四国ドリル・GWのマイナー花絶景ベスト6 | 次世代に遺したい自然や史跡

次世代に遺したい自然や史跡

毎年WEB初公開となる無名伝承地や史跡、マイナーな景勝・奇勝を発表。戦争遺跡や鉄道関連、坂本龍馬等の偉人のマイナー伝承地も。学芸員資格を持つ元高知新聞主管講座講師が解説。

<GWに絶対見るべき四国の絶景>

先日、「林修のニッポンドリル」で『GWに絶対見るべき日本の絶景~花絶景&激レア絶景(各ベスト6)~』を放送していたので、春絶景に続き、「郷土文筆家が選ぶ!GWに絶対見るべき四国のマイナー花絶景ベスト6」をお送りしたい。

 

タイトル通り、全県的に有名な場所は取り上げないので、期待感はそこそこに。6ヶ所の内、4ヶ所か5ヶ所は過去、取り上げたと思う。尚、飽くまで記憶にある箇所のみ。

 

第6位・ふれあいパーク大月(高知県大月町)

「道の駅おおつき」の背後には、自然の斜面を利用した「ふれあいパーク大月」があり、年末の大規模なイルミネーションは過去、取り上げたが、4月下旬から5月上旬頃、この斜面一帯は各種ツツジに埋め尽くされる。

皆、殆どが背の低いピンクや白いツツジ(クルメツツジか)だが、その中を全長100mの長大なスーパースライダーが通っているので、ツツジの中、風をきって滑り降りることができる。

4月の最終日曜日辺りには「つつじ祭り」も開催されていたが、コロナ禍以降は不明。今年は開催されるか。→公式サイト

比較的近場には以前紹介した不動滝、隣接する宿毛市には轟の滝や海蝕洞門等もあり、景勝を満喫できる。

第5位・ローディーの森(徳島県つるぎ町)

約65アールの山の斜面園に、180種2500株のシャクナゲが植えられているが、日本の山間部に自生しているシャクナゲは約50種なので、日本のみならず、海外のシャクナゲも鑑賞することができる。

赤、白、ピンク、黄等、色とりどりだが、まるでバラのような真紅のシャクナゲは特に見入ってしまう。品種によって開花時期は異なり、4月中旬から5月中旬まで楽しめる。

開園時期はシャクナゲの苗木(?)も販売している。入園は無料だが、駐車場が狭いので、休日は時間帯によっては、満車のこともあり。そこまでの道路は幅員が狭いため、離合は困難。

また、その近くにある短時間で登頂できるマイナー峰、志貴岳(1073m)の尾根にはミツバツツジ群生地がある。→記事

第4位・西又山南尾根(高知県馬路村)

この山の白いツツジこと、シロヤシオの群生地も過去、紹介済だが、今回の6ヶ所の中では最もマイナーな地。それはそこに到る林道が土砂崩れを起こし易いため、自治体も大々的に宣伝できないことが影響しているかも知れない。

当方が登った時も林道は復旧していなかったから、登山口まで40分以上歩いた。その間、以前紹介した西日本最大級(落差200数十メートル以上)の幻の滝「西又東滝」と「西又西滝」(共に仮称)を通過する。

 

シロヤシオは1151mピーク付近から上に群生していたと思う。まるで植物園のような大群落で、かなり長い距離、続いている。中には一般的な朱色のツツジやミツバツツジもある。

尚、アプローチは森林管理署区域の林道故、ゲートがあるため、事前に安芸森林管理署魚梁瀬地区合同事務所に鍵番号を照会しておく必要がある。鍵番号をセット後、鍵の底部のレバーを引くようになっていたと思うが、現在、鍵の種類が変わっている可能性もある。また、林道の状態によっては、通行止めになっているかも知れない。→コースガイド

第3位・東部法皇山脈(愛媛県四国中央市)

この山脈の稜線は細長いため、写真では花の群生の良さが伝わらないかも知れないが、東部法皇山脈の鋸山~七々木山~豊受山~赤星山の各山頂や尾根の所々にはアケボノツツジが群生している他、鋸山南西の縦走路沿いと赤星山山頂には可憐なカタクリの花も咲いている。

特に前者のカタクリの花群落は四国、いや、西日本屈指ではないかと思われる。それ故、体力に自信のない登山初心者は、登山口から鋸山~七々木山を往復するだけでも良い。

尚、この登山口は駐車場が整備されていないため、皆、路肩に駐車しているので、早い時間帯に行かないと登山口の近くに駐車できない。→コースガイド

第2位・翠波峰(愛媛県四国中央市)

法皇山脈の翠波峰は標高700数十メートルから900メートルにかけての高原。ここには4月上旬から5月上中旬にかけて各種桜が咲き誇る他、4月中旬から5月にかけては30万本もの菜の花の絨毯が現れ、高原を黄色に染める。

ある程度の期間、桜や菜の花が咲く地は全国にあるが、西日本でここまで標高が高い地に、桜と菜の花が同時に楽しめる「天空の花園」があるのは珍しい。

「コスモス売店・食堂」前にある一番広い駐車場に駐車すると便利で、売店下の斜面にはピンクの横断幕が垂れたように、芝桜が咲き誇っている。

駐車場東側の第二花園に菜の花が広がっているが、ここの30万本は8月から9月中旬、コスモスに変わり、ピンクに染まる。

桜は第二花園北側の「ワシントン桜の園」に咲いている。平成の大合併前の伊予三島市が市制30周年を記念して、ワシントンのポトマック河畔から里帰りした桜を中心に植栽されている。

GWに開花するのは八重桜だが、年によって開花時期にずれがあるので、自治体等に問い合わせた方が良い。

金砂湖や瀬戸内海の景色が広がる展望台もあり、雄大なパノラマを満喫できる。→記事

第1位・美桜の里(高知県大豊町)

この地の斜面には4月から5月にかけて霧島ツツジ(クルメツツジ)3,000本、八重桜350本、シャクナゲ200本、ナナカマド100本が咲き、開花期は一帯が赤やピンクに染まる。

霧島ツツジは九州に自生する「ヤマツツジ」と「ミヤマキリシマ」の種間交雑種で、多くの園芸品種があるが、ここでは赤とピンクのものが交互に植栽されており、所々白いツツジもあり、コントラストが素晴らしい。

以前紹介した松山総合公園のような、霧島ツツジと八重桜のコラボも見られる他、シャクナゲも一部同時期、咲いている。

ロケーションも優れていて、眼下には吉野川も望見できる。

ただ、ここは個人が整備した園だけに駐車場はない。路肩に駐車するしかないが、午前の遅い時間帯以降に行くと、やや離れた所に駐車することになる。→記事

ゴールデンウイークは花三昧したい、という方は下のバナーを是非。