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久保田博幸さんの主張もそうですが、以下のような大変不愉快な記事が様々に出ています。

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コロナ支出の58兆円「増税」でカバーの可能性、専門家指摘(女性自身)

(略)「新型コロナウイルス感染拡大はいまだにおさまっていませんが、このコロナ禍が収束するころには、『税金を増やすことで対策費の支出分をカバーする』という議論が、にわかに進む可能性が高いと考えています」

こう話すのは、国の財政事情に詳しい経済評論家の加谷珪一さんだ。

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あー 加谷珪一さんねー(棒)
例えば以下の記事ですが、このようなお考えをお持ちの方です。
端的に言うと全く受け入れられません。感情的にも、もちろん事実の認識としても。

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消費税の減税に踏み切ったドイツ──日本が学ぶべきこととは(Newsweek)

ドイツ政府が日本の消費税に当たる付加価値税を7月からの半年限定で19%から16%に引き下げるとともに、電気自動車(EV)やITなど先端分野を中心に大規模な財政出動の実施を決定した。減税で足元の景気を刺激し、同時にコロナ後の社会を見据えた先行投資を行うという野心的な経済政策といってよい。

ドイツの決定を受けて、日本でも減税を求める声が出ているが、実現は容易ではない。ドイツと日本では財政事情がまるで違っているからである。

ドイツは徹底的な緊縮財政主義で知られ、憲法(ドイツ基本法)で財政均衡が義務付けられている。好調な経済を背景に債務の圧縮を進めており、過去6間、新規の国債発行を行っていない。今回のコロナ対策では国債を大増発して各種の経済政策を次々に実施したが、大胆な支出を決断できたのは、健全財政によるところが大きい。

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付加価値税を減税したのは先週の時点で19カ国あります。
オーストリア、ベルギー、ブルガリア、コロンビア、コスタリカ、キプロス、チェコ、独、ギリシャ、ケニア、リトアニア、モルドバ、ノルウェー、トルコ、ポルトガル、英、ウクライナ、韓、中。

では、ドイツのように「徹底的な緊縮財政」をしていない国が付加価値税を減税するのは無謀であり、将来への負担ということになるのでしょうか?
また、ドイツが徹底的な緊縮をしてもなお経済が一応回っている要因としては、GDPに占める対外黒字が非常に大きいところにあります。2019年のドイツの貿易黒字はGDP比にして約7.6%(2930億ドル・日本円で30兆円超)を叩き出していますが、これは他国に2930億ドルの貿易赤字を与えたことを示します。
その貿易相手としてはユーロ圏が多いわけですが、ユーロ加盟国は自国通貨を発行する主権が無いということもあり、恐ろしいまでに

持 続 不 可 能

なやり方です。
ドイツを見習えと連呼する人々は、いま世界的なキーワードになっている「持続可能な」という点をどう考えるのか示すべきでしょう。
ちなみにEUは持続可能な貿易黒字を「GDP比6%以内」としていますが、その数字もまた根拠がよくわかりません。

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一方、日本の政府債務の規模は先進国でも突出している。ドイツにおける政府の総債務の対GDP比(IMF基準)は約0.6倍だが、日本は約2.4倍もある。ここまで政府債務比率が高いと、市中の投資家だけで国債を消化するのは難しく、中央銀行に頼らざるを得ない。

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はあ、そこも分からないのです。

「ここまで」政府債務比率が高いと

とは、どういう意味なのか。
政府債務比率とは、どの程度になると危険水域なのでしょうか。それはどう計算するのか。特段の計算の結果でないとすれば、何をもって「ここまで高いと…」という言い方ができるのでしょうか。
例えば、よく言われる「2倍」なのかな。じゃあその根拠は何か。キリがいいから?(笑) そして日本が2倍を超えてから相当の時間が経つと思うのですが、その間ずっと国債金利が

超 低 空 飛 行

である点はどう理解すべきなのか。
あっ、いや、つまり言いたいのは「どうせ適当なんでしょ」ということです。
市中の投資家は日本国債を買いたいのですが、日銀が「召し上げ」ています。だから金利は最低中の最低なのだと思いますが。なぜそんなことになるのかというと、単にデフレだからです。資金需要が無いからです。他に大した理由はありませんよ。もう認めようよ。

ここで、「お前だって、MMT的財政政策は、詳細は分からなくても対症療法で構わない、そこはテキトーでいいと言っていたではないか」という反論があるかもしれません。
しかしですね、MMTを利用した財政政策はインフレ率への反応が主たる動機となります。完全比例ではないとしても、需要が供給に対してプレッシャーをかけた度合いで物価が上昇するというのはほぼ確実だし、もちろん感覚的にも理解できることです。
一方で、政府債務比率とは何なんですか。それが上昇すると、何がどうなって国民生活に悪影響を及ぼすのですか。政府債務比率が桁違いに高くなった期間では、国民生活も桁違いに悪化したのでしょうか。そんな事実は全く無いと思いますよ。むしろ豊かになった場合も多いのではないのか。
同じ「適当」でも、毎月の家計の貯蓄額を見るのはまだしも意味がありますが、発見したゴキブリの数を記録したところで家計の状況を推し量ることはできないでしょうが。つまり「適当」の質が違います。

あとは、もちろん「政府破綻が最大のリスクだ」というのが主要な回答なのでしょう。しかし、何度も言いますが破綻はしないっつってんだろと。それこそ 破 綻 へ の 経 路 を示してみろというのです。
ちなみにクルーグマンですらそれは「難しい(面倒くさい)」ものだ、と言っています。MMTに関する議論で批判されたクルーグマンは今回、それこそ威信をかけて、その「難しい(面倒くさい)」説明をしてMMT論者を黙らせればよかったと思うのですが、結局は有効な説明ができていません。日本の専門家も同じで、極端だとか、非常識だとか、新手の偶像だとか、まあ~くだらない有象無象の批判で埋まっています。
一応まじめに頑張って批判してるなあ、と個人的に思ったのは山本一郎さんでしたが、この人もやっとこさロシアの破綻例、いわゆるロシア定期(笑)を一つだけ持ち出して「このように自国通貨でも破綻する。他にもたくさんある」(※絶対にありません)と主張するのが精いっぱいでした。いやもう悲惨ですね。

だから、できないんですよ。
自国通貨建てでかつ通貨が変動相場下にある場合に国債がデフォルトする経路の説明、なんてのは。
もし日本にも破綻があるとしたら、もう何度も何度も同じことを言っていますが、破綻論者どもの言うことを「よく守って」増税し、また国内での仕事を減らし、モノ・サービスの供給能力を削ぎ、何も作れない国に成り下がることです。それが引き金になることは十分にあり得ます。そうなると、苦しさに耐えかねて、

自国通貨建てでかつ通貨が変動相場下にある

という条件を外す可能性があります。(もちろん歯を食いしばって貧困に耐え、供給能力を高めるという道もありますが、その場合、国民は一度は地獄を味わうことになります。)
そうなれば、いよいよマジ破綻へ向かうことになるでしょう。
でもそれって、あくまでも、

自国通貨建てでかつ通貨が変動相場下にある

という条件を外した(苦しさに耐えかねて外さざるを得なくなった)後、だからね?
そうならないようにするのが最優先、ではないの?
そのためには「国民が一生懸命働く」しかない、んじゃないの?
…というだけの、簡単な話。デフレ下で財政支出を絞って増税してりゃ、国民が働く動機は減る一方です。人が働かない国に未来はない。当たり前だろ。バカじゃないのか。

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ここらで話を一度切りますが、破綻論者の説明は一つ一つがほとんど納得できません。
間違ったことを説明するためには、嘘をつくか、都合が悪い部分を省略する、つまり「こんな当然のことは説明するまでもない。信じない連中は非常識だ」という、議論以前の態度をとることになるからです。

現下のウイルス禍は、どこまでこの連中の嘘を暴く契機となるのでしょうか。いや全く嬉しくありませんよ。国内が疲弊するということは、私の所得も減るということです。嬉しいわけがない。
しかし、何も得られずただ所得だけを奪われるとしたら、それこそ我慢できません。ならば、この国を苦しめてきた「政府は破綻する」という大嘘を覆すしかありません。
今日も今日とて、あちこちのコメント欄で、


消費税は廃止すべきだ
(うんうん)

廃止しないなら議員報酬を削れ、公務員を減らせ
(ohhh...)


などという主張が繰り広げられています。
先は長いと思いますが、個人的にできることを細々と続けるしかありません。



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