「町内級刑事の国際級捜査記」

 

 

先々週くらいに映画館で観てきたクァク・トウォンさん主演の映画『国際捜査（국제수사）』（キム・ボンハン監督）です。前回、海外にまったく行けない中で、フライト映画『オッケー！マダム（오케이 마담）』（イ・チョラ監督）がストレス発散になったという話をしましたが、これもまったく同じですね。海外にまったく行けない中で、こんなフィリピン観光を描いたコメディ映画がとってもストレス発散になりました！ヾ(≧∇≦)〃♪

 

さらに前回ご紹介した『オー！ムニ（原題：오! 문희）』（チョン・セギョ監督）に続いて、今回も忠清道方言炸裂でよかったですね。忠清道は言葉が遅くて、ちょっととぼけた呑気なアクセントが特徴なのですが、カッコイイ「国際捜査」という題名とは裏腹に、そんな言葉を話す韓国ののどかな田舎刑事（クァク・トウォンさん）が、フィリピンのマニラで本格的な犯罪組織に狙われて文字どおり大泣きになるという話です。なぜか、ジャンルが「アクション」となっていましたが、それは題名とポスターと共に軽い引っかけとなっているかと思います。観る前までシリアスな犯罪捜査モノを想像していたのですが、どう考えてもこれはコメディでした。

 

特に冒頭で、妻から、「結婚10周年なのだから海外旅行に連れて行け、新婚旅行も行けなかったのに」といって海外旅行をねだられるシーンなどは、同じ韓国人の妻子ある者として「あるある」で笑うしかなかったです。そして、その妻以上に笑えるのが、かわいらしい10歳の娘なのですが、彼女がまさに存在自体がコメディな田舎少女で、何かをするたび、何かをいうたびにかわい過ぎました。まだ旅行に行くことが決まったわけでもないのに、母親と一緒に水着を買って、寒空の下の家の前でサングラスとスカート付き水着をつけて、身を縮めながらブルブル震えているシーンなどが最高でした。それを見て、ドウォンさん演じる主人公はフィリピン行きを決めるわけですよね。

 

私は個人的にこのクァク・トウォンさんが昔から大好きなのですが、理由は初めて見た時に、妻の一番下の弟にそっくりだと思ったからなんですよね。まあ、妻にいっても「似てない」といわれるので、私の主観ではあるのですが、見るたびに他人とは思えないです。その彼が、もちろん本人が田舎モノで不注意すぎるし、呑気過ぎるせいではあるのですが、本当に繰り返し繰り返し騙されてはひどい目にあわされて、ひたすらかわいそうでした。たしかに笑えないほどに完全に本格的にうちのめされていたので、それゆえに「コメディ」とできなかったのかもしれないですね。(^^;)

 

もともとは忠南の西の外れ、大川海水浴場で有名な大川の刑事なわけですが、まさにそういう所の田舎刑事をクァク・トウォンさんが演じるというのは、『哭声／コクソン』（2016）を思い出します。そちらではのどかな田舎警察が、凶悪な本格的悪霊に出会って翻弄されたわけですが、今回は本格的な凶悪犯罪に出会って翻弄されるということになります。ただし、フィリピンで彼を騙すのも彼を痛めつけるのも、基本的に皆現地に住む韓国人なのですけどね。彼らの決め台詞が、「ここは韓国ではないフィリピンだ」というわけですが、フィリピンだから犯罪も韓国のように甘くはないんだといいながら、めちゃくちゃを行っているわけです。

 

ということで、実際には韓国での評点は低くて大衆の人気はそれほど得られなかったようですが、私はこのコロナ事態の中で気持ちを晴らしくれるコメディとして充分だったのではないかと思います。名バイプレーヤーとなりがちなクァク・トウォンさんが体を張って主役を演じた一本としてオススメです！♪ヽ(´▽｀)/

 

 

【あらすじ】 人生初の海外旅行でフィリピンに向かった大川警察署の刑事のビョンス（クァク・トウォン）。旅行の甘い夢も束の間、ビョンスは犯罪組織キラーのパトリック（キム・ヒウォン）のセットアップ犯罪に巻き込まれて殺人事件の容疑者となり、濡れ衣を晴らすため、現地のガイドで故郷の後輩のマンチョル（キム・デミョン）と共に捜査を始める。しかし刑事の本能が煮えたぎる気持ちとは裏腹に、ビョンスの体と英語がついてこず、フィリピンで再会した仇のような竹馬の友のヨンベ（キム・サンホ）が関わったせいで、捜査は意図しない方向に流されていくが…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

映画映画『国際捜査（국제수사）』（キム・ボンハン監督）予告編。

 

 

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