将棋 藤井聡太棋聖 木村一基王位に3連勝
将棋の藤井聡太棋聖が、王位戦七番勝負で木村一基王位に3連勝しました。
1日目に解説者を驚かせたのは、藤井聡太棋聖が組んだ「土居矢倉」。
「土居矢倉」は、大正から昭和初期に活躍した土居市太郎名誉名人が編み出した、玉の囲いで、80年前の戦法だとか。
解説者が人目で「ヒェー、土居矢倉ですか。」とわかったのも凄いと思いますけど、その説明も素晴らしかったです。
その後、藤井聡太棋聖の攻めの戦法が、これまた古い、「雀刺し」。
昭和に流行って、平成には廃れた戦法で、飛車、角、香車、歩で相手の一点を集中攻撃するような戦法で、あまりにも攻撃目標があからさまなので、相手も防ぐ手が打ちやすく、廃れてしまったとの事です。
相手は「千駄ヶ谷の受け師」と呼ばれるほど、攻撃を受け流す事が巧みな木村一基王位に対して、『「雀刺し」かよ。』と言うネット上で将棋ファンの驚きもありました。
2日間の長い対局の王位戦ですが、1日目はこの「駒組み」と呼ばれる、陣形を整える所で終了。
2日目はいよいよ駒同士がぶつかり、取った取られたの戦いが始まりました。
ジリジリするような緊張感のある戦いは、一瞬でも隙を与えると、たちまち負けが決定するような感じでした。
その中で、次第に藤井聡太棋聖が少しづつ優勢になって行き、「やっぱり藤井聡太棋聖の勝ちかな。」と思った終盤、藤井聡太棋聖が指した1手で、AIの評価が一気に下がり、木村一基王位の優勢に逆転しました。
「わぁ。」声が出ました。
しかしこれはAIの評価なので、もちろん本人たちは見られませんし、お互い何事も無く淡々と考え、淡々と手を進めていました。
すると、だんだん藤井聡太棋聖の評価がじわじわ上がって行き、また藤井聡太棋聖の優勢に戻りました。
最後は、もう詰みを見切ったらしく進める藤井聡太棋聖の手に、最後の1手、木村一基王位は「金」で王手をかけて、かわされた瞬間に「負けました。」。
AIの評価が表示されるおかげで、将棋がわからない人でも盛り上がってしまうんですねぇ。
途中、キーとなるような場面では、次の一手の候補が画面に出るのです。
以前、AIが4億手を計算してもダメだった手が、6億手を計算したら最善手になったけど、藤井聡太当時七段が26分で考えてその手を指した事が話題になりました。
今は、AIが何手計算中かも表示されます。
これがまた面白くて、AIが130億考えて出した手が、140億越えると変わる事があるんですよね。
解説者の棋士も、「何で今変わったんでしょうね。さっぱりわかりません。」って驚いていました。
「大体140億手なんて、一生かかったって人間には読めないから。でも、結論は大体AIと合ってるから、人間も捨てたもんじゃないですよね。」
後1勝すれば藤井聡太棋聖が王位も取るわけですが、木村一基王位の強さも尋常では無いから、どうなるか楽しみです。
sakagi keiichirou ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー