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今回は、公務員試験の『人文科学』の対策についてです。
『人文科学』の対策に関して、最近ご質問をいただく機会が多くなっていますので、自分の考えを整理するという意味でも、いったん記事の形にまとめておきたいと思います。
皆さんの参考になれば幸いです。
1.そもそも『人文科学』とは何ぞ?
公務員試験における『人文科学』とは、以下の科目のことを指します。
すなわち、これらの科目をまとめて『人文科学』と呼んでいるというわけです。
- 日本史
- 世界史
- 地理
- 思想
- 文芸・芸術
高校で勉強した「日本史」や「世界史」、「地理」は、この『人文科学』という科目において公務員試験では出題されます。
2.『人文科学』は嫌われている
『人文科学』という科目は、公務員試験のなかでは好かれていません。
むしろ、嫌われているとハッキリ言ってしまったほうが適切だと思います。
というのも、『人文科学』は、コストパフォーマンス(コスパ)が極めて悪い科目だからです。
上記の『人文科学』において出題される科目の、それぞれの問題数(内訳)は、次のとおりです。
- 日本史:1~2問
- 世界史:1~2問
- 地理:1~2問
- 思想:1問程度
- 文芸・芸術:1問程度
※「1問程度」というのは、1問出るとは限らないためです。
このように、『人文科学』は、各科目の出題数が少ないです。
大学入試の際に、例えば「日本史」を選択した方や「世界史」を選択した方は、あの当時のことを思い出してください(思い出したくないほど勉強しまくっていたと思うけど、ここは思い出してください。)
「あんなに勉強したのに!たった1~2問なのかよっ!!」
これが、公務員試験における「日本史」「世界史」の位置づけです。
勉強量に対する“見返り”が極めて少ない。
だから、嫌われているわけ。
3.『人文科学』の勉強法
かといって、『人文科学』に関して、まったくやらないというわけにもいきません。
なにせ『人文科学』全体は、教養試験で出題される問題数の約20%程度を占めているからです(国家公務員はもっと少なくて、約10%程度)。
1~2割はなかなか侮れないですので、それなりにやっておいたほうがやはりいいです。
以上のような状況下において、ご提示できる勉強法は、次のとおりです。
その1:勉強する科目を絞ってしまう
『人文科学』で出題されるからって、「日本史」「世界史」「地理」「思想」「文芸・芸術」をすべて学習する必要はありません。
一般的な受験生は、すべて学習するだけの時間的余裕はありません。
なので、勉強する科目を絞ってしまいましょう。
具体的には、
- 大学入試で選択した科目を学習する(例:「日本史」選択者であれば日本史はやる)
- 「人文科学」のなかでも、まだコスパがマシな「地理」を学習する
上記の例で言えば、「日本史」と「地理」の2科目を選ぶことになりますが、これでひとまずやっていきましょう。
ちなみに、大学入試で地理歴史をやってこなかったという方は、それこそコスパだけで考えるしかありませんので、とりあえず「地理」をやり、その後「思想」「文芸・芸術」を念のためやっておく……くらいでよいです。
その2:問題演習を中心にしてしまう
上記のようにして学習する科目を決めたら、いつものようにテキストや講義……ではありません。
『人文科学』を構成する各科目は、元々高校の授業の1~2年間を支配するだけの分量があります。
いつものようにやってしまったら、ものすごい分量になってしまう。
そこで、やるべきこともまた絞ります。
具体的には、テキスト(教科書)や講義にはなるべく頼らずに、問題演習(公務員試験の過去問を解きつつ、覚えていく手法)で乗り切ることとしましょう。
予備校や大学内の講座を利用されている方の場合には、その講義の教材を使っていただければよいですが、独学の方の場合には、以下の教材を利用していきます。
- 新スーパー過去問ゼミ6 人文科学(実務教育出版)
- 公務員試験 本気で合格!過去問解きまくり! 人文科学(LEC東京リーガルマインド)
これらの教材のうち1つで構いません。
これらの教材で扱われている過去問を用いて、問題演習を行っていきます(もちろん、ポイント解説や問題の解答解説は読みましょうね)。
その3:メイン科目(数的・文章・社学)に時間を注いでしまう
出題数や出題傾向を踏まえると、教養試験の対策においては、「数的処理」「文章理解」「社会科学(時事を含みます)」がメイン科目です。
教養試験の対策となれば、まずはこのメイン科目をしっかりと学ぶ必要があります(得点源としなければなりません)。
これに対して、『人文科学』や『自然科学』は、その出題範囲の広さ等からコスパが非常に悪く、付き合いはほどほどにしなければならない科目です。
筆記試験の突破を考えれば、優先順位は低い科目であることは間違いありません。
それに、例えば人文科学で「日本史」「地理」だけを学んできたとすれば、試験本番では、他の科目(「世界史」「思想」「文芸・芸術」)に余計な時間をかける必要がなくなります。
つまり、問題を解く時間が少し浮く(余る)わけですよ。
本番において「時間が少し浮く(余る)」とは、すなわち「他の科目を解く時間が増える(時間をまわせる)」ということを意味します。
「他の科目」、そうですメイン科目の3つ、特に「数的処理」「文章理解」ですよ。
「数的処理」「文章理解」に関して多くの方の悩みが「時間をかければ解けるんですが……」というものなんだけど、その「時間をかければ」ができる可能性が上がるわけです。
つまり、「数的処理」「文章理解」が解ける可能性が上がるわけです(さらに言えば、筆記試験を突破できる可能性が上がることを意味します)。
こんな具合に、割り切りも、戦略的にきちんとやっていけば、合格に寄与できる形で運用できるというわけです。
以上が、『人文科学』の勉強法です。
これから公務員試験の勉強を始めようという方や、『人文科学』に関し一切やってこなかったので、これからどうにかしようという方に、参考になれば幸いです。