二条城の作り方(参考です)
M46_二条城















徳川二条城の二代目寛永度天守です。寛永元年(1624)後水尾天皇の行幸を迎えるため家光が大改修をしました。この寛永二条城天守は、伏見城天守の「移築」と言われています。なのでこれが家康の伏見城天守だと思われてしまうかもしれませんが、1階の床面積が異なるので実のところ古材を使って建てたというだけでほぼ新築であると思われます。一言で「移築」と言ってもその言葉の使われ方は広く、単なる建物移動から材料の再利用までを含んでいます。
今回の復元は今注目されている城郭模型作家 島充氏が製作した復元図を採用しています。寛永天守については、いくつか資料が残っております。ですが、どれも破風構成が異なり、学術的には現時点でどれが正しいのかわかっていません。島氏の復元図は「木子家建地割図」を参考に書き起こしています。

本品を組み立てる前に、カテゴリ内の作る前に(道具・心得)作り方基本編そして、作り方必殺技編を確認しておいてください。特に「作り方の基本編」にある「屋根裏編」は見ておいてください。
この本丸御殿の説明はボリュームが多いので、そこで説明している内容はここでは省きます。

【手順1】
ここでは最上階の屋根を作ります。1番の屋根中央の棟の部分を裏のりで接着します。そして2番の屋根も組立図の「屋根裏への折り返し」を参考に裏のりで接着します。
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この1番と2番を接着してから1番屋根の屋根裏を裏のりで接着します。
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3番のシャチを真ん中で折り、裏のりで屋根の棟を挟む様にして接着します。
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【手順2】
最上階と四重目屋根の製作です。部品4番は最上階で両端をつないで四角くします。
次に屋根ですが、組立図では4つの屋根をつないでから屋根裏折り返し接着としています。この屋根裏は下の階接着の、のり代指示と屋根をつなぐのり代が後でズレたりハガレたりを防止するためのものです。なので両脇にのり代が付いている5番屋根は先に屋根裏接着しても問題ありません、というより私はこの段階で接着する方が楽なので写真の様に既に屋根裏を裏のりで貼り合わせています。
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5番、6番の屋根をつないだら6番屋根の、屋根裏を折り返し接着します。
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屋根と最上階を接着します。
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【手順3】
ここも屋根と壁の作り方は先の手順2と同じです。
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そして10番の千鳥破風を4つ作ります。千鳥破風は天守の重要な意匠で目立つのでピンセットを使い丁寧に作ります。
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千鳥を接着します。壁、屋根との間に隙間が空かないようにビタっと接着します。
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【手順4】
ここは本キットの最難関箇所です。千鳥破風が屋根両端についている比翼入母屋破風です。
11番の3階は説明を省きます。屋根の折りは特に鋭角にしっかり、角が立つくらいやって下さい。ここは隙間が空いたりズレたりすると見た目が悪くなるので。
そうそう、ここの屋根に関しては屋根裏の折り返し接着は一番最後に行うので、まだ接着しないでください。
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一か所づつ丁寧に接着してください。ピンセット必須です。
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全ての屋根をつないだら屋根裏を折り返し接着します。
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3階と接着。峠は越えました。
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【手順5】
次は一重目、二重目についている唐破風出窓です。2種類各2個づつ作ります。この唐破風出窓は天守サイズからすると少々大きいです。また、復元図製作した島氏の調査によると当時の資材調達帳なる物にはこの破風板が作れるサイズの材木が無かったことから伏見城の唐破風出窓をそのまま付けているのではないかと考察しています。
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二重目に付ける唐破風出窓12、13、14番で紹介します。13番の唐破風板ののり代を折り曲げます。この湾曲に合わせて12番の屋根を軽く曲げて湾曲させておきます。12番には赤の三角マークがついています。この三角は壁側を示していますのでその反対側、マークのない長辺の端に合わせて13番の破風板を接着します。そして14番の出窓も写真の様に整形しておきます。
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今度は唐破風屋根の三角マークと14番の出窓の三角マークの位置を合わせて接着します。お互いの壁側が面一になるように接着します。
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次は一重目屋根に付ける青マークの唐破風出窓を同様に作ります。
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【手順6】
これは1重目屋根と2階です。作り方は手順3と同じです。
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【手順7】
天守を組み上げます。組み付けは上からでも下からでもお好きなように。ここでは上から接着して行きます。手順1、2、3を接着します。歪みや傾きがないかいろんな方向から目視して調整してください。
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次に手順4の3階ですが手順5で作った唐破風出窓(赤▲のやつ)を接着します。写真の壁側に接する部分の屋根断面にものりを塗っておくと良いです。
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組み付け。
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手順6の2階も同様に
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これは1階部分です。24、25番です。
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同様に組み付けたら天守は完成です。
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【手順8】
天守東側の多聞櫓です。30番屋根の屋根裏を裏のりで貼り合わせ、31、32番を組み最後に屋根と接着します。
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【手順9】
33番屋根に37番を接着してから屋根裏を折り返し接着します。
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次に34番につなぎます。
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そして屋根裏の折り返し接着です。
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38番と39番を組みますが写真の様にこの段階では形状維持できません。なので屋根側ののり代にのりを塗って接着して行きます。
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位置合わせに少し時間がかかるかもしれないのでのりは少し多めに塗っておきます。そしてピンセットなどを使って壁の接着位置を調整していきます。
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【手順10】
天守台です。特に説明することはありません。
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【手順11】
北側の多聞櫓台と本丸部です。
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43番櫓台に36番の階段を接着し、天守台へ接着。
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44番の本丸を接着します。
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【手順12】
掘りと周りの土台を接着します。
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天守台に天守を接着します。向きを間違えないように。
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【手順13】
多聞櫓を接着します。これは手順8の東側多聞櫓です。
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北側の多聞櫓、手順9で作ったやつですが、これは石垣に乗せるだけでなく天守にも接着させねばならないので位置決めが難しいです。のりを多めに塗り慎重に接着します。
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最後に補強柱です。
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天守台の裏側から取り付けて完成です。
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