英検1級二次試験対策(「話す準備」編) | Purely Belter

英検1級二次試験対策(「話す準備」編)

前回は、英検1級二次試験対策の「モデルスピーチの準備」編を書きました。今回は、その補足と、「話す準備編」を書いていこうと思います。

 

■(前回の補足①)スピーチは"ウケがいい"結論を

モデルスピーチを作る際に心掛けてほしいことがあります。それは、「モデルスピーチの結論≠自分の主義・思想」であることです。誤解を恐れずに言えば、少し"左寄り"の視点からスピーチを組み立てると良いです。

 

最近、巷では「論破」という言葉が流行っているようです。しかし、英検1級のスピーチは、面接官を「論破」する場ではありませんし、自分の主義・思想をアピールする場でもありません。あくまでも、面接官と英語でコミュニケーションを取る場です。そのため、モデルスピーチを作る際は、自分の主義や思想に反していても、面接官に"ウケがいい"結論を採るべきです。

 

たとえば、「現代の結婚制度は時代遅れか?」というトピックでモデルスピーチを作るとしましょう。その際、たとえ夫婦別姓制度や同性婚に反対であっても、近年の国際的な流れを踏まえて、「時代遅れである」という結論を採った方が、面接官に"ウケがいい"と言えるでしょう。

 

勿論、「時代遅れではない」という結論を採ってもそれだけでマイナス評価になるわけではないと思います。しかし、自分の主義・思想が入りすぎてしまうと、スピーチやその後のQ&Aで感情的になり過ぎてしまう危険性もあります。英検1級の試験だから、と割り切って、自分の主義・思想から離れた方が、良いスピーチになると思います。

 

■(前回の補足②)反対意見を常に意識すること

モデルスピーチを作る際のもう一つのポイントとして挙げられるのが、反対意見を意識することです。"独りよがりのスピーチ"にならないためには、この点がとても重要です。

 

たとえば、「日本は夫婦別姓制度を導入すべきか?」というトピックでモデルスピーチを作るとしましょう。賛成の立場を採る場合、その理由付けとして、①女性の生き方はここ数十年で大幅に変わった、②現在の日本の制度は世界のトレンドに反している、という2つの論拠を挙げることができますね。

 

これに対して、反対の立場からは、どのような反論が考えられるでしょうか。たとえば、夫婦別姓制度を導入すると日本の家族制度が崩壊する、という主張が考えられますね。モデルスピーチを作る際は、こうした反対意見、さらには反対意見への再反論まで準備しておくとよいです。

 

実際の2分間のスピーチで反対意見に言及する余裕はないですが、その後のQ&Aでは、必ず反対意見の立場からの質問がなされます。こうした質問にしっかりと答えることができるよう、自らの結論とは反対の立場の意見についても、しっかりと考える必要があります。

 

■モデルスピーチが完成したら…効果的なアウトプットが大切!!

どんなに素晴らしいモデルスピーチが完成しても、それをアウトプットできなければ意味がありません。当たり前ですが、何度も何度も、繰り返し話す練習をすることが重要です。

 

私が「話す準備」の最初に行ったのが、モデルスピーチのランク表&チェックリスト作成です。作成したモデルスピーチのトピックを、近年の傾向から出題が予想される順にS/A/Bの3つのランクに分けて優先順位を付けました。また、それぞれのトピックのスピーチを練習した日付と出来具合を記入し、自分の弱点を把握するようにしました。

 

40トピックほどのモデルスピーチを作成した場合、そのすべてを完璧に押さえることはおよそ不可能です。そのため、試験1週間前くらいからは、Sランクのトピックで、あまり出来が良くないものを中心に、繰り返し話す練習をしました。「Sランクのトピックは必ず自分のモノにする」、「Bランクのトピックはキーワードくらいは出せるようにする」、と割り切ると、気が楽になると思います。

 

■コロナ禍で行われる二次試験 本番を意識した練習を!!

英検1級の二次試験に限らず、試験対策全般に言えることですが、本番を意識した練習をすることが大切です。この点についてポイントを3つ挙げておきます。

 

1つ目は、準備時間の1分間とスピーチの時間の2分間をしっかりと計って練習することです。2分間というスピーチの持ち時間は、長いようであっという間です。言葉に詰まったり、理由付けを思い出したりしていると、すぐに経過してしまいます。英検1級の二次試験における2分間がどのようなものなのか、練習のうちから経験しておくことが大切です。

 

2つ目は、自分のスピーチを客観視することです。自分が話したスピーチを録音したり、第三者に評価してもらったりすることが大切です。私の場合、母が通訳だったため、Zoomを使ってスピーチの聞き手になってもらいました。発音やイントネーションは正確か、早口になってしまっていないか、といった点は、意外と一人で練習しただけでは分からないものです。こうした自分の癖を知るためにも、自分のスピーチを客観視することが大切です。

 

3つ目は、コロナ禍で行われる二次試験である点を肝に銘じることです。新型コロナウイルス感染症の影響により、試験時はマスク着用のまま行われます。日常生活において、相手の声が伝わりづらかったり、逆に相手に意図が伝わらなかったりすることがしばしばあります。母国語ですらそうなのですから、英語の場合は言うまでもありません。練習の際、一度はマスクを着用してスピーチをしてみましょう。

 

■最初の関門・自由会話の対策も忘れずに

英検1級の二次試験と言えば、スピーチがメインではあるものの、最初の自由会話を過小評価してはいけません。ここで躓いてしまうと、モヤモヤしたままスピーチに入ることになってしまいます。

 

自由会話は、採点対象ではないものの、ここで大きな文法や発音のミスなどがあれば、面接官に「この人の英語大丈夫だろうか…?」と思われかねません。そのため、少なくとも、INTERACTIONやPRONUNCIATIONに"事実上"の影響はあるのではないかと思います。

 

自由会話においては、「自己紹介をしてください」、「趣味は何ですか?」、「どうやって試験会場まで来ましたか?」、「仕事は何をしていますか?」など、聞かれる質問が決まっています。そのため、このような質問に対する回答を即答できるように準備しておくとよいでしょう。

 

 

 にほんブログ村 英語ブログへ