皆様、こんにちは。

この連休、いかがお過ごしでしょうか?

私はやはりずっと家にこもったままで、家のお掃除をしたり片づけをしたりしていました。

お持ち帰りのお仕事もそこそこ。進みましたよ~。

 

世の方々は外へお出かけされる方も増えてきた様子ですが、私はワクチン接種の2回目を終えた方は、

普通に外に出ても良いと思います。

確かに、まだ接種の順番が回ってきていない方がいらっしゃるようなので、時期尚早かも知れませんが、

経済を回すことも大切ですから。

 

半面、ご自分の意志でワクチン接種をお断りされている方もそこそこいらっしゃるのもわかります。

そう言った方々は普段から感染防止に人並み以上に気を付けられてらっしゃるのでしょうし、

万一感染して重症化しても、入院しないくらいの覚悟もお持ちでしょうから。

ワクチンを拒否って感染、重症化して病院のベッドを使うのは、本来入院が必要な方への迷惑とのご意見もありますが、一概にワクチン拒否者を非難、差別するのも危ない事とも思います。

 

ワクチンの接種の有無が、国民の分断にならない事を願います。

 

さて、続きです。

 

「父さん、ありがとう。私、明日の朝早ように起きる。」

そんな感じで、翌朝は4時半に起きて、山の畑に上がることになったのです。

 

 

そしてあっという間に、翌朝になりました。

 

私はほとんど眠れないまま、4時半ぴったりに起床した父に続いて起き上がり、顔を洗って着替えて、スタンバイ。

 

アイトのお花を見て見ましたが、お花は相変わらずしおれたまま。アイト自身は、白い服になったまま、お花の根元にうずくまったままです。

 

「アイト、こんなになってごめんね。もうすぐお山に連れて行ってあげるからね。」

アイトの姿を見ただけで、涙が溢れます。急がなきゃ。

 

母も起きて来て、早朝の朝ご飯をぱぱっと食べて、5時には父に連れられて、歩いて山の畑に向かいました。

もちろん、アイトのお花を大事に持って。

 

「アイト、大丈夫?もうじき着くからね。」

カゴの中に入れたお花と一緒にいるアイトに言葉をかけ続けます。

 

父は大きな背負いかごの中に鍬や鎌などを入れて、背中に担いでいました。

 

家を出た時には既に明るくなっていましたが、山に入ると鬱蒼した木々の間を歩くので、結構暗くて足元がおぼつかない感じでした。

 

父の後ろを歩いていましたが、途中のお墓に向かう道と分かれるところは特に気味が悪かったです。

 

そして、40分ほどかかって、やっとのことで山の畑に着きました。

 

早速、アイトのお花があったブドウ棚の下を、父が鍬で少し耕してくれます。

 

長らく雨が降っていなかったみたいで、表の土はからからに乾いていましたが、深い辺りは土が少し湿っていました。

その後、私が持って来た小さなスコップで土に缶(鉢)の大きさの穴を掘りました。

 

そして、慎重に缶から土ごとお花を出して、そのまま畑に掘った穴に入れ、周囲を土で埋めました。

その時、大切な事に気が付きました。

 

『あ、お花にかけるお水が無い!』

お花を植えに来たのに、お水を忘れるなんて。なんて馬鹿なのでしょう。私は自分を責めました。このままではすぐに枯れてしまいます。

私のバカ。どうしよう。しゅん。

 

「ナツ、これをかけろや。」

後ろで見ていた父が、背中の背負いかごから、一升瓶をだしました。

 

中身はもちろん水です。

そうそう、当時は田舎ではまだペットボトルが普及していなかったので、液体を運ぶには一升瓶が便利だったのです。

 

父はポンと一升瓶の蓋を取って、私に渡してくれました。

「父さん、ありがとう。」

 

そうそう。大人になってわかったのですが、父はいつも先の事を読みながら動いていたので、私がお水を忘れることも想定内だったのでしょう。

 

私は一升瓶をお花の横に置いて、ゆっくりと瓶を傾けました。

 

「アイトとお花さん、早く元気になってね。」

祈るような気持ちでした。

 

「これで大丈夫じゃろう。」

父はそう言うとすっと横に歩き、山に来たついでに、周囲に生えていたワラビとゼンマイを手早く折り取り、籠にいれました。あっという間に二束くらいの山菜が採れました。せっかく来たので、タダでは帰らない父でした。

 

「ナツ、帰るぞ。」

父が声を掛けます。

 

私はアイトにお別れを言っていました。

 

「アイト、お花を家に持ち帰ってごめんなさい。私のせいでこんなになって。ここに戻したから大丈夫よね。早く元気になってね。また明日も来るわね。アイト、ちゃんとここに居てね。」

 

アイトはうずくまって下を向いたままでしたが、私がアイトに話しかけた時だけ、ちょっと顔を上げて微笑んでくれました。

 

なんだか、最後のお別れになるような気がして、涙が止まりませんでした。

 

でも、アイトが元気になるにはこれしか方法が無いし。

 

「アイト、また明日ね。明日も絶対来るからね。」

私はそう言うと父と一緒に山を下りたのでした。

 

そして、翌朝も、その次の朝も、今度は一人で、私は2合瓶にお水を入れて山の畑に登りました。

 

 

続きます。

 

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