山本五十六の有名な言葉、「褒(ほ)めてやらなきゃ人は動かじ」というのがある。
人と人との関係で、相手を褒めると動きがスムーズに進むというのはよくある話。
小説家の藤本義一氏の著書に、
「相手との駆け引きは、足し算とかけ算で成り立つ」という言葉がある。
この言葉を説明すると、
人との交渉は、3段階の駆け引きで相手の心をつかむという。
まず最初の手合わせとなる第一段階では、お互い、相手に対してどう対処するかは未知数。
そこで腹の探り合いとなる。
だけども、探り合いだけなら得るものは、”0(ゼロ)”。
そこで0ではなく、1という数字を獲得するには、まずこちらが「相手を褒める」。
これで、相手が話を合わせれば、1+1=2となる。
第2段階では、最初と違う話題で意見を交わす。
これでまた、相手を褒めれば、相手との距離が縮まり、2が積み上がり4となる。
そんな風に2度の出会いで打ち解けると、その辺りで本音が出てくる。
その本音に入り込んで一気に親しくなるのが彼が言う「かけ算」のようだ。
トランプ大統領がプーチン大統領に向けての交渉は、
まるで藤本義一氏の言葉を踏襲しているかのように思えてくる。
出会う前から必要以上にプーチン大統領を褒めている。
「こんなにも褒めると、トランプ氏側のカードがなくなる」と指摘する知識人もいた。

今日のニュースを見ていると「プーチン氏会談に遅刻」という見出しが出ていた。
ウクライナ問題を巡り、米ロ首脳による電話会談が行われたが、
プーチン大統領が会談に遅れること1時間。
プーチン氏の遅刻はよくあることだが、今回は、その時間に他の予定を入れていたことが判明。
トランプ氏は、ソデにされたということでもある。
プーチン大統領は、やっぱり、したたか。
トランプ大統領は、果たしてこのような男と伍していけるのか?
まだ、交渉は始まったばかりだが、第一ラウンドは、プーチン勝利の様相。
強面(こわもて)のトランプ大統領だが、うちに向かっては強いが、
外に向かってはからっきし弱い。
トランプ氏は、ただの内弁慶か?
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