アイドルはつらいよ | BOOTS STRAP 外国語と ゆかいな哲学の館

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ありふれた日常を考察する
<芦屋・三宮>

最近、また映画のジェームズ・ディーン(James Dean) が人気だという。
彼は1955年に『エデンの東』で初めて主役を演じ、そこで好評を得、
続く『理由なき反抗』の主演で、一躍スターダムにのぼりつめたが、
同年9月、自動車事故で24歳の短い生涯を終えた。



日本では、死後1年、にわかにディーン・ブームが巻き起こった。
一般的には、”ジェームズ・ディーン現象”と呼ばれ、作家・三島由紀夫が、
この現象に対するなんとも皮肉っぽい以下のコメントを残している。

「それにしても公衆の心理とは不思議なものである。
公衆は、今まで無数の『新鮮なアイドル』をその手で汚し葬ってきた。
ディーンが生きていたら、確実に彼を汚したであろう人たちが、
彼の死後一年経って、まだ熱狂の中に彼の死を哀惜している。
彼らは自分の手が汚しえなかったことが、それほど口惜しいのであろうか?」

この反語的表現が、いかにも三島らしい。
ただ、難解な面を有するので、この意味を少しばかり解釈すると、
「大衆は常に新鮮なアイドルを求めている。
そんな大衆の求めによってアイドルが誕生し、大衆は、暫しそのアイドルに熱狂する。
だけども、人気は永遠に続くものではない。
いつかは、没落の道をたどることになる。
その姿は、まるで大衆がアイドルを汚し、葬り去ることを楽しむために、
アイドルを誕生させ、人気を高めさせたように見える。
ところが、ジェームズ・ディーンのように、人気を増大させている最中に死んでしまったら、
汚し、生きたまま葬り去るということができなくなり、
そのため、大衆の(ウラの)目的を果たせなくなってしまった。
この熱狂現象は、自分の手でジェームズ・ディーンを葬り去ることができなかった口惜しさの表れ」というもの。

随分と皮肉に聞こえるが、結論とすれば、
「人気などというものは、大衆の餌食に過ぎない」
彼の強い主張はそこにある。

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<了>