論破王に弁護士が出たら強いかといわれると,弁護士は普段書面で議論をしているので,とっさに言葉が出るかどうかは別問題で,必ずしも・・・というところです。
ただ,弁護士は,常に,書面での論破合戦をしています。
書面での議論も含めれば,弁護士は強い方といえるような気がします。
私,こう見えて(?),弁護士界でも,その勝負は強い方だと思います。
勤務弁護士時代だったころ,同僚の先輩弁護士に,よく詭弁弁護士といわれていました。
日常の冗談話レベルでは,相手が同僚弁護士でも,黒を白にし,白を黒にしてしまっていたので(笑)
実際の訴訟では,自分が正しいと信じられる方にしか付かないので,黒を白にするようなことはないのですが,自分でいうのも何ですが,これまでのところ,裁判での論破合戦ではほとんど負けた経験はない記憶です。
ただ,依頼者から,先生の書面の方が圧倒的に説得力があるので勝てますよね?といわれたときに,いや,最初からお話ししている状況(この訴訟はかなり難しい)から変わってないですということもあります。
議論だけで勝敗が決まる世界ではなく,結局最後は証拠なんですよね。
もちろん,証拠的には不利でも,依頼者が正しいと信じられる,正しい方をなんとしても勝たせたいと思うから,それを簡単には諦めず,どうにしかしようと頑張って論破して,活路を探るわけですが・・・
論破力は一つの武器ではあっても,決定的な決め手ではないといったところ。
それは,さておきどうやったら議論に勝てるか?
いくつかコツがあるのですが,一番重要だと思うのは,いったん出した主張でもやっぱり弱いと思ったら,さっさとひくことです。
相手の反論にカチンときてムキになって拘っていても,勝てません。
逆に,そういったところを挑発して,相手に無駄な努力をさせ,相手の主張全体を筋悪に見させるというのもコツといえます。
それから,相手の主張にA,Bがあり,本当に重要なのはBの方だったとします。
そういうときに,Bに関心がないフリをして,Aを徹底的に攻めます。
ポーカーフェイスが重要です(弁護士は書面で戦うんやなかったのかって?w)
その過程で,Aにとっては有利だけど,Bにとっては不利なことをいわせます。
本当はAに対してもっと強く反撃できるのだけど,ちょと弱めに反撃して,とことこん好きなところまでいわせます。
そこで,突如Bは切捨て,Aを攻める。
これが意外と効を奏したりするのです。
あと,議論とはちょっと違う場面かもですが,反対尋問の時などがそうなのですが,相手方の証人や相手方本人の尋問で,最初から喧嘩腰でいくと相手も構える。
この場面でも,相手の意図に反する発言にいちいちつっかかるのではなく,ある程度好きにいわせた方がよいのです。
反対尋問なんて,普通にいったら,こちらの望む質問を全部否定するだけです。
極端な話,質問が100個の場合,そのうちの1で仕留められれば,残りの99の質問は捨てでよい。
仕留める1に持って行くまでは,和やかに,好きなことを好きなだけいってもらってるくらいの方がよかったりします。
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