■傷つけ合う人間たちの悲哀を優しく見守る美しい島!(((°`∇´°;))) | 韓国・ソウルの中心で愛を叫ぶ!

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ポッドキャスト韓国語マガジン“サランヘヨ・ハングンマル”の編集長が、韓国と韓国文化の見つめ方を伝授します。

残念ながら劇場はスルーでNetflixです。

 

 

今日、ご紹介するのは、ぜひ劇場で観たかったけれど、残念ながらNetflix配信となってしまった韓国ノワール映画『楽園の夜(낙원의 밤)』(パク・フンジョン監督)です。これはとっても美しく、かつ悲痛な衝撃作品でした。(((°`∇´°;)))

 

韓国ノワールではありますが、その痛みの振り切り方は日本の北野映画をほうふつとさせ、個人的にはラスト10分の衝撃展開を中心として、ノワール映画史に残る作品だったといいたいです。ある意味、単純で分かり切った定番復讐話ではあるのですが、その極限を目指したあたりが、ノワールという分野自体に対する監督の讃歌のように感じました!ヾ(≧∇≦)〃♪

 

監督はご存知、『悪魔を見た』(2010)の脚本を書き、『新しき世界』(2012)や『The Witch/魔女』の脚本・監督を手がけたパク・フンジョン監督です。どうでもいいけれど、個人的にはなぜ『魔女』の続編のほうを撮ってくださらなかったのか、という強い不満がありますが、本作も演出と登場人物一人ひとりの圧倒的魅力に魅了された、パク・フンジョン印のまた一つの名作であることは間違いないでしょう。(*´ヮ`)/

 

まずは主人公を演じるオム・テグさんの、家族を愛する優しいキラーのハスキー・ボイス演技が魅力です。実は、関係ないですが、こないだ洪城で講義をした時に、パンソリを聞かせてくれた公演チームの代表が、背が高くて顔と声がテグさんにそっくりだったんですよね。もっとも年齢的には年配で、白髭も長く垂らしていたのですが、そのかれたボイスと骨ばった顔がほとんど同じで、思わずサインをもらおうかと思ってしまったほどです。いみじくもテグさんの前作は『パンソリ・ボクサー』でしたけどね。(^ヮ^;)

 

そして誰よりもこの人!ヒロインのチョン・ヨビンさんです。この女優さんは私がここで以前紹介した『罪深い少女(죄 많은 소녀)』(キム・ウィソク監督)で衝撃の主演デビューを果たした恐るべき演技力の新人ですが、今は、私は観ていないですが、ドラマ『ヴィンチェンツォ』で主演なんですね。2018年の年末に、まさに前述の『魔女』とこの『罪深い少女』のどちらを「今年の1本」にするか悩んだ記憶がありますが、今回はその両方の要素を合わせてやっぱり「今年の1本」候補になってしまいました。

 

さらに!最強悪役を務めるチャ・スンウォンさんの、恐ろしくも愛さざるを得ない演技が最高ですね。ここまで怖くてその怖さゆえに笑いを取ることができるヴィランというものは、まさにチャ・スンウォンさんの完成形だといっても過言ではないでしょう。「計算(お勘定)するものが残っていたね」という彼の最後の台詞が、この映画の名台詞No.1であったことは間違いありません。あと、おまけの名悪役として、その下で卑屈な小物としてあしらわれながらも、それでもめげずにどこまでも卑怯すぎ、汚すぎ、極悪すぎる「ヤン社長」の執拗な悪さも見ものであったことを付け加えたいです。

 

最後に強調しておきたいことは、映像の美しさです。もちろんもともと愛してはいましたが、これを見れば、さらに済州島を愛さざるを得ません。それが展開される悲劇とは完全に対照的に、静かで美しい南の海の楽園たる観光地ですからね。まさに互いに種類の違う死に対面している主人公2人が、ある瞬間だけは楽園の夜を感じることができる場所であったことが唯一のこの話の救いであったということができるでしょう。

 

映像美が描き出すコントラスト、すなわち、傷つけ合い、互いを否定し合う人間たちの悲哀を、優しく見守る癒しの島。特に済州島の海の幸による「ムルフェ」の美味しそうな食事シーン。まさにバイオレンス&観光映画として、済州島に恐るべきバカンスに行って来たような感覚にもなれます。これは文句なくおススメです!♪ヽ(´▽`)/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


映画『楽園の夜(낙원의 밤)』(パク・フンジョン監督)予告編。

 

 

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