3日掛かりの地区大会!(エホバの証人) | しょむ研 泡沫ブログ(しょむ系政治勢力研究会ブログ版)

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http://twitter.com/shomuken 各種選挙の「しょむ系候補」(諸派・無所属のミニ政党・泡沫候補・インディーズ候補)観察、共産趣味(極左・市民派観察)、極右・カルト宗教観察、評論・ルポ・ノンフィクション・エッセイ系同人誌製作等。メール: shomuken@ymail.ne.jp

 地元の同人誌即売会に一般参加する機会があったのだが、会場となっていた展示場が、後日エホバの証人(ものみの塔)の地区大会に使用されるという告知が貼られていた。しかも日程は3日間!此は!エホバでは出くわした事が無い、大規模集会ではないか!3日連続参加は無理だが、大会1日目の日なら空いてる。よし!行ってみる事にした。

 

 開会10分前位に着く様に車を走らせたが、駐車場は溢れんばかりの車車車!正に轟状態である。エホバの信者って、こんなに多いんだ!?地区大会だから全県から、更には隣県からも集まってるのかしら。会場に入ると、正に黒山の人だかり。ホールは全席満員でギュウギュウ詰めだった。参加者は、男性は夏場だというのに全員長袖スーツに帽子の姿、女性は帽子に長髪で、ロングスカートのスーツかドレス姿だった。エホバ信者はドレスコードが非常に厳しく、集会参加は常に正装が義務付けられている。子供達も同様で、男児はスーツ、女児はドレス姿だった。「結婚式の参列かよ!」と思ってしまった。会場出入口には、全ての所に「特別献金」と書かれた箱が置かれていて、参加者は1000円札をポンポン放り込んでいた。中には10000円札を放り込んでいた強者も…。

 

 開会のアナウンスが会場内に響く。席に着かねば。司会の祈祷が始まる。

 

「全知全能のエホバ神、…、此の祈りを、エホバの御名を通して御前に御捧げ致します。アーメン」

 

あ、やっぱエホバ信者は神の事を「エホバ」と呼ぶんだ。又、一応「アーメン」とも言うのね。其して、讃美歌の演奏が始まると、周囲は全員一斉にタブレットを開いて、讃美歌の楽譜の頁を開いた。讃美歌のアプリが入ってるのか。自分は隣の人に「済みません、自分は未信者で…」と言って、一緒に見せてもらいながら歌った。歌詞にも「エホバ」と出てくる独特の歌である。聖書朗読が始まると、矢張信者はタブレットでアプリを開いて読んでいた。聖書の文書の題名を見ると、一般的に普及している聖書とは微妙に異なっている。そう、エホバは「新世界訳聖書」という、英語が原典の独自の聖書を使用している。翻訳は独特で、エホバの教義に都合の良い物となっている。本来の聖書はギリシャ語とヘブライ語が原典で、英語等の他言語の物を原典とする事はあり得ない。

 

 聖書朗読が終わると、スクリーンが下りてきて、ヴィデオメッセージが始まった。

 

「統治体からのメッセージです。昨年の大会では『従順』がテーマでした。今年のテーマは『忍耐』です。来年は…御楽しみという事にしておいて下さい」

 

「従順」に「忍耐」か…。何か如何にも信者を押さえ付ける、抑圧する感じのテーマ設定だな。其に「統治体」って何だ?ヴィデオは続く。

 

「伝道文書を漫然と配っていても信者は増えません。繋がりや関わりの無い人の家も訪問し、積極的に伝道しましょう」

 

といった信者向けのメッセージがあったり、バプテスマ(洗礼)志望の少女に父親が新世界訳聖書の勉強を促し、バプテスマに至る等といった話等が出てくる。

 

 最も印象的だったのは、「結婚前に培ったスキルを活かして、自分も働きに出たい。自己実現になるし、富を築くという事は献金という形でエホバにも貢献する事にもなる」と主張する女性に、其の夫が「エホバから与えられた男女の役割という物を改めて理解すべきだ。君が御金を稼ぐ事は、本当にエホバの御心なのだろうか?エホバが君に与えている役割は、多くの人にエホバを伝道する事だろう?」と諭す話である。露骨な性的役割論・性別分業論に、嫌悪感と気持ち悪さを覚えた。

 

 会の終わりには讃美歌を歌って、司会の閉会祈祷で終了。隣の人からは、「今回の大会参加を切っ掛けに、貴方も是非エホバ神を信仰して下さい!」と言われた。信じねーよっ!3日間のプログラムを見ると、2日目には洗礼式もある。此は是非見てみたかったが、日程の都合上見られないのが残念だった。

 

 エホバの教義の特徴としては、一般的なキリスト教の教義である三位一体論を否定し、イエスは単なる人間だと主張する。又、イエスは十字架刑に処せられたのではなく、「苦しみの杭」という一本の杭に打ち付けられて死んだと主張している。其して、エホバ以外のキリスト教会を「原始キリスト教会から背教した淫婦」と非難している。

 

 輸血禁止は有名だが、一方で血液の接触を免れ得ない臓器移植に関しては容認しており、教義に矛盾があるという批判がある。輸血を拒否して亡くなった信者は、機関誌「ものみの塔」「目ざめよ!」等で大々的に顕彰される。戦う事も禁止なので、兵役拒否は勿論、学校の体育の授業で格闘技があれば拒否する。格闘技の授業を拒否した生徒が留年や退学をさせられ、裁判となった事例もある(日本では原告であるエホバ信者の生徒が勝訴している)。偶像崇拝を嫌い、十字架等のシンボルを王国会館(教会に当たる)に掲げる事は勿論、国旗・国歌等も拒否する。誕生日やクリスマスも祝ってはならず、年賀状等、季節の挨拶の遣り取りも許されない。死者の遺骨や遺品も偶像と扱われるので、葬儀は行なわず、死者の遺骨や遺品は全て捨ててしまい、墓も建てない。当然、墓参りもしない。政治に関わる事も禁止されており、政治家や公務員にはなれず、選挙に至っては学級委員選挙すら投票を許されない。

 

 組織も独特で、エホバの組織はアメリカの本部に常駐している「統治体」という組織に支配されている。此は「天国に行くと約束された」と言われる指導的信者数名で形成された組織である。

 

 教会に当たる王国会館では、男性信徒が指導的役割を担う「長老」(又は「監督」)に選ばれ、無給で奉仕に当たる。女性が指導的役割を担う事は許されない。

 

 信者間の教団内の序列は絶対で、一般信者が指導的な信者に逆らう事は許されない。其の為、指導的信者や、其の子供が一般信者の子供に対して性的虐待をする事が横行し、一般信者は教団内の序列のせいで被害を告発出来ないという事態に陥っているという。更に、家庭では子供に対して鞭打ちの体罰が頻繁に行なわれ、布教活動においても子供は親に有無を言わさず連れ回されるので、「児童虐待が常態化している」と批判されている。又、布教活動は仕事や学業、家庭生活等よりも優先させられるので、信者は布教活動の為に家事・育児放棄による家庭崩壊、失業や学校中退等を余儀なくされている。

 

 エホバは「天国に行けるのは世界で144000人だけ」と主張している。其の事から、「140000人前後しか天国に行けないなら、幾ら布教して信者を増やしても、其の人達は勿論、布教している人自身さえ天国には行けないのだから無駄なのでは?」という批判もある。

 

 1914年、1917年、1941年、1975年に世界の終末、滅亡を予言しているが、悉く外れている為、此の事も批判されている。

 

 一方、エホバは日本においては反戦運動で一定の評価を得る事もある。戦前「灯台社」の名で布教を始めた明石順三は、エホバの教義に基づき兵営拒否を貫いた。此の事から、「日本のキリスト教はほぼ全てが侵略戦争に協力していたが、明石を始めとするエホバ信者が兵営拒否等で反戦を貫いたのは注目すべき」と言われる事もある。尚、明石は後にアメリカのエホバ本部に星条旗が掲げられていた事を「偶像崇拝」として批判するも、エホバから逆に非難を受けて除名され、エホバへの信仰を棄てている。