初めてアーティゾン美術館(旧ブリヂストン美術館)に行ってきました。
パリのオペラ座の歴史を辿るとても興味深い展覧会です。
17世紀から現在まで!
展示は大規模で、舞台美術、衣装、小道具、
オペラとバレエの歴史を追いかけていきます。
ラモー、モーツァルト、ヴェルディ、ロッシーニ、ワーグナーの直筆譜がありました!
作曲家にとって、パリのオペラ座は特別なもの。
みんな、パリを目指したのです。
オペラ座とヴァイオリンの弓の発明
そういえば、ドラクロワのパガニーニの肖像画、
パリのオペラ座での独演会の様子と言われているのです。
1770年頃に、パリにいたトルテが
現在の弓と同じ、ペルナンブーコを材料に使った
逆反りの弓を作りました。
今現在、高値に取引されているのは
トルテはじめ18・19世紀のオールドフレンチボウと呼ばれる
この時期のパリで作られた弓です。
パリのオペラ座の発展と
この弓の発明がリンクしているのが面白いです。
トルテの発明した逆反りの弓のおかげで
大きな音が出るようになり奏法が変わりました。
そして超絶技巧のパガニーニが登場。
パガニーニはヴィヨームの工房の弓を使っていたのかなあ、
ヴィヨームの金属製の弓を気に入っていたという逸話が本当なら、
オペラ座の演奏会で使ったのかなあとか。
・・・・妄想というかワクワクが止まりません。笑。
オペラ座のバレエ伴奏者はヴァイオリニストだった
ミュージアムショップで新刊「バレエ伴奏者の歴史(音楽之友社)」も購入しました。
面白くて一気に通読してしまいました。
バロックダンスの教師がヴァイオリンを弾きながら教えていたことが由来で、
長らくオペラ座のバレエの稽古ではヴァイオリン奏者だったこと。
本書の表紙、ドガの絵にもヴァイオリン奏者が登場する。
(しかも専属オケの第2ヴァイオリンとヴィオラTutti奏者がやる仕事だったのが興味深い)
ヴァイオリン、ヴィオラ奏者からピアニストへ変わっていく時期の考察なども
とても面白く読めました。
19世紀のパリの息遣いを感じられます。