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 高所恐怖症になり刑事をやめた主人公ジョンは、旧友から妻を尾行してほしいと依頼を受ける。彼女には精神的に不安定なところがあり、非業の死を遂げた曾祖母カルロッタにまつわる謎の記憶に悩まされていた。尾行を続けるうち、ジョンは美しい彼女をいつしか深く愛し始めていて・・・という話。

 

 ヒッチコック作品はどれもおもしろいので見てしまいますね。

 ヒッチコック作品の特徴として、主演女優が皆とても美しいことが挙げられますが、今回も女優さんがめちゃくちゃきれいでした。毎回女優さんのあまりの美しさに目が離せなくなってしまって困ります。(笑)

 主人公の女友達もまた別のベクトルでとてもチャーミングでしたね。序盤を見ている時は、なんだかんだあっても最終的にはこの気の置けない女友達とくっつくのかなと思っていたら、そうはならなくて。

 

 今回の作品はヒロインが大昔に亡くなった曾祖母の記憶にとらわれていて、曾祖母のなんらかの霊的な影響を受けているかのような振る舞いが目立つのですが、この物語がオカルト的な話なのか、それとも謎の部分はすべて人為的に仕組まれたミステリなのかわからなくて先が気になりました。

 どっちに転ぶのかなと思って見ていたら、ヒロインが見ていた過去の時代のビジョンは実はどれも現代に存在していたものだったことがわかり、そこからあれよあれよとストーリーは急転し・・・なるほど、そういう物語なのね。いやー、おもしろかったです。二時間飽きさせずに見せてくれました。

 

 しかし、まともだと思っていた主人公も、終盤ちょっと怖かったですね。ジュディに服とか髪を変えさせているあたり。ジュディがかわいそうでした。いくら彼女がジョンを愛していて、ジョンに愛されたいと思っていても、ジョンには現実の彼女の向こうにある偽りの彼女しか見えていない。それが彼女の罪への報いなのかなって。

 

 この作品はサスペンス、ミステリとしてもおもしろい作品ですが、ロマンス映画としても実によくできていると思いました。主人公もヒロインもどちらも切ない。

 

 最後は突然のシスター登場からのドーン!が急すぎてちょっと雰囲気が台無しに・・・。ちょっと吹き出しそうな感じにギャグっぽくなってしまったのは残念でしたね。突然鐘を鳴らし始めるのもシュールでした。

 もう少し余韻のある終わり方だったらなお良しだったのですが。