13日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。株式の信用取引や暗号資産(仮想通貨)取引の買い方が証拠金不足に対応するための売りが一巡したとの見方がされていた。また、S&P500が足元で3900ポイントを割り込んできたことから、ショートカバーが強まりやすい水準まで調整したとの見方もあり、ハイテク株を中心に買い戻しが優勢となった。

 また、インフレ懸念や米連邦準備理事会(FRB)の積極的な金融引き締めへの警戒感は根強いものの、パウエルFRB議長は今後2回の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で0.50%ずつ利上げするのが適切となる公算が大きいとの見解をあらためて示している。これまで市場が警戒していた0.75%の利上げ観測が後退したことも、買い戻しに向かわせたようだ。S&P500業種別指数はすべてのセクターが上昇し、自動車・同部品、半導体・同製造装置、小売、消費者サービス、 エネルギーの強さが目立った。

 シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は日中大阪比285円高の2万6675円で取引を終えた。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比変わらずの2万6390円で始まり、2万6370円を安値に、その後は2万6400円◆2万6500円辺りでの保ち合いを継続。米国市場の取引開始後にはレンジを上放れ、一時2万6680円まで上昇。終盤にかけては2万6600円を挟んでこう着するなか、2万6610円で取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買い先行で始まることになりそうだ。ナイトセッションでは5日移動平均線を支持線に、2万6700円◆2万6770円辺りに位置する上値抵抗線の25日、75日線に接近してきており、これらの突破を試すロングの動きが意識されやすい。抵抗線突破を見せてくるようだと、ショートカバーが強まりやすいだろう。国内では決算発表がピークを通過したことで、国内外の機関投資家の動きも次第に活発化してくることが見込まれる。

 VIX指数は28.87に低下し、5月4日以来の30.00を下回ってきた。切り上がる25日、75日線を上回っているためトレンドは上向きの形状ではある ものの、リスク回避姿勢は緩むことになるだろう。また、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の多くは、ボトム圏から若干のリバウンドを見せてきた水準であるが、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]は先週末の上昇で上値抵抗線として意識されていた25日、75日線を突破してきた。他の値がさハイテク株なども追随する動きを見せてくるようだと、日経平均型優位の動きから、日経225先物への先回り的な買いにもつながりそうだ。

 先週のNT倍率は、先物中心限月で14.17倍に上昇した。10日に13.98倍まで低下した後はNTショートを巻き戻す動きが優勢だった。週末には75日線を突破し、14.18倍に位置している25日線を捉えてきていることもあり、同線突破からNTロングの動きが強まる可能性も想定しておきたい。押し目狙いのロングスタンスのなか、まずは日経225先物の抵抗線突破を見極めたいところだ。



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