県の萩博物館で開催された企画展「UMAとの遭遇」で展示されていたもの。横に立って記念写真を撮ってはどうか。

尚、この企画展(6/26迄)の展示物は約95%が写真撮影OKだが、フラッシュや三脚、自撮り棒を使ってはいけない。動画も不可。

ルールを守り、おっかなびっくりクッキリ撮って戴きたい。

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