世の中、キビしい〜ッ! | BOOTS STRAP 外国語と ゆかいな哲学の館

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ありふれた日常を考察する
<芦屋・三宮>

執行を猶予(ゆうよ)したり、その期間のことを「モラトリアム」と呼ぶ。
かつて、厳しい社会の荒波にいきなり出るのに二の足を踏んで複数年の留年で
大学に残っている若者たちを「モラトリアム人間」などと呼んでいた。
これは、心理学者エリク・H・エリクソンによって心理学に導入された概念。
日本では、昭和46年に小此木啓吾氏がこの心理状態のことについて語り、
その後『モラトリアム人間の時代(昭和52年)』を刊行し話題の書となった。

この著書の中で、責任を負うことを否定するこの種の人間は、
若者にとどまらず、ありとあらゆる階層にまで広がっていることを指摘していた。
誰しも、支払いに窮したり、さまざまに結論を出さなければならない時に、
猶予を与えられると安堵感がみなぎってくるのは事実。
ただ、それに甘えてしまうことの問題点を指摘した書でもある。

また、この「モラトリアム」という言葉で、
思い起こすのは「フーヴァー・モラトリアム( Hoover Moratorium)」。
1931年、当時のアメリカ合衆国大統領フーヴァーが、
財政危機に陥ったドイツを救済するために行なった債務支払猶予(ゆうよ)措置のこと。
政策には、「アメとムチ」なる表現があるが、この政策は一種の「アメ」。
これによって猶予の恩恵を受けたドイツは息を吹き返したが、
アメリカの経済は好転せず、世界恐慌は更に深刻化することになった。
この措置は、ヒトラーのナチス・ドイツを生み出すことにつながったとされる。
世界的にフーヴァーの名声を高めはしたが、
「モラトリアム」は、経済を好転させることはなかった。

甘いことを言っていると、痛い目にあう。
イテッ! 身に覚えあり。

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<了>