『転んでも』 ・・・ 自信を失ったときに① (第98回) 令和2年5月掲載

 

  自信を失ったときに

 

 ただ一人だけの 小さな幸せに満足することなく おたがいに この国日本を満たす 大きな夢と確固とした志を、もたねばならない 長い伝統に培われた 日本人本来の高い精神と 私たちが今日までたくわえてきた自立力とを いまこそ 新たな時代にふさわしい 新たな姿で 政治や経済 教育や文化に 正しくよみがえらせたい 日本を いきいきとした民族主義の国にするために

 この世界に より大きな幸せをもたらすために

 

  転んでも

 

 「七転び八起き」ということわざがある。

 何度失敗してもこれに屈せずふるい立つ姿をいったものである。

 人生は長い。世の中はひろい。だから失敗もする。悲観もする。

 そんなとき、このことわざはありがたい。

 だが、七度ころんでも八度目に起きればよい、などと呑気に考えるならば、これはいささか愚である。

 一度転んで気が付かなければ、七度転んでも同じこと。一度で気のつく人間になりたい。

 そのためには「転んでもただ起きぬ」心がまえが大切。このことわざは、

 意地汚いことの代名詞のように使われているが、先哲諸聖の中で、

 転んでそこに悟りをひらいた人は数多くある。

 転んでもただ起きなかったのである。意地汚いのではない。真剣だったのである。

 失敗することを恐れるよりも、真剣でないことを恐れたほうがいい。

 真剣ならば、たとえ失敗しても、ただ起きぬだけの充分な心がまえができてくる。

 おたがいに「転んでもただ起きぬ」よう真剣になりたいものである。

 

 松下幸之助





 

 



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