7/8の午前11時半ごろに西大寺駅前で、安倍元首相が暗殺された。
ここは自宅近くなので、よく知っているところだが、駅前のバスターミナルと奈良ファミリーへ向かう道の間の開けたところで、犯人は、おおよそ元首相の5−6メートル近くまで迫って、自作銃の1発目を発射したが、これは当たらず、約2.5秒後に発射した2発目が元首相にあたり、これが致命傷を与えた。その直後に、犯人は抵抗することなしに取り押さえられた。

 報道情報を総合すると、安倍氏は、本来、長野へ選挙応援に行く予定だったが、長野の候補者のスキャンダルが週刊誌であきらかになったので、前日に予定を変更し、奈良、京都、埼玉を回ることになったという。当日は、警視庁のSP1名と奈良県警警備部から7−8名ほど、が現場での警備にあたったようである。

 現場は、西大寺駅北側を東西に走る太くない道路があり、この道は代替え道路がないので、止めてないと思う。安倍元首相は、道路を背後に、奈良ファミリーのある北側を向いて演説をしていた。

 問題は3つあって

a) 警備の人間は、聴衆のある北側にそれなりに配備されていたが、犯人がいた南の道路側には、わずかしか配備されていなかった。その結果、5-6メートル近くまで、犯人の接近を許してしまった。
b) 1発目から2発目の発射までは、約2.5秒ほどあったが、安倍氏もまわりのメンバーもたちすくんで、発射音のあった方向を振り返るだけだった。だが、警備のプロなら、安倍氏を押し倒してでも、伏せさせないといけなかった。
c) 現場は、360度全方位がオープンな場所で、警備には難しい場所だった。道路も止めれないし。

 7/9夕刻に、奈良県警本部長は、記者会見を行い、その中で警備の不備を認めているが、辞任はしなかった。しかし、これほど、あきらかな失態で、誰も責任を取らないというのは、どういうことか。

2021/1/6に、US国会議事堂に暴徒が乱入した件では、上院と下院の警備責任者、議事堂敷地の警備責任があるCapitol Police のチーフは、いずれも、その晩、辞任させられている。下院警備責任者は下院議長のナンシー・ペロシ、上院警備責任者は、上院院内総務のミッチー・マコネル上院議員に求められて。キャピトル・ポリスのチーフは自発的だったと思われる。

 事態の解明は、今の本部長がやる必要はない。そんな簡単なこともできないほど、県警に人材が払底してるわけでもないだろう。上が滞留すれば、下の人材は育たない。古今東西、こういう場合、責任者が責任を取らないなどということはない。
 いつ辞任すべきか自分で判断できないような者を本部長に据えてはおけない。首相は今日の選挙の結果が出たら、警察庁長官経由で奈良県警本部長を更迭するべきだろう。

そして、要人警備は、警察庁直下に専門の部署を作って担当するようにしないといけない。