今日はお若い方達に
ちょっと偉そうに言わせてください
「まさか」を頭の片隅に
4月24日
自宅の階段を踏み外して骨折された
ゴリ君のお母さんの手術日。
連休の後半、ゴリ君の弟さんの子どもの試合が
ゴリ君県で開催されるので、上二人の子を連れて
弟さんが実家に帰省の予定があるために
同じ時にチビブ-の遠征に帯同する予定の長女が
これ以上、お父様に負担をかけるのは無理だとして
5月1日の夜、ミニゴリと末っ子ブ-を連れて帰省。
翌日、二人を残して長女は帰宅。
5月3日 長女とチビブ-は
朝の3時前に家を出て遠征に出発。
同日、我が家には町内会のお役目があったため
5月4日 ミニゴリと末っ子ブ-を連れて
私の実家に帰省。
母の杖の調整、車いすの使い方等を説明。
5月5日 数日分のおかずの作り置きをした後
長女宅に向けて実家を出発。
夜の11時前に、長女とチビブ-が帰宅。
翌日7時半、ゴリ君とイモブ-が
○○市近郊選抜大会に出場のため家を出る。
同時にチビブ-と長女も、練習試合のために家を出る。
8時過ぎ、イモブ-の試合の応援のため
ミニゴリと末っ子ブ-を連れて、私達も出発。
午後、練習試合を終えた長女達と合流。
試合の決勝戦。1点差で負けていた残り6秒で
イモブ-がシュ-トを決めて逆転優勝。
この日一日、私は体育館でずっと待って
ずっと探していました。
孫達の試合には必ず来られているはずの
ゴリ君のお父さんの姿を。
近くにいるから分かること。
近くにいるから分からないこと。
遠くにいるから分かること。
遠くにいるから分からないこと。
互いに情報交換をしながら
一緒に笑ったり怒ったりした
孫達の応援隊の同士として
ゴリ君のご両親とは
本当に仲良くさせていただいていました。
試合後、お父さんが来られなかった理由を
尋ねた私にゴリ君は言いました。
今日は弟の子の試合の方に
行っているのだと思います。
そうなのかと安心し
長女宅で入浴と夕飯を済ませてから
7日の午後に会議の予定が私にあるので
長女宅を出たのが5月6日の20時半頃。
1時間ほど走ったところで、長女からLINE。
せっかく来てもらったのに
何のおもてなしもできなくて、ごめんなさい。
そんなことない。楽しませてもらったと
返信を打っていたところへ、長女から電話。
出るなり「今どこ?」と言われたところから
私達の状況が一変したのです。
夕方、試合結果を伝えた長女にも返信がなく
イモブ-のシュ-トで逆転したよと
伝えたゴリ君のLINEも既読にならず
不安になってかけた電話にも応答がないので
ゴリ君が実家に様子を見に行ったところ
お風呂で倒れていたお父様を発見。
取り乱したゴリ君から長女に電話。
とにかく救急車を!と伝えた後に
お母さん!どうしたらいい?と私に電話。
意識が無いという以外、何も分からないというので
私達はサ-ピスエリアで待機しながら
長女と連絡を取り合って
救急車で行ったら帰る足がないので
実家の戸締りに行った後
病院が分かったら、そちらに行くようにと伝えて
待っていたのですが、やがて届いた知らせは
お父様が亡くなられたという知らせでした。
喪服もないので自宅に向かい、7日の早朝に家に着。
入院中のお母様の外泊許可が二日しか出ないので
お通夜が7日の夜となったと連絡を受け
再び長女宅に向けて家を出る。
夜、次女と現地で合流、お通夜へ。
私達の姿を見るなりゴリ君が来て
涙をポロポロ流しながら話してくれました。
おかあさんから尋ねられた時に
弟の方の試合に行っていると言いましたが
実際には行っていなかったんです。
母親の病院は、未だに面会が規制されていて
面会には予約が必要で、その予約もなかなか取れなくて
7日にやっと、入院してから初めての面会に
父が行けることになっていたんです。
僕は何も知らなかったのですが
行っても会えないと分かっていたのに
それでも父親は毎日、洗濯物を届けに
母の病院に通っていたみたいで
昨日も朝から母の病院に行っていたみたいで …
僕が見つけた時には、もう冷たくなっていて …
母親が、今はちょっと混乱をしていて
僕のことを「お父さん」と呼んだかと思うと
父親の遺体に向かって、僕の名前を呼んだり
父の携帯に「今どこ?」と送ったりしているんです。
実は私に届いたLINEでも
いつもは、とても聡明なお母様からの文章が
意味の分からない不思議な文字になっていて …
私に会うなりお母様が仰ったんです。
自分が入院なんかしたばっかりに
お父さんにストレスを与えてしまって
こんなことになってしまったのだと。
今日の葬儀で、喪主の挨拶を終えた後、
席に戻って声を出さずに泣く父親を見た
5歳の末っ子ブ-がそばに行き
頭をなでなでする姿や
四人の孫達がお腹の底から声を出して泣き
祖父との別れを悲しむ姿に
たまらない思いで、私達も涙が止まらず
後ろ髪をひかれながら帰路に着き
ただ今、サ-ピスエリアで仮眠中です。
30代で父親を見送ることになったゴリ君兄弟。
まさかこんなことが起こるとは
誰が想像できたでしょうか。
5月4日の夜。
長男次男と父親で、実家で焼き肉をして
楽しかったのだという報告が来たので
7日の面会の時にまた詳しく教えてねと
約束していたのに…と泣かれたお母様。
誰の心にも悔いを残してしまうのが
大切な人との別れです。
まだまだ親は若いから大丈夫、などと思わずに
時々、もしかして … まさか … を想像して
どうか親に、声を聴かせてあげてください。
年寄りからの、余計なお世話のお願いです。